理事長退任の挨拶と御礼

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2024年3月に第6代理事長を拝命してから2年、あっという間に2026年3月で理事長を退任しました。
2年間のテーマは「若いチームで世界に羽ばたく学会に」です。

まず海外の関連学会に行って多くの人に会ってJSICMを紹介し、むしろ世界からみたJSICMの立ち位置を確認しました。それでいろんなことがわかりました。
  • 会員数12,000名は世界的に(一番?)多い
  • 多職種の参画(multidisciplinary)は最高の強みです
  • Diversityを尊重し、多様な価値観で運営しています
  • 国際交流が豊富で、韓国、タイ、台湾などアジアを中心に長きにわたり友好関係です
これは、この50年で先輩方、会員の皆様が築かれてきたことです。そしてどの国の集中治療医学会でも世界から主メンバーと若手が参加していました。韓国、タイ、台湾、シンガポール、ESICM、SCCM、WCICCなどとさらに顔の見える関係を作ることで、徐々に海外からの演題が増え、海外から多く参加してくれているように思います。また台湾、韓国との国際協力研究の計画が再び始まりました。大変嬉しいです。

第20回世界集中治療医学会学術集会(World Congress of Intensive and Critical Care:WCICC)の2029年京都開催は、理事会、事務局が一丸となって動きました。ただ、誘致することができたのは、長年にわたりJSICMの発展にご尽力くださった諸先輩方、すべての学会員の皆さまのご努力が高く評価された結果であると確信しており、心より感謝申し上げます。

臓器提供関連では関連学会とともに法的脳死判定マニュアル2024および不可逆的全脳機能不全患者の集中治療マニュアル2025を発行しました。これが「救急・集中治療における生命維持治療の終了/差し控えに関する4学会合同ガイドライン」の発表時期と重なったことは偶然ですが、結果として「救急・集中治療における生命維持治療終了/差し控えの判断プロセスには、選択肢として臓器提供がある」という重要なステップの提示になりました。これからが重要です。法的脳死判定はマニュアル2026にむけて検討が始まっています。認定ドナーコーディネーターの研修・審査制度の策定も待ったなしになっています。引き続き行政および関連学会と緊密に連携していきたいと思います。

Intensive Care Nextはアカデミアと実臨床をもっとつなぐ、すなわち学会が集中治療の現場、そこで頑張っている多職種チームにさらに寄り添って教育を推進し教育的人材を発掘するツールとして企画しました。雑誌の発行は大変な作業です。だからこそ魅力あるNEXTを継続可能な若くて馬力があるメンバーをコアに据えました。横浜の学会の最終日の午後に展示会場の一画にあんなに若い人が集まったのは初めてで、少し安心しました。

集中治療におけるヒト・ハコ・運用(プロセス)の有機的な発展に関しては、2024年11月11日には日本救急医学会とともに共同声明を発出しています。その中では、働き方改革を進めつつ質の高い急性期医療システムを維持するために、救急科専門医/集中治療科専門医が増えるように、責任や負担の大きさに見合った適正な報酬が得られるなど、待遇改善/インセンティブの付与が重要である、が一番言いたいことでした。これは今回の診療報酬の改定にもつながっていると思います。

福岡、横浜とも学術集会の参加者が最高に増えました。若いみんなで盛り上げることになっていると思います。横浜の学会会場でのラジオ公開収録でリクエストしたIt’s My lifeが流れました。よかったです。
♩It’s my life. It’s now or never. I ain’t gonna live forever. I just wanna live while I’m alive. ♩

ただ、何をするにも1人では何もできません。この2年間で成果がある程度あったとすればそれは、事務局、理事、評議員、委員会委員、すべての会員の皆様のご尽力の賜物と思います。皆様のご協力に心より感謝申し上げます。本学会がさらに若いチームで盛り上がっていくことを確信しています。

うまくつなげたかな?  うまくつながったと信じています。
2026年3月
一般社団法人日本集中治療医学会
前理事長
黒田 泰弘