U35月例報告 2026年3月

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2026年3月

■座談会報告
第35回緩和ケア座談会
報告者:吉澤 和大  開催日:2026年3月18日
今回の緩和ケア座談会では、「死亡診断のタイミング/終末期におけるモニター・デバイス管理」をテーマに、ICUにおける「看取りの質」について、実例を交えた深い議論が行われました。
ICUでは治療優先の文化から、不必要なデバイスの抜去が遅れ、看取り期における患者と家族の純粋な対話の時間を奪っているのではないかという課題があります。
具体的には、デバイスがついつい残ったままになり死亡確認まで身軽になれない、モニターを残してしまいPEAの間死亡確認に進められない、家族や主治医の到着を待つために、不必要な処置や輸液が続き、死後硬直などの外見的変化を招いてしまうなどの問題があります。
打開策として、ICUであっても看取り期にはモニターを外したり、死亡診断の手続的な面を家族が来る前に済ませたりして、なるべく本人と家族の穏やかな時間を取れるように努めるというアイデアが、施設によっては根付き始めていますが、「死亡確認にはモニターも家族の到着も必要」と教育されてきた人、そして、他の家族や医療ドラマ等でそれが当たり前だと思っている家族にとっては、文化を変えていくのはまだまだ難しそうです。
少しずつ、文化の変化に寛容な施設を中心に、発信や家族の経験が広がることで、全体的な文化のシフトチェンジに繋がっていくのが理想的だろうと考えられました。この座談会も、急性期緩和ケアに関する新しい知見の発信の場となってくれ流用、引き続き議論を進めていきます。
U35臨床工学技士座談会
テーマ:53JSICMを終えて、今後の座談会予定と他学会でのパネル出展について
報告者:池垣 亮太  開催日:2026年3月23日
まず、第53回日本集中治療医学会におけるコンシェルジュブースでの活動について振り返りを行いました。来訪者は全体として非常に熱心な方が多く、学生の参加もありました。特にPICUに関心を持つ来訪者も見受けられ、将来的な集中治療領域への関心の高さがうかがえました。また、就職活動や集中治療領域の実際、働き方に関する質問が多く寄せられ、本ブースがキャリア支援の場としても一定の役割を果たしたと考えられます。
次に、5月16日(土)~17日(日)に開催予定のJACE2026(福岡)におけるパネル展示について、予算や準備状況を確認し、運営上の課題や今後の方針について話し合いました。今回はブース出展ではなくパネル展示としての実施を予定しており、日本臨床工学技士会の集中治療業務検討委員会と協力し、集中治療を志す臨床工学技士の集団として展示を行う方針です。
最後に、今後の座談会活動について新任者への引継ぎを行うとともに、前任者への謝意が伝えられました。新体制下でも活発で有意義な活動を継続していきます。
U35教育チャンネル座談会
テーマ:集中治療に興味を持つ若手をどう育てるか?
報告者:國方 歩  開催日:2026年3月24日
今回の座談会では、各施設の若手育成の工夫や課題について、意見交換を行いました。まず最初に、研修初期に裁量範囲や到達目標を提示するのが大事という話になりました。実際に、目標シートなどを活用し、開始時・中間・終了時のフィードバックとして使っている施設の実践も共有いただきました。
また、先日行われた教育に関するアンケートの結果が共有され、特にU35回答者からは「他職種から学ぶことが多い」と考えている方が多いことが分かりました。今後も多職種で連携した教育体制の必要性も話題になりました。 今後扱ってみたいテーマとしては、スタッフ層のリクルート・教育体制の整備、コーチング、多職種での症例検討・教育実践、などが挙がりました。
各施設での取り組みを自由に共有しあう会となり、若手育成のためのアイデアを教えていただき勉強になりました。ぜひ次回も、一緒に学び合える場をつくっていければと思います。
U35看護師座談会
テーマ:学術集会を終えて・次期の学術集会に向けて、来年度の看護師座談会について
報告者:今井 けい  開催日:2026年3月30日
第53回学術集会の振り返りをおこないました。U35企画に参加した方や、口演で発表をした方、初めてのEnglish Sessionに挑戦をした方から報告をいただきました。子羊ブースに参加をした方からは、来場者の相談を聴くことを通して自部署に還元できる学びが得られた話を共有いただきました。
今後扱っていきたいテーマとして、看護師のキャリアトーク(診療看護師・認定看護師等)、終末期ケアとACP、せん妄、口腔ケア、多職種とのコラボ企画など、様々な意見が出されました。各々の専門性を活かしながら各施設の話が聞けるように準備をしていく方針となりました。
第6回 おくすりちゃんねる座談会 管理栄養士×薬剤師 コラボ
テーマ:お互いの栄養管理への困り事を共有しよう!
報告者:奥川 寛  開催日:2026年3月30日
今回は、事前に薬剤師と管理栄養士が抱いている栄養療法に関する困り事や疑問を収集し、それに対する回答を両職種で共有する形式で座談会を進行しました。
腸管蠕動促進作用を期待したエリスロマイシンの使用についても話し合いました。耐性菌の出現やCYP3A4阻害による薬物間相互作用の問題など、エリスロマイシン使用時の注意点について情報交換を行いました。
また、経腸栄養実施中の排便管理についても話し合いました。便秘に対して管理栄養士から下剤の提案を行っている施設もあり、それぞれの下剤の薬理作用や使い分けについて活発な情報交換が行われました。さらにシンバイオティクスについて、どのような医薬品・栄養剤・サプリメントを使用しているか、各施設における開始基準や終了基準についても情報交換を行いました。
今回の座談会を通して、適切な栄養管理を行うためには腸管蠕動の促進や排便コントロールが非常に重要であり、そのためには管理栄養士と薬剤師だけでなく、多職種の連携が鍵となることを改めて認識しました。
栄養チャンネル×おくすりチャンネル コラボ座談会
テーマ:お互いの職種に聞きたい事
報告者:川井 翔  開催日:2026年3月30日
管理栄養士からは「下剤類」に関する質問が寄せられました。各施設でのプラクティスを共有し、薬剤師から各薬剤の特徴や作用機序を教えていただきました。相互作用や胃管投与時の溶けやすさなど、考慮すべき要点が多くあることを再認識できました。
薬剤師からは「シンバイオティクス」に関する質問が寄せられました。採用品は各施設で異なり、その組み合わせや投与期間も様々でした。JCCNG2024に続いてSSCG2026の改訂も踏まえて、ディスカッションできたことも印象的でした。
次回は微量元素やアレルギーに関するコラボ座談会を企画する予定です。

発行者:U35プロジェクト運営委員会