事業内容

Description of Business

事業計画

日本集中治療医学会 各種委員会 2013年度事業計画



将来計画委員会 (委員長:岡元 和文)
1)集中治療専門医テキストの改訂(平成26年度の完成)
教育委員会(仮称)の立ち上げと教育委員会による教育プログラム作成ワーキンググループ(委員長 貝沼 関志 名古屋大学大学院医学系研究科麻酔・蘇生医学)による教育プログラムに準じた集中治療専門医テキストの再編集。完成は2年後の平成26年度を目標。
2)専門医制度の改訂
専門医制度委員会(委員長 西 信一 兵庫医科大学集中治療学科)による専門医制度規則および細則の再構築。基盤学会の専門医を踏まえたsubspecialityとしての集中治療専門医制度に改訂。集中治療医の専従性、期間、評価方法を確立し専門性を確立。
3)リフレッシャーセミナー
教育委員会(仮称)の立ち上げと専門医テキスト筆者によるリフレッシャーセミナーの開催
4)ガイドライン作成の推進
日常の集中治療のために種々のガイドライン作成の推進。

教育委員会 (委員長:貝沼 関志)
1)日本集中治療医学会集中治療プログラムが診療現場で活用されるように図る。必要な書類(研修手帳あるいはWebでの研修手帳の公開など)を作成する。また現場での活用に関しての問題点を抽出する。
2)日本集中治療医学会専門医申請において本集中治療プログラムが活用されるように図る。また申請時の活用に関して問題点を抽出する。
3)日本集中治療医学会集中治療プログラムの内容に関して、改訂すべき点があれば抽出する。
4)リフレッシャーセミナーを開催する。特に教育プログラムに沿った内容となるように図る。受講生からの意見をフィードバックして今後の内容に生かす。
5)集中治療専門医テキストに関して将来計画委員会と協議することを通じて、教育プログラムとの整合性を図る。

労働力調査プロジェクトワーキンググループ (委員長:永松 聡一郎)
労働力調査プロジェクトワーキンググループは、2013年に新規の調査活動を実施する予定はないが、2014年以降に調査活動を行うために、その準備作業・ブレインストーミングを行う。調査活動の案は以下の2案がある。
1)日本の集中治療に関する包括的な労働力疫学調査
当プロジェクトが2011年に行った労働力調査は、日本集中治療医学会の医師会員を対象としたものであった。しかし、重症患者は当学会員以外の医師によっても治療を受けており、その現状は把握されていない。そこで、日本の集中治療の現状をより包括的に把握するための労働力調査・疫学調査が必要である。
本労働力調査は、学会員医師だけに限定せず、非学会員の医師、看護師・コメディカル・病院職員を含めた、集中治療に関わる人的資本(ヒューマンキャピタル)を対象とする。患者を対象としているICU機能評価委員会の症例登録システムと、人的資本を対象とする、両データベースが相補的な関係になる様に構築する。
2)学会の情報分析支援
近年の専門医試験受験者が、どの様な経緯をもって専門医試験の受験に至るのかを分析することで、学会活動の資料を提供する。
3)新委員の公募
今後もプロジェクトを継続していくために、新メンバーを公募する。

CCU委員会 (委員長:高山 守正)
集中治療医学会と心臓関係学会とのジョイントセッションを企画する。

国際交流委員会 (委員長:丸藤 哲)
1)World Federation of Societies of Intensive and Critical Care Medicine (WFICCM)への代議員派遣。ダーバンで開催のWFICCMへの参加。
2)KSCCMとのジョイントミーティング(2013韓国主催)への参加および協力。学会員の参加要請。

社会保険対策委員会 (委員長:森﨑 浩)
1)事業計画
A 2014年度診療報酬大改定に向けた増点根拠の明確化と要望書作成
特定集中治療室管理料加算を増点要望する客観的根拠を明確にしたうえで、特定集中治療室の層別化を主眼とする診療報酬改定要望書を作成。その他、特定集中治療室内における人工呼吸処置料、小児特定集中治療室管理料加算、その他の項目に関する要望書作成。
B DPC/PDPSデータからのICU収支バランスの精緻化と当学会機関誌への掲載具体的に以下の項目を基準に精緻化し、診療報酬改定に向けた根拠を明確化
 (1)生命維持装置(人工呼吸器・持続血液濾過透析・膜型人工肺・経皮的心肺補助装置)装着の有無および期間
 (2)ICU在室日数(1-3日vs 4-7日vs 8-14日)
 (3)ICU層別化の根拠となるDPC/PDPSデータ解析(人工呼吸器装着の有無と期間のカットオフ値設定とサブグループ解析)
 (4)他
C 中医協DPC/PDPS検討WG(常設作業部会)への参画
D PC/PDPS評価に関わるMDC16班常設作業班への継続的な参画。
E 外保連各委員会活動
実務委員会:森﨑 浩
処置委員会:山本 剛
検査委員会:小山 薫(画像診断WG委員兼務)
麻酔委員会:福家 伸夫
手術委員会:無

専門医制度委員会 (委員長:西 信一)
当学会専門医制度の外形に係る理事会決定を受けて、「会則検討委員会」とも協議した上で専門医制度規則、細則および関連細則について原案を作成し総会で承認を得るようにする。その後「ICU機能評価委員会」「専門医審査委員会」と協力して集中治療専門医認定申請書、集中治療専門医更新申請書、集中治療専門医研修施設認定申請書改訂に提言を行う。
また、「集中治療の労働力調査プロジェクトWG」と協同して専門医制度のサーベイランスを行い、「教育プログラム作成WG」と協同して集中治療専門医として認定されるに足る知識・技能・経験プログラムのサーベイランスを行う。

小児集中治療委員会 (委員長:志馬 伸朗)
1)多施設共同研究事業の推進と成果報告
 1.1)小児インフルエンザ重症症例レジストリ(継続)
 1.2)心肺蘇生レジストリ(継続)
 1.3)PICU共通データベース(開始予定)
 1.4)PICUでの栄養現状調査(継続)
2)集中治療における労働力実態調査
 2.1)将来計画委員会、専門医制度委員会との共同事業
 2.1.1)小児部門の独自解析を行い学会誌掲載を目指す
3)関連団体との連携
 3.1)小児救急医学会主宰Paediatric Resuscitation Study; PResS groupへの参加
 3.1.1)2015心肺蘇生ガイドライン策定に向け、小児救命救急領域における研究と心肺蘇生ガイドライン策定の基盤を共有
 3.2)日本小児科学会主宰、小児救急連絡協議会および子どもの死に関する情報収集システムの確立を目指すワーキンググループへの参加
 3.3)ASIA-ELSO(小児部門)への参加
 3.4)PICU共通データベース:厚生労働省科学研究費事業(成育医療センター)、日本小児救急医学会、日本臨床救急医学会との共同研究として進行予定。機能評価委員会との連携。
4)小児集中治療部設置のための指針(2007年3月)の見直し
 4.1)新設された小児特定集中治療加算施設要件を踏まえた追補
5)小児特定集中治療加算について
 5.1)新設頂いた小児特定集中治療加算の適用実態、問題点などに関しての実態調査
 5.2)2014年度診療報酬改定に向けた増額要望の検討(社会保険委員会との共同)
6)学術集会企画提案:以下の各学会での小児部門企画に関して提案予定
 6.1.1)2014年度第41回総会
 6.1.2)2014年世界小児集中治療医学会(イスタンブール)
 6.1.3)2015年世界集中治療医学会(韓国)
 6.1.4)2014年日韓Joint meeting
  
倫理委員会 (委員長:氏家 良人)
1)臨床倫理講座
今年と同様に連続2日間、2回開催する予定。
倫理講座受講歴を専門医更新、取得のクレジットになるように理事会に働きかける。
2)家族のこころのケアセミナー
今年と同様に開催するが、受講者数を考慮し回数を検討する。
3)“終末期症例登録集積システム”
システムを完成させ収集を開始する。
4)“ICUにおける終末期医療ガイドライン”を救急医学会と合同で作成

機関誌編集・用語委員会 (委員長:藤野 裕士)
1)機関誌の発行:年5回
年4回定期季刊誌、年1回抄録号(学術集会会長が編集)
2)編集委員会(定例年4回・臨時随時)の開催
3)MEDLINE収録申請準備
4)優秀論文の推薦

薬事・規格・安全対策委員会 (委員長:行岡 秀和)
1)集中治療室における安全管理指針の策定
集中治療室における安全管理指針を作成し、理事会に提出する。
2)集中治療室におけるヒヤリ・ハット事例に関するアンケート調査について
2005年に危機管理委員会と看護部会が合同でヒヤリ・ハット調査を行ったが、すでに7年経過しているので、再度調査を行う必要がある。看護部会ならびに臨床工学技士部会との合同調査とする(看護部会、臨床工学技士部会の承認が必要)。

会則検討委員会 (委員長:布宮 伸)
法人化に伴い作成された定款と細則の見直し作業を続行する。特に、現在の会員区分の妥当性については法人法解釈からの疑義が生じているため、専門医制度の在り方と関連付けての検討が急務である。


危機管理委員会 (委員長:内野 博之)
今回の翻訳をたたき台として関係各省庁との連携を図り、「パンデミック対応ICUコミュニケーションシステム」の構築を行うことと日本集中治療医学会が主導で日本版ガイドライン作成を行うことを目指す。また、厚生労働省に赴き「パンデミック対応ICUコミュニケーションシステム」構築のための橋渡しのための話し合いを行う予定である。

広報委員会 (委員長:橋本 悟)
1)ウエブ会議システムの宣伝および活用を進める。
2)メールマガジンシステムを発足させる。
3)ユーミンカードのさらなる普及につとめる。

個人情報・利益相反検討委員会 (委員長:黒田 泰弘)
日本集中治療医学会地方会におけるCOI申告体制の整備を行う。

CTG(Clinical Trial Group)委員会 (委員長:西村 匡司)
CTG委員会の目的は、1.日本における臨床研究を支援する、2.日本における臨床研究の質を高め、臨床研究の実施を促す、3.国際的な臨床研究を立案、実施できる能力のある医師を育成することである。
1)CTG委員会で臨床研究のレベルを評価する。臨床研究のデザインをよりよくするための提言を行う。
 (1)臨床研究立案、経過、結果発表会開催(年2回):100,000円
2)より多くの臨床研究が提案されるようにする。定期的な審査目的の会議開催が必要である。会議でのプロトコール発表を促すようにする。
 (1)優秀なプロトコールに対し賞を授ける:50,000×2=100,000円
3)多国籍臨床研究を成功させるには多くのノウハウが必要である。臨床研究の基礎を築くためには多国籍・多施設臨床研究を成功させているグループから学ぶ。
 (1)講師招聘費用:100,000円
 (2)海外のCTG関連学会、研究会への参加支援:200,000円

ICU機能評価委員会 (委員長:橋本 悟)
ICU症例台帳システム(重症症例登録システム)の構築
我が国において集中治療管理を行うのにふさわしい専用の構造設備及び人員配置の基準が満たされている医療機関数(特定集中治療管理料算定可能機関数)は、670施設であり、その集中治療室の病床数は、1施設あたり平均8.1床である。医療施設静態調査によると、集中治療室の病床が6~7床の医療機関数が最も多く、182施設である。これ以外に特定集中治療室管理料を算定していないICUが1186施設ある。我が国のICUの設置状況をみると、各ICUの診療成績に大きな差があることが考えられ、この重症患者管理施設の診療体制を放置すると、全体として診療成績が低下し、重症患者の予後の悪化と不要な医療費が増加することが予想される。医療経済ばかりではなく、社会負担の増大にも影響を及ぼす。このような重症患者管理の診療成績の差は診療プロセスと診療に関係した患者情報が個票として標準化されていないことに加えて、予後から見た診療機能評価が行われていないことが原因である。本事業研究ではICUでの患者情報管理システム等を利用して、ICUの機能評価に関係する情報を収集する。最終的には、匿名化した情報を日本集中治療医学会が用意するデータベースに登録し、多施設から集積したデータを解析する。
主に患者情報管理システム等を利用して、ICU の機能評価に関係する情報を収集する。具体的には、生年月日、性別、病名、ICU 入室時APACHE(Acute Physiology And Chronic Evaluation)II スコア等の重症度評価システム、人工呼吸器装着の有無とその期間、ICU 入室期間、転帰を記録する。本研究は、日本集中治療医学会が代表として行っている多施設共同研究であり、研究協力施設拡大の要請を受け、研究参加する。実施期間は平成26年1月からとし、状況に応じて1年ごとに更新する。好ましくは学会の認める任意団体を設立し、主にICU機能評価委員会委員をメンバーとして、運営する。データは基本的に各施設が所有し、匿名化したのちこの任意団体が運用するデータサーバー内に蓄積する。すでに各施設でのIRB取得の用意などを進めている。

英文機関誌編集委員会 (委員長:丸藤 哲)
Open access international journalとして日本集中治療医学会英文機関誌を発行する。発行予定日は2013年6-8月を目標として設定した。

神経集中治療ガイドライン作成委員会 (委員長:黒田 泰弘)
1)神経集中治療ガイドライン
ガイドライン作成においては、領域として関連する神経救急学会(心肺蘇生ガイドラインにおいて神経蘇生部分を担当)、脳神経外傷学会、脳卒中学会との連携を考慮する。 
作成においては、敗血症ガイドライン作成過程を参考とし、まず挙げるべきClinical questionの精選を行う。
来年の学術集会では神経集中治療ガイドライン作成キックオフセミナーを開催する。
2)低体温療法レジストリ
アカデミックな目的を早急に開示し、まず短期間(3ヶ月)の試行で開始する。
データベース構築に関してはUMINへの申請採択済である。
来年の学術集会ではレジストリを説明するセッションを設ける。

男女共同参画ワーキンググループ (委員長:三高 千惠子)
日本集中治療医学会の発展に向け、集中治療医全体の数を増やし基盤を固めることが重要です。集中治療医全体の数を増やすためには、女性医師の確保が不可欠であります。女性医師が勤務を継続できるような環境整備の実現なくして、集中治療医全体の就労状況の改善もありえません。そこで、女性医師だけでなく男性医師も共に参画し、集中治療医数の増加をめざし魅力的な集中治療医学を確立するための基礎を築きたいと考えています。
集中治療認定施設における男女共同参画に関してのアンケートや、女性の集中治療医へのアンケートによる実態調査を計画しています。
アンケートの内容は、これから男女共同参画ワーキンググループで、メールによる会議を開き決定したいと考えています。

日本版重症患者の栄養管理ガイドライン委員会 (委員長:小谷 穣治)
1)ガイドラインの概要の決定
総論、各論(呼吸不全、腎不全、肝不全、急性膵炎)、看護師の行う経腸栄養および静脈栄養中の患者管理、小児の栄養管理、以上の項目の内容を決する。対象疾患は、重症患者(ICU患者)および周術期患者とする。
2)拡大委員の決定
委員会で挙げられた会員を委員長が依頼、任命する。
3)ロードマップ:2014年の学術集会でのドラフト発表を目標とする。
4)委員会の開催頻度:1-2ヶ月に1回の頻度で委員会を開催する。

J-PADガイドライン作成委員会 (委員長:布宮 伸)
日本集中治療医学会として、「人工呼吸患者以外も含む成人重症患者を対象とした鎮痛・鎮静のガイドライン(仮称)」を策定する。
現在、薬事・規格・安全対策委員会(行岡委員長、担当理事:布宮)のもとで進行中の同作業を、2月の総会以降、本委員会が引き継ぎ、夏ごろまでに案文作成、パブリックコメントを求めた後、最終的には遅くとも2013年度中の最終版公開をめざす。

人工呼吸器離脱ワーキング (委員長:宇都宮 明美)
・日本集中治療医学会、日本呼吸療法医学会、日本クリティカルケア看護学会の3学会合同として、「人工呼吸器離脱プロトコール(案)」を作成する。
・作成したプロトコール(案)を学会ホームページに掲載し、パブリックコメントを募集する。
・パブリックコメントでの意見を検討し、プロトコールを完成する。