U35月例報告 2026年度6月

XでPostする
Facebookでシェアする

2026年6月

■座談会報告
2026年度第1回ハートチーム座談会
テーマ:自己紹介、今後の活動内容、症例報告の共有
報告者:荒川 希美  開催日:2026年6月19日
今回の座談会には、医師、看護師、栄養士、薬剤師、セラピストなど多職種がバランスよく参加し、意見交換を行いました。今後の活動方針として、学術集会での症例検討に限らず、勉強会、Slack上での議題受付など、気軽に参加でき、学びにつながるチャンネルを目指します。座談会は当面、不定期開催を予定しています。
後半には、大井さんより、敗血症性ショックに対してV-A ECMOとImpellaを併用した症例報告(日集中医誌 2024;31:503-7)が紹介されました。ECMOやImpellaといった補助循環は一般に心筋梗塞などの心原性ショックで用いられることが多いですが、敗血症性心筋症においても早期の循環動態安定化に寄与する可能性が示されました。循環動態評価に関する話題としては、近年注目されている右心機能指標であるPAPi(肺動脈脈圧指数)が本症例でもECMO導入などの判断に用いられた点が共有されました。また、EFよりも早期に心機能低下を検出できる指標としてGLS(Global Longitudinal Strain)も話題にあがりました。
さらに、循環器集中治療領域が近年注目されており、J4CSの心原性ショックプロトコルや、心不全専門医の新設が予定されていることなどにも話題が及びました。治療適応に関する議論では、VADの適応判断の難しさ、高齢者やADLが低下した患者に対するTAVIの是非、さらには医療経済的観点から、治療選択をどう考えるべきかといった点について、今後の座談会テーマとする可能性も含め、多職種間で意見が共有されました。
教育チャンネル座談会
報告者:國方 歩  開催日:2026年6月22日
今回の座談会では、スタッフ層のリクルートや教育について意見交換を行いました。
施設や職種によっては採用枠の制約があり人材確保が難しい状況がある一方で、多様な症例経験、研究環境、給与面などが魅力となり、人材が集まっている現状が共有されました。
教育については、年次別の役割分担や米国式のattending fellow制度などを導入している施設もみられました。短期間の認定制度研修などで指導について学ぶ機会はあるものの、不十分と感じている参加者も多いことが分かりました。また、指導者に求められるティーチングとコーチングのバランスの難しさについても意見が挙がりました。フィードバックに関して、その方法や実施する場について議論を行いました。個別性が求められる際には集団の場で行わない一方、経験則に基づく判断を扱う場合などでは多様な視点を得るため複数名がいる場で実施するなど、内容に応じた使い分けがなされていることが分かりました。また、学習者への問いかけとしてWhyではなくWhatを用いることで、学習者が責められていると感じにくくなるという意見も挙がりました。
さらに、教育体制の整備には組織への働きかけも必要ですが、現状では我々の世代が組織変革に関与する機会や、その方法を学ぶ機会が十分に整っていないことが課題に挙げられました。
リハビリチャンネル座談会
報告者:中西 恭介  開催日:2026年6月26日
今回は、日本大学病院の柳澤佑哉さんに、「機械的補助循環離脱後の足関節背屈筋力低下発生に関する検討―後方視的観察研究―」についてご発表いただきました。本演題は、日本集中治療医学会 第10回関東甲信越支部学術集会で発表予定の演題であり、今回はその予演会として実施されました。MCS管理下における末梢神経障害の評価方法やポジショニング、鎮静管理との関連について活発な議論が交わされるとともに、多職種への啓発の重要性についても意見交換が行われました。

発行者:U35プロジェクト運営委員会