ダイバーシティ委員会

Diversity Commitee

アンケート

04.2025年度「支部学術集会における育児支援に関するアンケート調査」

2025年夏に開催された各支部学術集会での現地調査により、子連れ参加支援の実態を把握しました。
結果は下記の通りでした。
2026年2月26日
第9回(2025年)支部学術集会 育児支援アンケート 結果報告
ダイバーシティ委員会では、2025年に開催された各支部学術集会において、現地参加者を対象とした「学術集会における託児・子連れ参加支援」に関するアンケートを実施いたしました。本調査の目的は、会員の皆様がライフイベントに関わらず学術集会へ参加し続けられる環境を整えるための基礎資料とすることです。また、一部の支部では委員会メンバーが直接現地を視察し、報告書を作成しております。そちらも当委員会HPで概要を報告しておりますので、併せてご覧ください。
1.
アンケート概要
  • 実施期間: 2025年6月14日〜8月2日(全7支部にて実施)
  • 調査方法: 各会場でのQRコード提示による任意回答
  • 有効回答数: 112名
○回答者背景
  • 年齢層: 20歳代 16 % (19 人)、30歳代 38 % (43 人)、40歳代 35 % (40 人)、50歳代 8 % (10 人)
  • 性別: 男性 35 % (40 人)、女性 62 % (70 人)
  • 回答者の末子の年齢: 未就学児 32 % (36 人)、小学生 19 % (22 人)、中学生 10 % (12 人)、いない/回答しない 36 % (41 人)
  • (アンケートに回答した)支部学術集会に子連れ参加したか: はい 10 % (10 人)、いいえ 88 % (99 人)
  • 子連れ参加者が利用したサービスの内訳: 託児費用支援 1人、会場内の託児所 1人、会場内の休憩所 1 人、利用なし 4 人
2.
子連れ参加支援サービスへの評価
実際にサービスを利用した方からは、多くの肯定的な意見をいただきました。

○良かった点
  • 利便性: 会場内に授乳室(鍵付き)や託児所があった。移動の負担が少なかった。
  • 環境: 飲み物の提供や、周囲の目を気にせず過ごせる専用スペースが好評であった。
  • 教育的側面: 子供にとっての社会勉強になり、親子で参加できる機会自体が貴重であると感じられた。
○今後の改善点
  • 設備拡充: おむつ替えスペースの併設や、キッズラウンジ内への遊具(本、塗り絵、おもちゃ等)の設置。
  • 聴講環境: キッズラウンジからも講演内容が視聴できる環境や、会場内の親子優先席の設置。
  • 利便性の向上: 電子レンジ(離乳食用)の有無や、ベビーカー移動経路の事前周知。
3.
育児中であるが子連れ参加しなかった理由(複数回答可)
4.
当学会の子連れ参加への理解度の評価、同支援の推進への希望
5.
今後の支援に向けたニーズ(自由回答) 会場におけるサービス充実に加えて、多かったのはオンデマンド配信やハイブリッド開催でした。そのほか、自由記載の回答で、現地のサービス/支援に関する意見は下記のような内容でした。(2. と類似する内容もあります)
  • 低価格: 明確な価格帯の提示は今回の回答内ではありませんでした。
  • 「会場内」託児: 託児所があるとありがたいが、やはり「会場内」を望むという声が複数ありました。
  • 利用可能なサービスの情報発信: 現地でどのようなサービス・支援があるのかをより明確にしてほしいという要望がありました。例えば、各サービスの利用方法、ベビーカーの可否、キッズラウンジの設備(電子レンジの有無、おもちゃの有無)などです。
  • 聴講環境の改善: 子ども帯同で聴講できるスペースやキッズラウンジにおけるプログラムの放映の提案がありました。
  • 発表時間の考慮: 朝一または夕方の時間帯の発表は避けてほしい、という実体験者の意見がありました。託児所は時間外の可能性があること(特に会場外の託児所)や、子どもの身支度に時間がかかることが理由です。
  • キッズラウンジの設備充足: 今回は子連れで利用してよい(文字通り)「場」があるだけであり、お湯やおむつ替えのできる場所がなく、乳児を連れていける環境ではないという指摘がありました。また、マットが小さく、複数家族での利用は困難でした。
  • 新しい企画の提案: 子供向けハンズオンセミナーや、体験ブースなどの参加型企画を望む声もありました。
6.
非子連れ参加者からの視点
子連れでない参加者からは、「子連れ推奨」の掲示により周囲の理解が深まる、雰囲気が和むといった前向きな意見がありました 。一方で、会場内でのマナー(泣き声や走り回り)に関するルールの明文化、一般参加者の座席確保とのバランスを求める声や、子連れ参加者への過度な優遇と受け取られることによる不公平感の発生を懸念する意見がありました。
7.
ダイバーシティ委員会の展望
今回のアンケート結果をふまえ、当委員会では以下の施策を継続・検討してまいります。
  • 環境整備の議論: キッズラウンジにおける小さなお子様が遊べるような物品の準備や、乳児のケアに必要なおむつ、お湯ポット、ごみ箱、おむつ替えスペースや授乳室の提供を標準化することを目指します。
  • 情報発信の強化: 各会場のサービス内容を事前に分かりやすく公開します。
  • サービスの利用者および利用されない方双方へのヒアリング: すべての参加者が気持ちよく学術集会に参加できるよう、随時アンケートなどを通してサービス内容の改訂を目指します。
「ダイバーシティが目的ではなく、学会運営をよりよきものにするための手段である」という視点を持ち、全ての会員が活躍できる学会運営に努めてまいります。
8.
さいごに
本アンケートを通じて、託児や子連れ参加支援に対する切実なニーズと、同時に運営側が改善すべき課題がみえてきました。ライフイベントを理由に大切な学びの場への参加を諦める方を、一人でも減らしたいと考えています。会場設備や支援体制に配慮して子育て世代を支援し、彼らのキャリア継続や参加意欲の維持に、ひいては学会全体の活性化につながることを願います。いまだみえていない不便や困難もあると思います。多様な背景を持つ全ての会員にとってより良い環境をつくっていくため、ぜひ皆様の忌憚ない意見を引き続き日本集中治療医学会、またはダイバーシティ委員会までお寄せください。