第50回日本集中治療医学会学術集会 U35企画
「次世代のIntensivistは、きみだ!」 終演

U35プロジェクト委員会 委員長 野田 浩太郎

2023年3月4日、第50回日本集中治療医学会学術集会終了後、U35企画「次世代のIntensivistは、きみだ!」が開催されました。U35が結集されてから約半年、多様なバックグラウンドを持つ若手スタッフが団結し、企画立案して参りました。U35として初の大舞台であり、画期的な意見、創造的な試みが生まれる反面、若さ・未熟さゆえの衝突、困難も経験しました。私自身、U35代表としてどうあるべきか、どうしたらより良いか、非常に悩みました。時に、タスクフォースの先生方に伴走いただきながら、メンバー同士で議論を重ね、何とか開催に至りました。

まだまだU35の認知度は低く、正直集客にはあまり期待はできませんでした。しかし当日は、なんと、約130名以上の方々に参加いただき、会場は満員、立ち見が出るほどの大盛況でした。ひとえにU35メンバー、学会の方々のご尽力の賜物と存じます。特に、インフルエンサーの方々(U35メンバー)が、根気強く宣伝してくださったことが効果的であったと感じました。また学会終了後であるのに、大変多くの方々に参加していただき、熱心に聞いてくださる姿を見て、改めて「U35への期待の大きさ」を実感しました。
第一企画、「研究しくじり先生 〜この失敗はするな〜」では、U35メンバーの研究失敗談を発表頂きました。「研究がしてみたい!」、 その純粋な思いで果敢にチャレンジ、結果として失敗してしまった。そのような、誰しも経験しうるエピソードをお話しいただきました。研究を始めるにあたって、非常に大切な第一歩です。研究に失敗はつきもので、むしろ9分9厘うまくいかない。しかし、失敗を積み重ねる中で、やっと一筋の光が見えてくる。同世代の勇敢かつ大胆な挑戦に、きっと多くの人が共感し、研究意欲を掻き立てられたはずです。
「キャリア形成 『集中治療 × X = 私』 君のXは。」では、11人のプレゼンターが、各々のキャリアの芯である「X」を語ってくれました。一言で集中治療といっても、個人のキャリアパスは千差万別。留学、出産・子育て、インフルエンサーなど様々な背景を持つメンバーが、それぞれの信念、そして思い描く理想のキャリアパスを共有しました。企画後半では、プレゼンターと参加者の交流する時間を設け、活発な意見交換が行われました。熱量をもって会場が一体となる、素晴らしい時間を過ごすことができました。
最後の企画、「聞いとくれやす 若鮎の声」は、事前に調査したアンケートをもとに、若手スタッフの「生の声」を取り上げました。学会を通し回答を呼びかけ、計300人以上のご回答いただけました。医師、看護師、薬剤師、セラピスト、臨床工学技士、インフルエンサーの方々にプレゼンいただき、若手の声を届けるためにはどうしたら良いか、議論しました。会場を巻き込み、一丸となって未来の学会のあり方を考える、有意義な企画となりました。
本当に多くの方々にご参加いただき、U35企画「次世代のIntensivistは、きみだ!」は大盛況の下、終演いたしました。我々の目標としていた「若手の交流」、「若手主体の企画立案・遂行」は達成され、大成功であったと、私は思います。このような素晴らしい若手の交流が継続され、その熱量が脈々と受け継がれる。その源流にU35がなる、ある種の決心まで芽生えた一日となりました。開会の挨拶でも触れましたが、「純粋な眼を持ち、失敗を恐れずチャレンジし続ける」ことが、次世代の集中治療を担う我々の責務だと感じています。これからは、自分たちの手で未来を創造する、そのスピリットを共有し、そのDNAをさらに次世代に残したい。まだまだ粗削りな我々ですが、楽しい、ワクワクすることを、どんどんデザインしていきます。U35の今後の活動に、乞うご期待!