事業内容

Description of Business

事業計画

日本集中治療医学会 各種委員会 2012年度事業計画

将来計画委員会 (委員長:岡元 和文)

  1. リフレッシャーセミナーについて
    専門医前段階の医師の基礎知識の習得および専門医になってある程度経過した医師に対する生涯教育。集中治療における標準治療、実際の治療手技、新しい知識等を、講義を通じて習得する。
    担当:次期会長 氏家 良人

    第9回リフレッシャーセミナー開催
    期日:2012年8月12日(日) 
    会場:東京医科歯科大学5号館4階講堂
    講義:
    午前の部「これだけは知っておきたいICUの知識」
    1)9:00-9:50 「Rapid response team」
      藤谷 茂樹(東京ベイ・浦安市川医療センター救急科)
    2)10:00-10:50 「放射線障害」
      田勢 長一郎(福島大学医学部救急医療学講座)
    3)11:00-11:50 「終末期医療」
      丸藤 哲(北海道大学医学研究科侵襲制御医学講座救急医学分野)

    午後の部「集中治療における最近の話題」
    1)13:00-13:50 「日本版敗血症治療ガイドライン」
      織田 成人(千葉大学大学院医学研究院救急集中治療医学)
    2)14:00-14:50 「ESICMの新しいARDS診断基準と治療戦略」
      落合 亮一(東邦大学医療センター大森病院麻酔集中治療科)
    3)15:00-15:50 「SCCMの新しいPain-Agitation-Deliriumガイドライン」
      布宮 伸(自治医科大学附属病院集中治療部)
  2. 集中治療専門医テキスト作成について
    集中治療専門医テキストを編集中。本邦の集中治療施設には集中治療だけに専従している集中治療科医とともに、麻酔科医、循環器科医、救急科医、小児科医、その他の外科系や内科系の医師が勤務し集中治療を行っている。そこで、本書は、背景となる専門分野が異なる医師が集中治療専門医として診療を行う上で、集中治療専門医として不可欠な呼吸、循環、脳神経、代謝・栄養、感染などの全身管理に関する知識と技術の共通基盤となるテキストを編纂することを意図している。全62項目。CDまたはDVDとして出版の予定。
  3. 教育プログラム作成ワーキンググループ(Ad Hoc)による教育プログラム作成
  4. 集中治療の労働力調査プロジェクトによる(Ad Hoc)調査報告
  5. 日本集中治療医学会の国際化の推進
    英文機関誌作成委員会の業務推進
    国際学会および特にアジアでのリーダーシップの推進
  6. 将来計画委員会の今後の目標
    日本集中治療医学会は、(1)質の高い集中治療専門医を育成するとともに、(2)社会の需要に応えその地位を確立し、(3)集中治療専門医の将来が明るいものとなるように務める義務がある。これら3点は、集中治療室に勤務する看護師や臨床工学技士についても、質の高い看護師と技士を育成するとともに、社会の需要に応えその地位を確立し、看護師と技士の将来が明るいものとなるように務める点は同じである。

    集中治療専門医に関する喫緊の課題
    1)初期研修(レベル1)、後期研修(レベル2)、後期研修から専門医取得まで(レベル3)に至る専門医取得のための教育コア・プログラムの作成
    2)教育コア・プログラムに基づく専門医テキストの作成 変化する時代の要請に応じたテキスト(電子化書籍)2年毎の改訂
    3)教育コア・プログラムに基づく集中治療専門医の研修プログラムの作成
    4)集中治療専門医の臨床指針としての種々のガイドライン作成の推進
    5)集中治療専門医が専従するICUでは救命率が改善するという証拠データの構築の推進
    6)APACHEⅡなどスコアの入力のためのドクターズクラークの配置の推進
    7)集中治療専門医というプロ集団が存在することを社会に啓発し、社会的および病院内での集中治療専門医の地位の確立

CCU委員会(委員長:高山 守正)

CCU委員会は委員会として新たな年度にあたり、H23年度に取り上げた以下の2点を課題として挙げて委員会として活動を進める。
    1.集中治療医と循環器医の連携を深め、ハイレベルの循環器集中治療を構築する。
    2.集中治療医学における循環器系医師の関わりを検討する
若手循環器系医師における循環器系集中治療から疎遠となる傾向があり、それでも循環器系診療の中で心原性ショックを来す重症心筋梗塞や急性・慢性心不全の管理、多臓器不全や、複合病態の治療に当たっている現状にある。集中治療の視点で対応が必要であるが循環器領域では体系的な卒後教育等はあまり行われていない。

    課題 1.循環器系学会における集中治療分野のテーマのジョイント教育セミナーの開催予定
    1)第60回日本心臓病学会
    (会長 井上 博 富山大内科学第2、開催地:金沢 H24/9/14-16)
    日本集中治療医学会ジョイントシンポジウム:急性心不全における呼吸管理
    座長:高山 守正 (榊原記念病院)、竹田 晋浩(日本医科大学)

    "急性心不全における呼吸管理:
    (1)循環器科医の視点  猪又 孝元(北里大学医学部循環器内科)
    (2)集中治療医の視点  三井 誠司(榊原記念病院 麻酔科)
    (3)急性心不全へのASV(Adaptive Servo Ventilation)  弓野 大(東京女子医大循内)
    (4)重症心不全に対するECMO  青景 聡之(日医大付属病院集中治療室)

    2)第77回日本循環器学会
    (会長 水野 杏一 日本医大学内科学講座、開催地:横浜 H25/3/15-17)
    日本集中治療医学会ジョイントシンポジウム: テーマ・演者検討中

    課題2.集中治療医学会学術集会における循環器系医師の関わりの検討
    わが国のこれからの集中治療医学ならびに本学会の中で循環器系医師がどのように関与していくべきかを検討する必要あり、アンケート調査を検討中である。
    アンケート対象 1)日本集中治療医学会 評議員
    (検討中)
    2)日本集中治療医学会循環器系会員
      3)日本循環器学会代議員
    4)各ジョイントセミナー参加者
    アンケートの質問項目は委員会内で検討し決める。
    アンケート実施に関する手続きを確認

国際交流委員会(委員長:丸藤 哲)

  1. KSCCM等環太平洋諸国との連携
  2. WFCCMにおけるJSICMの立場の明確化
  3. その他

社会保険対策委員会 (委員長:森﨑 浩)

  1. 第39回学術集会(2012年3月)委員会報告「DPC/PDPSにおける集注治療の診療報酬と原価(コスト)」の機関誌への掲載
  2. DPC/PDPSデータからICU収支バランスの精緻化
    具体的基準として以下の項目を中心に精緻化
    (1)生命維持装置(人工呼吸器・持続血液濾過透析・膜型人工肺・経皮的心肺補助装置)装着の有無および期間
    (2)ICU在室日数(7日以内vs8-14日)
    (3)ICU層別化の根拠となるDPC/PDPSデータ解析(人工呼吸器装着の有無と期間のカットオフ値設定とサブグループ解析)
    (4)他
  3. 2014年度診療報酬改定に向けた要望書作成
    特定集中治療室管理料加算を増点する客観的根拠を明確にし、ICU機能層別化を視野に入れたうえで診療報酬改定に向けた要望書を作成
  4. 中医協DPC/PDPS検討WG(常設作業部会)への参画
  5. 外保連各委員会
    実務委員会:森﨑 浩
    処置委員会:山本 剛
    検査委員会:小山 薫(画像診断WG委員兼務)
    麻酔委員会:福家 伸夫
    手術委員会:無

専門医制度委員会(委員長:西 信一)

  1. 専門医制度規則、細則の中に「認定医」を盛り込むことが了解されたが、まだ、認定基準は規定されていないので、他の学会の専門医・認定医を視野に入れながら集中治療医学会認定医のイメージを確固としたものにする。その上で認定医から専門医に至る過程を明確にする。
  2. 専門医および認定医のための技能練達度をチェックできるチェックシートの作成が必要である。前の委員会でポートフォリオ型のチェックシートの作成を決めた。広報委員会と連動して具体的な作成をweb入力も考慮しながら進めていく。
  3. 規則に詠われている“関連する業務”の範疇を委員会で決め、その解釈をアナウンスする。その際上記チェックシートでうまく縛りがかかるように調整する。
  4. 上記事項を早々に実現し、標準テキスト完成をもって日本専門医制評価・認定機構で認可される専門医制度を確立する。
  5. 認定施設のフォーマットについても内容を見直し、記入が簡便なように改良する。

新生児・小児集中治療委員会 (委員長:志馬 伸朗)

  1. JSICM-PICU networkを利用した多施設共同研究事業の推進と成果報告
    1.1 小児インフルエンザ重症症例レジストリ(継続):学会発表予定
    1.2 心肺蘇生レジストリ(継続)
    1.3 ECMOレジストリ(継続)
    1.4 共通データベース(開発段階)
    1.5 DPCからみたPICUの有用性に関する研究(継続)
    1.6 PICUでの栄養現状調査(企画中)
  2. 集中治療における労働力実態調査
    2.1 将来計画委員会、専門医制度委員会との共同事業
      2.1.1 委員会報告として学会誌掲載を目指す
      2.1.2 小児部門の独自解析:学会誌掲載を目指す
  3. 関連団体との連携
    3.1 小児救急医学会主宰Paediatric Resuscitation Study; PResS groupへの参加
      3.1.1 2010心肺蘇生ガイドライン策定構成を発展させ、小児救命救急領域における研究と心肺蘇生ガイドラ
      イン策定の基盤を共有
    3.2 日本小児科学会主宰、小児救急連絡協議会および子どもの死に関する情報収集システムの確立を目指すワーキンググループ」及びへの参加
  4. 小児集中治療部設置のための指針(2007年3月)の見直し
    4.1 新設された小児特定集中治療加算施設要件を踏まえた追補
  5. 学術集会企画提案
    5.1 以下の各学会での小児部門企画に関して提案予定
      5.1.1 2013年度第40回総会
      5.1.2 2014年世界小児集中治療医学会(イスタンブール)
      5.1.3 2015年世界集中治療医学会(韓国)
      5.1.4 2013年日韓Joint meeting

倫理委員会 (委員長:氏家 良人)

  1. “救急および集中治療における終末期医療”ガイドラインを日本救急医学会と合同で作成
  2. 臨床倫理研修コースを関連学会と合同で開催
  3. 医療者(看護師、MEW,研修医など)を対象とした“家族へのこころのケア”教育コースの開催
  4. 倫理アドバイザー制度の再検討
  5. “終末期症例登録集積システム”の構築に関する検討
  6. “終末期医療に関わる医療者と市民へのアッピール"作成

機関誌編集・用語委員会(委員長:藤野 裕士)

  1. 機関誌の発行:年5回
    年4回定期季刊誌
    年1回抄録号(学術集会会長が編集)
  2. 編集委員会(定例年4回・臨時随時)の開催
  3. MEDLINE収録申請準備
  4. 優秀論文の推薦

薬事・規格・安全対策委員会(委員長:行岡 秀和)

  1. 集中治療部における医療安全管理指針の策定
    「集中治療室(ICU)における安全管理指針(案)」を全面的に修正し、本年度中に指針を完成する。
  2. 集中治療部における鎮静ガイドラインの作成
    気管挿管あるいは気管切開下に人工呼吸中の患者の鎮静・鎮痛に加えて、自発呼吸下あるいは非侵襲的人工呼吸(NPPV)中の鎮静・鎮痛ならびに評価法を含めたガイドラインを作成する。鎮静ガイドラインの中に実際的な鎮静プロトコールを含む必要があるため、来年の学会で鎮静プロトコールについてのシンポジウムを行いたい。また、身体抑制ガイドラインを看護部会と合同で作成することを検討する(看護部会の承認が必要)。
  3. ICUにおけるヒヤリ・ハット事例に関するアンケート調査について
    2005年に本学会危機管理委員会と看護部会が合同でヒヤリ・ハット調査を行ったが、すでに7年経過しているので、再度調査を行う必要がある。看護部会ならびに臨床工学技士部会との合同調査とする(看護部会、臨床工学技士部会の承認が必要)。

会則検討委員会 (委員長:布宮 伸)

  1. 法人化に伴い作成された定款と細則の検討を続行する。
  2. 会則の見直し・変更の必要性が新たに生じた時点で委員会にて検討する。
  3. その他

危機管理委員会(委員長:内野 博之)

  1. 「ICUにおける大災害時の対応に対するアンケート調査」依頼 5月年内に集計し、東日本大震災時の各施設ICUの対応を比較・検討し、大震災時の対応マニュアル作成のための参考資料とする。
  2. インフルエンザ・パンデミック時についてSPRUNG教授からのマニュアルを各員が分担して翻訳し、学会としてのガイドライン作成を目指す。8月に集合し読み合わせを行う予定。
  3. 学会のガイドラインを構築することで、政府機関との繋がりを強化しインフルエンザ・パンデミック時の対応を迅速行えるようなシステムの構築を目指す。

広報委員会(委員長:橋本 悟)

  1. オンライン名簿管理システムの運用開始 5月の理事会を経て、各会員にオンライン登録をよびかける。メールアドレスの登録が2割程度であることからかなり強力に宣伝活動を行う必要がある。
  2. 京葉コンピュータおよび三菱商事、UMINと共同してUMINカード(e医学会カード)およびオンライン決済の普及に努める。特に来年には看護会員へのカード普及も考慮して作業を進めていく。
  3. メールマガジン、学会やセミナー参加履歴、オンライン症例登録、専門医試験問題登録などについて検討を加えていく。
  4. メールマガジンについて専門医認定施設紹介を各評議員に依頼予定。
  5. ウエブ会議システムの整備を行う。

個人情報管理検討委員会(委員長:黒田 泰弘)

  1. 提出されたCOI申告書の扱いを日本医学会利益相反委員会の動向等を勘案しながら検討する。

CTG(Clinical Trial Group)委員会(委員長:西村 匡司)

CTG委員会は日本における臨床研究を支援することが主目的である。また、日本における臨床研究の質を高め、臨床研究の実施を促す。さらには、国際的な臨床研究を立案、実施できる能力のある医師を育成する。
  1. CTG委員会で臨床研究のレベルを評価する。また、臨床研究の立案、実施を促すことも重要である。定期的な審査目的の会議開催が必要である。会議でのプロトコール発表を促す方策も必要である。
    1)臨床研究立案、経過、結果発表会(年2回)
    2)優秀なプロトコールに対し賞を授ける
  2. 多国籍臨床研究を成功させるには多くのノウハウが必要である。臨床研究の基礎を築くためには多国籍・多施設臨床研究を成功させているグループから学ぶ必要がある。
    1)研究会開催費用
    2)講師招聘費用
    3)海外のCTG関連学会、研究会への参加支援

ICU機能評価委員会(委員長:橋本 悟)

  1. 症例登録システムの構築をめざすことに専念する。
    a.各項目名の統一、出力様式および入力システムの具体的検討を行う。
    b.どの重症度評価システムを採用するか決定する。
    c.電子カルテ重症部門システム構築メーカーへ働きかける。
    d.小児に関する議論を深めていく。
    e.工程表(ロードマップ)を作成する。
  2. 来年の学会での発表を企画する。

Sepsis Registry委員会(委員長:織田 成人)

2010年3月に作成に着手した「日本版敗血症診療ガイドライン」がようやくまとまり、2012年3月1日の第39回学術集会の委員会報告でドラフト版を公開し、その概要を報告した。その際の意見に従いさらに改定を行い、完成したガイドライン案を4月末に本学会ホームページで公開し、現在パブリックコメントを募集している(募集期間は5月1日から1か月間)。パブコメの期間終了後、再度委員会を開催して最終版を完成させる予定としている(7月または8月初旬)。最終版を本学会機関紙に委員会報告として掲載するとともに、最終版ガイドラインを各関連学会に送り、承認・支持をいただく予定としている。来年の学術集会では完成したガイドラインに関する評価を委員会として報告したいと考えている。

英文機関誌作成委員会(委員長:丸藤 哲)

  1. 機関誌発刊の意義の明確化
  2. 機関誌の目指す方向性
  3. 上記達成のための具体的方策
  4. その他

神経集中治療ガイドライン作成委員会(委員長:黒田 泰弘)

  1. 心肺停止患者の低体温療法レジストリ(2012.7.26開始)
    心肺停止後昏睡状態患者に対する低体温療法は、神経集中治療の中心の1つであり、集中治療医学会として低体温療法のレジストリを行なうことはガイドライン作成の基礎データを集めることにもつながる重要事業である。委員会で実施計画、タイムスケジュール、入力項目、倫理委員会申請準備などを行なった後、Clinical Trial Group委員会、広報委員会に図り、学会ホームページを使用してレジストリを開始する。
  2. 神経集中治療ガイドライン
    2012年 神経集中治療:対象疾患と治療項目アンケートを行い、ガイドライン項目を精選
    2013年 ガイドライン作成作業本格化
    2014年 ガイドライン学会会員公開、会員からのコメントを反映
    2015年 ガイドライン公開(学会ホームページ、雑誌)
  3. ILCOR心肺蘇生ガイドラインG2015「心拍再開後の集中治療、予後判定」の作成
    ILCORのタスクフォースである坂本 哲也委員、相引 眞幸委員、永山 正雄委員からの報告を受け、心肺蘇生ガイドライン全体の進行をみながら、年末より開始する。
  4. その他