韓国におけるMERS(中東呼吸器症候群)発生について

2018/10/02
韓国でMERSが発生したと発表がありましたので、情報共有を致します。併せて、英国でのMERS発生についても情報共有致します.2015年のアウトブレイク以来の初めての報告になります.

<厚生労働省検疫所・韓国におけるMERS事例、2018年9月9日>
https://www.forth.go.jp/topics/20180910.html

<厚生労働省検疫所・英国におけるMERS事例、2018年8月31日>
https://www.forth.go.jp/topics/20180905.html

MERS特異的治療はないため、通常の重症呼吸不全と同様の治療を行うことになりますが、今一度、MERSについてこれまでに分かっている情報をお伝え致します(一部の情報は必ずしも学術的に確認されている内容ではありません).

 中東諸国への渡航歴
 ラクダとの接触歴
 発熱、呼吸器症状(咳・息切れ)、消化器症状(下痢)を呈する
 ヒト-ヒト感染あり(標準予防策+飛沫感染予防策必要、エアロゾル発生する処置時には空気感染予防策)
 血液・便からもウイルスが検出される可能性あり
 基礎疾患(糖尿病、腎不全、慢性肺疾患、免疫不全)のある患者はハイリスク
 ECMOが有効な症例あり(救命率:ECMO 77%、人工呼吸器 44%)[Choi WS. Infect Chemother 2016]
 心膜炎合併が多い可能性あり
 多臓器不全(MOF)を起こしやすい

何か追加情報が分かればご連絡を致します.引き続きどうぞよろしくお願い致します.

危機管理委員会
委員長 成松 英智
担当理事 川前 金幸