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PICS-F

PICSは生存しているICU患者でのみで発生する一方、PICS-Fは生存者および非生存者の家族で発生することがあります。
家族における長期的な影響は、心理的、社会的な要因があります。
患者の家族のおよそ10-75%が不安に苦しんでいます。
PICS-Fには不安障害、うつ病、急性ストレス反応、睡眠障害、心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder:PTSD)などがあります。
患者が死亡した場合、家族は喪失感に苛まれ、長期間複雑な悲しみに苦しむ可能性があります。
このような家族が抱えるストレスは、もともとある身体的および健康問題を悪化させることがあります。
対処法としてはコミュニケーションを中心とした対処(例:VALUEによるコミュニケーション)やICU日記などが活用されることがあります。
ICU日記は家族から医療スタッフに対して質問ができるきっかけになり、家族と患者のコミュニケーションが促進されることがあります。
患者-家族中心の医療の実践と満足度向上につながることも期待でき、PICS-Fの軽減につながるかもしれません。
PAD guideline(Crit Care Med 2013)ではPICS-F予防のためにICUにおいて整えるべき環境として、面会をフレキシブルに行うこと、家族にベッドサイドに来てもらい、患者のケアに参加してもらうこと、意思決定に関わる十分な情報を提供すること、その上で家族の考えを知って医療者と家族の感覚のズレを少なくすることが述べられています。
またICUから一般病棟への引き継ぎの際、もれなく家族の情報を伝えていくことも大切だと思います。


VALUEによるコミュニケーション

Value and appreciate what the family members said・・・
家族の言っていることの価値を認める
Acknowledge the family members emotions・・・
家族の感情を認め、その感情に医療者が気づいていることを伝える
Listen・・・
話を良く聴く
ask questions that would allow the caregiver to Understand who the patient was as a person・・・
他人と違う一個人として患者を理解するための質問をする
Elicit questions from the family members・・・
家族からの質問を引き出す