U35月例報告 2026年度6月
2026年6月
■座談会報告
【英語論文怖くないよ部屋】英語論文読解レクチャー
テーマ:Methodsの深掘り~「いいとこ取り」を防ぐ仕組みとは?~
報告者:相川 玄 開催日:2026年6月8日
報告者:相川 玄 開催日:2026年6月8日
前半のレクチャーでは、「Pragmatic(実践的)」や「非盲検」といった少し専門的な研究デザインの用語について学びました。特に面白かったのは「統計解析計画」のお話です。研究を始める前に解析計画を公表しておくことで、後から都合の良いデータだけを使って結果を偽る「いいとこ取り」を防ぐ仕組みになっていることを教わりました。講義内では「SALT-ED試験(バランス型晶質液と生理食塩水の比較試験)」のPICOを読み解きましたが、受講生からは「論文の難易度はNRS(痛みの尺度)で5〜7くらい!(ギリギリ分かるがサポートが欲しいレベル)」というリアルな感想も飛び出しました。でも大丈夫、U35にはつまずいた時に助け合える仲間と手厚いサポート環境が揃っています!
第37回緩和ケア座談会
テーマ:循環器デバイスの中止
報告者:吉澤 和大 開催日:2026年6月17日
報告者:吉澤 和大 開催日:2026年6月17日
今回の緩和ケア座談会では、「循環器デバイスの中止」について、スモールグループでディスカッションを行いました。重篤な循環器疾患患者が入室しやすいICUではICDをはじめとした循環デバイスが入っている方は少なくなく、終末期にはその停止も議論されることがあります。参加者全員に経験があるわけではないものの、複数回ICDの停止を経験しているICUスタッフもいたりと、深い学びが広がった会でした。
ICDの停止に関しては、ICD管理の制限とICD作動の苦痛の両方を考慮する必要がある一方で、それを中止するということは、突然死のリスクが上がることでもあり、慎重な議論が必要かつ、患者本人の価値観に基づいたGoals of care discussionがなおのこと重要だと考えられました。一方で、明らかに疾患全体で日の単位の終末期となっている場合には、穏やかな最期の妨げにならないよう積極的な議論が必要な話題だとも考えられます。今回の勉強会を皮切りに、本当に有意義な循環器デバイスの中止が広まると良いなと感じました。
ICDの停止に関しては、ICD管理の制限とICD作動の苦痛の両方を考慮する必要がある一方で、それを中止するということは、突然死のリスクが上がることでもあり、慎重な議論が必要かつ、患者本人の価値観に基づいたGoals of care discussionがなおのこと重要だと考えられました。一方で、明らかに疾患全体で日の単位の終末期となっている場合には、穏やかな最期の妨げにならないよう積極的な議論が必要な話題だとも考えられます。今回の勉強会を皮切りに、本当に有意義な循環器デバイスの中止が広まると良いなと感じました。
2026年度第1回ハートチーム座談会
テーマ:自己紹介、今後の活動内容、症例報告の共有
報告者:荒川 希美 開催日:2026年6月19日
報告者:荒川 希美 開催日:2026年6月19日
今回の座談会には、医師、看護師、栄養士、薬剤師、セラピストなど多職種がバランスよく参加し、意見交換を行いました。今後の活動方針として、学術集会での症例検討に限らず、勉強会、Slack上での議題受付など、気軽に参加でき、学びにつながるチャンネルを目指します。座談会は当面、不定期開催を予定しています。
後半には、大井さんより、敗血症性ショックに対してV-A ECMOとImpellaを併用した症例報告(日集中医誌 2024;31:503-7)が紹介されました。ECMOやImpellaといった補助循環は一般に心筋梗塞などの心原性ショックで用いられることが多いですが、敗血症性心筋症においても早期の循環動態安定化に寄与する可能性が示されました。循環動態評価に関する話題としては、近年注目されている右心機能指標であるPAPi(肺動脈脈圧指数)が本症例でもECMO導入などの判断に用いられた点が共有されました。また、EFよりも早期に心機能低下を検出できる指標としてGLS(Global Longitudinal Strain)も話題にあがりました。
さらに、循環器集中治療領域が近年注目されており、J4CSの心原性ショックプロトコルや、心不全専門医の新設が予定されていることなどにも話題が及びました。治療適応に関する議論では、VADの適応判断の難しさ、高齢者やADLが低下した患者に対するTAVIの是非、さらには医療経済的観点から、治療選択をどう考えるべきかといった点について、今後の座談会テーマとする可能性も含め、多職種間で意見が共有されました。
後半には、大井さんより、敗血症性ショックに対してV-A ECMOとImpellaを併用した症例報告(日集中医誌 2024;31:503-7)が紹介されました。ECMOやImpellaといった補助循環は一般に心筋梗塞などの心原性ショックで用いられることが多いですが、敗血症性心筋症においても早期の循環動態安定化に寄与する可能性が示されました。循環動態評価に関する話題としては、近年注目されている右心機能指標であるPAPi(肺動脈脈圧指数)が本症例でもECMO導入などの判断に用いられた点が共有されました。また、EFよりも早期に心機能低下を検出できる指標としてGLS(Global Longitudinal Strain)も話題にあがりました。
さらに、循環器集中治療領域が近年注目されており、J4CSの心原性ショックプロトコルや、心不全専門医の新設が予定されていることなどにも話題が及びました。治療適応に関する議論では、VADの適応判断の難しさ、高齢者やADLが低下した患者に対するTAVIの是非、さらには医療経済的観点から、治療選択をどう考えるべきかといった点について、今後の座談会テーマとする可能性も含め、多職種間で意見が共有されました。
教育チャンネル座談会
報告者:國方 歩 開催日:2026年6月22日
今回の座談会では、スタッフ層のリクルートや教育について意見交換を行いました。
施設や職種によっては採用枠の制約があり人材確保が難しい状況がある一方で、多様な症例経験、研究環境、給与面などが魅力となり、人材が集まっている現状が共有されました。
教育については、年次別の役割分担や米国式のattending fellow制度などを導入している施設もみられました。短期間の認定制度研修などで指導について学ぶ機会はあるものの、不十分と感じている参加者も多いことが分かりました。また、指導者に求められるティーチングとコーチングのバランスの難しさについても意見が挙がりました。フィードバックに関して、その方法や実施する場について議論を行いました。個別性が求められる際には集団の場で行わない一方、経験則に基づく判断を扱う場合などでは多様な視点を得るため複数名がいる場で実施するなど、内容に応じた使い分けがなされていることが分かりました。また、学習者への問いかけとしてWhyではなくWhatを用いることで、学習者が責められていると感じにくくなるという意見も挙がりました。
さらに、教育体制の整備には組織への働きかけも必要ですが、現状では我々の世代が組織変革に関与する機会や、その方法を学ぶ機会が十分に整っていないことが課題に挙げられました。
施設や職種によっては採用枠の制約があり人材確保が難しい状況がある一方で、多様な症例経験、研究環境、給与面などが魅力となり、人材が集まっている現状が共有されました。
教育については、年次別の役割分担や米国式のattending fellow制度などを導入している施設もみられました。短期間の認定制度研修などで指導について学ぶ機会はあるものの、不十分と感じている参加者も多いことが分かりました。また、指導者に求められるティーチングとコーチングのバランスの難しさについても意見が挙がりました。フィードバックに関して、その方法や実施する場について議論を行いました。個別性が求められる際には集団の場で行わない一方、経験則に基づく判断を扱う場合などでは多様な視点を得るため複数名がいる場で実施するなど、内容に応じた使い分けがなされていることが分かりました。また、学習者への問いかけとしてWhyではなくWhatを用いることで、学習者が責められていると感じにくくなるという意見も挙がりました。
さらに、教育体制の整備には組織への働きかけも必要ですが、現状では我々の世代が組織変革に関与する機会や、その方法を学ぶ機会が十分に整っていないことが課題に挙げられました。
【英語論文怖くないよ部屋】英語論文読解レクチャー
テーマ:Results・統計の読み解き方~某メジャーリーガーで学ぶ「中央値」!?~
報告者:相川 玄 開催日:2026年6月22日
報告者:相川 玄 開催日:2026年6月22日
後半のレクチャーでは、宿題だった「SALT-ED試験」のPICOの復習と、退院在宅日数(Hospital-free days)などの評価項目の確認を行いました。そしていよいよ「Results(結果)」の読み方です。Table 1(患者背景)を読む際、なぜ平均値ではなく「中央値」を使うのか?という疑問に対し、「同級生の年収データに『某メジャーリーガー』が一人混ざると、平均値が跳ね上がって実態を表さなくなるから!」という講師のとてもわかりやすい例えがあり、みんな大納得でした。さらに、難敵である「P値(統計的検定)」についても、サイコロを使った例えと数学の「背理法」の考え方で解説していただき、スッと腑に落ちました。最後に、「統計的な差(P<0.05)があるかだけでなく、実際の臨床現場で意味のある差の大きさなのかを考える視点が重要」という非常に実践的なメッセージをいただきました。
一人では難しくて挫折しがちな「統計」や「図表の読み方」も、分かりやすい例えと同世代の仲間とのディスカッションがあれば、驚くほど楽しく学べます。「論文の図表やP値を見るとそっとページを閉じてしまう」という方は、ぜひ…U35の【英語論文怖くないよ部屋】に遊びに来てください!多職種の仲間と一緒に、少しずつ「読める!」という自信をつけていきましょう。
一人では難しくて挫折しがちな「統計」や「図表の読み方」も、分かりやすい例えと同世代の仲間とのディスカッションがあれば、驚くほど楽しく学べます。「論文の図表やP値を見るとそっとページを閉じてしまう」という方は、ぜひ…U35の【英語論文怖くないよ部屋】に遊びに来てください!多職種の仲間と一緒に、少しずつ「読める!」という自信をつけていきましょう。
U35看護師ミーティング
テーマ:⼝渇と⼝腔ケア
報告者:筒井 梓 開催日:2026年6月25日
報告者:筒井 梓 開催日:2026年6月25日
今回は、海⽼名総合病院の認定看護師としてご活躍されている府川さんをプレゼンターに、「⼝渇と⼝腔ケア」について座談会を⾏いました。はじめに、府川さんより、⼝渇と⼝腔ケアに関する研究やシステマティックレビューについて紹介していただき、府川さんから参加者へ質問を投げかける形でディスカッションを進めていきました。
⼝渇については、ある施設では4時間おきにNRSで評価をしている⼀⽅、ほとんどの施設では統⼀された評価を⾏なっていないことがわかりました。また、⼝渇に対する対応⽅法も、現場個⼈の経験や判断に任されることが多く、施設で統⼀された介⼊は今回の参加者の中ではありませんでした。
次に⼝腔ケアについては、国内と海外でのケア⽅法や価値観の差異についても触れ、各施設の現状について意⾒交換を⾏いました。アセスメント⽅法は施設によってOAGとOHATの2つに⼤きく分かれ、ケア⽅法については施設間で多様であることがわかりました。また、参加者の中には院内認定制度を取り⼊れている施設もあり、施設ごとの違いを知ることができる機会となりました。
プレゼンターの府川さんは、認定看護師として⾃施設で⼝腔ケアバンドルの導⼊を⾏い、介⼊前後での変化を研究していますが、そのアドバイザーとしてU35のメンバーが関わっています。こうした横のつながりを活かせるのもU35ならではと感じるばかりで、今後も増えていくことを願っています。
⼝渇については、ある施設では4時間おきにNRSで評価をしている⼀⽅、ほとんどの施設では統⼀された評価を⾏なっていないことがわかりました。また、⼝渇に対する対応⽅法も、現場個⼈の経験や判断に任されることが多く、施設で統⼀された介⼊は今回の参加者の中ではありませんでした。
次に⼝腔ケアについては、国内と海外でのケア⽅法や価値観の差異についても触れ、各施設の現状について意⾒交換を⾏いました。アセスメント⽅法は施設によってOAGとOHATの2つに⼤きく分かれ、ケア⽅法については施設間で多様であることがわかりました。また、参加者の中には院内認定制度を取り⼊れている施設もあり、施設ごとの違いを知ることができる機会となりました。
プレゼンターの府川さんは、認定看護師として⾃施設で⼝腔ケアバンドルの導⼊を⾏い、介⼊前後での変化を研究していますが、そのアドバイザーとしてU35のメンバーが関わっています。こうした横のつながりを活かせるのもU35ならではと感じるばかりで、今後も増えていくことを願っています。
リハビリチャンネル座談会
報告者:中西 恭介 開催日:2026年6月26日
今回は、日本大学病院の柳澤佑哉さんに、「機械的補助循環離脱後の足関節背屈筋力低下発生に関する検討―後方視的観察研究―」についてご発表いただきました。本演題は、日本集中治療医学会 第10回関東甲信越支部学術集会で発表予定の演題であり、今回はその予演会として実施されました。MCS管理下における末梢神経障害の評価方法やポジショニング、鎮静管理との関連について活発な議論が交わされるとともに、多職種への啓発の重要性についても意見交換が行われました。
発行者:U35プロジェクト運営委員会









