ごあいさつ
旭川医科大学救急医学講座・旭川医科大学病院救命救急センター
このたび、日本集中治療医学会第10回北海道支部学術集会の会長を拝命いたしました旭川医大の岡田基と申します。支部学術集会の開催にあたり、ご挨拶申し上げます。
本学術集会のテーマを「The last frontier of medicine: 医療のラストフロンティア」といたしました。これは、北の大地から発信する「集中治療の未来」と「極限の医療・生命の境界線に立ち向かう知と技」をイメージしたものです。この「ラストフロンティア」は、単なる未来技術への憧れではなく、「限界に向き合う姿勢」「人間の尊厳を守る挑戦」とも捉えられると思います。
近年の集中治療医学のテーマは、脳・心臓・肺・肝臓・腎臓などの重要臓器不全に対する病態解明と治療、COVID19を契機とした感染管理体制の強化、テクノロジーを活用した患者モニタリングと遠隔管理、臨床工学士との連携による機器運用の効率化、医師・看護師・薬剤師・栄養士・リハビリスタッフによる多職種連携とチーム医療、さらには、超高齢化社会の集中治療のありかた、終末期医療と倫理的課題、若手医療者の育成と臨床研究の推進など多岐にわたります。これらのテーマは、集中治療が単なる「救命」ではなく、「患者の人生と向き合う医療」であることを示しています。旭川でこうした多面的な視点を取り入れた、道内の事情に合わせた議論ができることを期待しています。
開催は8月29日旭川市クリスタルホールとなります。8月末ではありますが、旭川であっても残暑厳しい季節となります。皆様におかれましては、カジュアルな服装でのご参加をお願い申し上げます。また、たくさんの「議題」を携えて皆様と情報を共有しディスカッションできることを楽しみにしております。
