ご挨拶

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 興味をもって本ページをご覧になられた皆様あるいは近畿地方で集中治療に従事されている医療スタッフの皆様、兵庫医科大学集中治療医学科主任教授、兵庫医科大学病院ICU部長を拝命しております西です。
長々と肩書きを書きましたのは別に自慢する訳でも権威付けする訳でもないです。最初の肩書きは大学/大学院(大学院では救急集中治療医学分野ですが…)の肩書きです。つまり日本の大学でも珍しい(自治医大とうちだけと聞いております)「集中治療医学」だけの学科/部門です。残念ながら、英語表記はDivision(学科)でして、Department(講座)ではありませんが。

 現在こうしたところで働いております自分は昭和57(1982)年に大阪市立大学を卒業しまして、当時は現在のような研修医制度はありませんでしたのですぐに麻酔科に入局しました。大阪市立大学では昭和56(1981)年から2床のICUを運用し始めていたところです。2年間の研修医時代とそれに続く2年間の市民病院時代は主に手術麻酔を中心に研修しました。
昭和61(1986)年に大阪市立大学に戻ってからは手術麻酔が中心ではありますが集中治療、救急の業務がどんどんと増えて参りました。2度の移転を経てICUは大きくなり救急とも分かれて集中治療に専従できるようになりました。

 日本集中治療医学会近畿地方会は昭和55(1980)年に吉矢生人会長のもとで開催されました。今回、第58回を受け持たせていただきましたが一桁の会から参加してきたことになります。年寄りの懐古的な話で申し訳ありませんが、当時集中治療を齧った(舐めたぐらいでも引きずり込まれましたが…)若手の医者が度胸試しと大きな学会へのステップアップのための登竜門(何匹竜が育ったかは疑問ですが)として夏の暑い1日に演台に立ちました。
聴衆には「うるさ方」の先生がたくさんおられて暖かい(煮えたぎっている時もありますが)質問をかけていただき発表の時に凍った演者を溶かした上に煙として昇華させていただいたのを覚えています。

 この感覚が忘れられず、「もし自分が地方会を引き受けたらこれを再現しよう!」という思いがありました。という訳で今回の地方会のテーマを「ICU夏祭り~原点に帰ってみんなで勉強しよう!~」とさせていただきました。
また、メーカーさんも仲間と考えて、運営面で海外の学会でよくあるように発表と機会展示を時間的にも空間的にもコラボレーションさせてプログラムを作りたいと考えています。暑い1日しっかり勉強できて、色々な人と話ができる場であれば、と願っています。たくさんの演題応募を期待していますが、発表がなくてもぶらっと来ていただけるようにしたいと思います。ご協力よろしくお願いいたします。

第58回日本集中治療医学会近畿地方会

会 長  西 信 一