新型コロナウイルスへのICU対応について(危機管理委員会作成の手順書を再周知します)

日本集中治療医学会
会員の皆様

既にマスコミで報道されているとおり、中国湖北省武漢市を中心とした新型コロナウイルス2019-nCoV(仮名)関連の肺炎が、世界的にも猛威をふるっています。日本国内でも、検査陽性者は25名(+クルーズ船61名)、有症状者数は21名(+クルーズ船20名)(2020年2月7日正午現在)と日々増加していて、ICUにおいても対策は急務です。
新型コロナウイルス感染症は2月1日に指定感染症に指定されました。このことによって1類感染症の規定が準用され、現在のところ感染症病床がある医療機関を優先として入院加療が行われています。しかし今後さらに感染が拡大すれば、感染症指定医療機関外のICUにおいても加療が必要となる場面も否定できません。
危機管理委員会では、新型インフルエンザの発生に際し『インフルエンザ大流行や大災害時の集中治療室と病院における対策のための推奨手順と標準手順書』を作成し、ホームページ上で提供してきました。これは、ICUがとるべき対策を危機管理対応の観点からESICMのタスクフォースによりまとめられた、サマリーレポートの翻訳版です。この手順書の内容は、今回の新型コロナウイルス感染症対応にも通ずるところが多いため、再度、会員の皆さまに手順書について情報提供します。貴施設(ICU)において対応を準備する際、参考にしていただけると幸いです。

インフルエンザ大流行や大災害時の集中治療室と病院における対策のための推奨手順と標準手順書
(2012年 日本集中治療医学会危機管理委員会)
https://www.jsicm.org/pdf/honyaku130325.pdf

なお、危機管理委員会では、さらに状況が悪化して全国のICUが危機的対応を迫られる最悪のケースをも想定し、今後、施設情報の共有などが可能になるよう取組みをすすめてまいります。

2020/02/10

危機管理委員会  委員長  成松 英智
担当理事 川前 金幸