U35月例報告 2025年10月

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2025年10月

■Topics
第53回日本救急医学会総会・学術集会 U35ブース
報告者:谷口 大介  開催日:2025年10月28日~30日
10月28日から30日に大阪で開催された第53回日本救急医学会総会・学術集会に、集中治療医学会U35「集中治療医になろう!U35サブスペシャルティ相談ブース」を出展いたしました。
今回はU35のロゴをあしらったのぼりも活用し、39名の方にお立ち寄りいいだけました。
今後集中治療科専門医取得を考える若手の先生方を中心に、新専門医制度や研修施設についてお話しすることができました。「集中治療専門医に興味はあるけど具体的なことは考えたことがなかった」「今いる施設には集中治療医がいないので、相談できてよかった」「U35に興味があって来ました!」などの声があり、U35として他学会で発信することの意義を感じられました。また、普段はオンラインでのやりとりであるU35メンバー自身にとっても、交流の場として会話がはずみました。
ご来場いただいたみなさま、運営に協力いただいたU35メンバーならびに集中治療医学会事務局のみなさま、救急医学会を主催いただいた関西医科大学のみなさま、貴重な機会をありがとうございました。
■座談会報告
第3回Heart Team座談会
報告者:大井 拓馬  開催日:2025年10月6日
今回の座談会では、栄養士の川井さんに「ECMO患者の栄養管理」というテーマでレクチャーをしていただきました。ECMO患者という特殊な患者群でのエネルギー・蛋白投与量、各国のガイドラインの推奨、その背景となった文献、間接熱量計と簡易式とで算出した必要エネルギー量の解離、またプロポフォール等の脂質を含む薬剤の薬物動態など、多くの話題についてお話いただきました。
他の職種にとっては普段中々聞く機会のない話であり、非常に有意義な時間となりました。今後も様々な職種からのレクチャーや、活動・研究の共有などを行っていく予定です。
第30回緩和ケア座談会
報告者:吉澤 和大  開催日:2025年10月15日
今回の緩和ケア座談会では、神経集中治療を専門とする神経内科の先生も招きながら、「急性期緩和ケア×神経集中治療」をテーマに、レクチャーやディスカッションを行いました。
急性期緩和ケアの国内のトップランナーで、U35のOBである石上先生からは、低酸素脳症や重症頭蓋内疾患の患者では予後がかなり不確実であるゆえに家族の気持ちに揺らぎがあること、患者の価値観を考慮するにあたって、いざ障害が生じた場合にその障害による苦痛がそこまで高くなく感じることもあるDisability paradoxという考えもあり、医療者からの価値観の押し付けにならないよう注意する必要があることなどをレクチャーしてもらいました。神経集中治療の若手の雄でU35の前委員長の野田先生からは、神経学的予後に関して、医療者でディスカッションしやすい評価尺度をしっかり作っていくこと、その尺度に基づいた低酸素脳症の予後評価プロトコルを設けることの重要性と、自施設での実際のプロトコルも共有いただきました。後半は、各施設の悩みや、集中治療の先の慢性期の経過がどうなっているのかなどのディスカッションが続き、大盛況な会となりました。
緩和ケアは古くの癌緩和の時代から、治療医との連携が重要になるので、今後も領域をコラボしていくような勉強会も続けていきたいと思います。
U35看護師ミーティング
テーマ: 看護師×栄養⼠コラボ座談会
報告者:筒井 梓  開催日: 2025年10⽉28⽇
今回は栄養⼠さんとのコラボ座談会を⾏いました。新たに改訂された『⽇本版重症患者の栄養療法ガイドライン 2024』について、聖マリアンナ医科⼤学病院にご所属の管理栄養⼠である川井翔さんに、看護師に関わりのありそうなCQをピックアップしていただき、変更点などをレクチャーしていただきました。学術的な話から実臨床における話まで、とても実りあるコラボ座談会になりました。また、ガイドラインに関すること以外にも、お互いの職種への質問など、U35だからこそできるセッションであったと感じられる座談会となりました。またコラボできることが楽しみです。
看護師×栄養士コラボチャンネル座談会
報告者:長坂 郁奈  開催日:2025年10月28日
今回の栄養士と看護師の合同座談会では、「栄養療法ガイドライン 2024」をテーマに、聖マリアンナ医科⼤学病院・管理栄養士の川井さんよりレクチャーを受け、各施設におけるICUでの取り組みや課題について情報共有・ディスカッションを行いました。特に、重症患者に対する経腸栄養の導入や腸管不耐の判断、下痢・便秘など日常的なケアに直結する内容について、職種を越えた活発な意見交換がなされました。
腸管不耐の判断基準の1つである「胃残量測定」については、測定がなされている施設が多い一方で、栄養投与前の確認や、6時間ごとの測定など測定方法や廃棄対応などは様々で、測定の意義について海外の論文なども踏まえた議論がなされました。業務負担と臨床的意義を加味し検討していくことが今後の課題とされました。
また、腸管不耐の判断基準は施設間で異なり、海外では複数項目のうち1つでも該当すれば腸管不耐と判断するとの報告が共有されました。また、経腸栄養の投与方法について、栄養士からは血行動態が問題なければ間歇投与としている意見がある一方、看護師からは血糖コントロールの観点から間歇投与が比較的行いやすいとの意見があがり、職種の視点の違いならではの意見がみられました。
下痢・便秘に関しては、ガイドライン上の明確な定義がないため、各施設での対応が異なる現状が共有されました。ブリストルスケールや排便量を用いた評価法、直腸カテーテルの使用状況なども情報交換されました。排便量の測定は業務負担もある中で、看護師の方が下痢の程度に応じ詳細に測定されていることもあり、多職種の協力の上で栄養士がより詳細に栄養評価を行うことができることを改めて実感しました。
その他、「特別な治療を行っている重症患者における栄養療法」として腹臥位療法時の経腸栄養では、嘔吐予防に熱傷ベッドを用いて経腸栄養を行っている施設や、少量・低速投与の工夫や、整腸剤・シンバイオティクス使用の判断基準に関する意見交換も行われました。
本座談会を通して、栄養士と看護師が互いの立場を理解し、臨床的な課題を共有することの重要性が再認識されました。今後もガイドラインと臨床現場をつなぐ議論を重ね、より安全で効果的な栄養療法を目指し取り組んで参りたいと思います。
第4回 リハビリチャンネル座談会
報告者:中島 浩貴  開催日:2025年10月31日
今回の座談会では、福岡徳洲会病院の出口一海さんに「術後早期より支持前傾座位による離床を行い、横隔膜機能の変化を観察した一症例」についてご発表いただきました。本演題は、来月開催されます””日本呼吸理学療法学会での発表を控えた予演会””として実施したものです。皆様からは、
  • 「何を一番伝えたいか」の明確化
  • 「聴講者に伝わる発表」にするための構成・表現
  • 発表者の意図と聴講者の受容内容との齟齬を防ぐための工夫
今後もリハビリチャンネル座談会は、学会発表を控えた演題の予演会の場として積極的に活用していく予定です。

発行者:U35プロジェクト運営委員会