TO JOIN THE INTENSIVE CARE TEAMインタビュー 高橋 重雄
略 歴
医療ケースワーカー経験後に看護師免許を取得。群馬県立心臓血管センターに入職し、心臓血管外科・循環器病棟およびICU・CCUに勤務。群馬県立小児医療センターに転勤後、PICUで小児集中治療の看護を経験。再び、群馬県心臓血管センター配属後、病棟で看護学生指導者の役割を担い、現在はICU・CCUで病院全体の教育担当者の役割を担う。2021年度に東海大学看護師キャリア支援センター集中ケア認定看護師教育課程を修了、2022年に日本看護協会集中ケア認定看護師資格を取得。

公開日:2026年1月13日 ※所属・役職等はすべて記事公開時点のものです

Q 集中治療の魅力とは?

集中治療を選択したのは、集中ケア認定看護師で活躍していた先輩への憧れがきっかけです。多くの情報から適切なケアを導くための思考過程には「確かさ」があり、そこから提供するケアには「安心感」を感じました。「私もこんな看護師になりたい」と思い集中治療室勤務を選択しました。
集中治療の魅力は、多職種とともに医療チームになることで発揮できる大きな力があることだと思います。命に向き合いながら、患者さんの回復という目標に向かって多職種がひとつになって生まれる力は偉大です。またこのチームで同じ目標に向かって取り組むことで、私自身の看護観を再構築することができ、看護師として成長させてくれることも魅力です。

Q 集中治療との関わり

ICU専属です。

Q この道に入って感じたこと

私たちの関わりは、患者さんとその家族の一生を左右していることは常に感じています。ICUで働き始めた当初は、「患者さんが今をいかに乗り越えるか」という、ICU入室中の関わりのみを考えていました。しかし集中治療後症候群(Post Intensive Care Syndrome:以後PICS)を発症した患者さんやその家族を目の当たりにすることで、「ICU入室中の関わりは患者さんの将来につながる」ことを考え、PICSを予防するための看護を意識するようになりました。

Q これまで所属してきた施設を選んだ理由

看護学生時代の実習中に心筋梗塞患者さんの急変の徴候を看護師のスタッフが気付き、重症な状態を回避した現場に遭遇しました。循環器という命に直結する疾患に対して、看護師の力を強く感じ、循環器専門病院の現在の施設を希望しました。

Q これから力を入れていきたい分野

PICSに対する介入に力を入れていきたいです。これまでにPICSを発症した患者さんの家族が、命が助かったことを喜ぶ反面、その人らしさ、家族らしさを失ってしまったことに悲しみを感じている場面に幾度と出会いました。私達が集中治療室で関わる時間は、患者さんの新たな人生の始まりでもあります。「今行っているケアがその人の人生にどう影響するのか?」、誰もが常に考えて患者さんや家族対応できる組織作りをしたいと思います。

臨床・研究・教育を両立し、仲間とともに歩むキャリア

Q 今後のキャリア

集中ケア認定看護師としてスタッフの考える力を育み、知識と臨床をつなげ、確実な実践力を養うための教育的な役割を果たしたいと考えています。また、臨床研究や地域活動などを通してより多くの他病院の方と関わり、集中治療の看護について自己研鑽し、院内、院外を問わず集中治療を共に考える仲間を増やしていきたいです。

多職種で力を結集し、重症患者の呼吸・循環を最適化

Q 多職種連携で大切にしたいこと

多職種の役割を知ることが大事と考えて、職種を超えた学習会などを行い交流の場を増やしています。これにより日常的な会話も増え、何でも話せる信頼関係が築くことができ、お互いを認めて高め合える関係性が成り立っているのではないかと思います。
今後、多職種連携の場をICU入室中だけでなく退室後にも拡大していきたいと思います。多職種が目標にする重症患者さんのゴールは「ICU退室ではなく、元の生活に戻ること」です。これに向けて院内のスタッフ全員で考えていきたいと思っています。

Q 印象に残る経験

現在ICUで医師、理学療法士・作業療法士、臨床工学技士、看護師のみなさまと早期離床リハビリテーションチームを形成しております。このチームメンバーにはいつも助けられ、チームとして関われる喜びを感じています。多方面で知識豊富なことに加えて、一人では気づけなかったこと、一人ではできなかった介入などを一緒に悩み、議論し合えるこのスタッフは、技術や知識だけでなく人として支え合える仲間です。

Q 次世代の仲間へのメッセージ

ICUは命と向き合う緊張と責任ある現場ですが、そこには確かなやりがいがあります。ICUは一人ではなく、常に周りにお互いを高め合える仲間がいます。一人ではできないことも、この仲間がいれば大きな力となり、患者さんに届きます。一緒に集中治療看護を行いましょう!

Q 10年後の自分へ

10年間どうだったかな?これまでに接してきた多くの患者さんやスタッフから学んだことは、看護師として大きく成長させてくれたと思います。そして今度は自分自身が周りの人たちを支えられるようになっているといいね。