第45回日本集中治療医学会学術集会

第45回日本集中治療医学会学術集会

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ご挨拶

織田 成人第45回日本集中治療医学会学術集会を千葉で開催できますことを大変光栄に存じます。西村理事長はじめ、皆様のご支援に感謝いたします。千葉市幕張メッセでの初めての開催は当科の前任教授である平澤博之先生が会長をされた第26回の1999年でした。その後、帝京大学ちば総合医療センターの福家伸夫先生が2012年に第39回を開催され、今回で3回目となります。

ICUにおける重症患者管理は、近年さまざまなガイドラインが作られ、標準化が図られてきました。また、ICUは様々な職種による多職種連携が病院内で最も進んでいる部署となっています。ガイドラインの普及や多職種連携の実践は、一定レベルの医療の提供と医療安全の面で重要です。一方で、標準化だけでは個々の患者に適切に対処するには不十分ですし、新規治療法の開発や、最近欧米で提唱されているPrecision Medicineに対応するのは困難です。「Precision Medicine」は「精密医療」や「高精度医療」と訳されています。これは各個人のゲノム解析などによる遺伝子情報や、病態生理の理解に基づく様々なデータを活用して、それぞれの患者さんに合った治療や予防を行う新しい医療のことです。今後、ICUにおいても発展していくものと考えられます。

これらのことを背景に、今回の学術集会のテーマは「一歩先へ;One Step Forward」としました。日頃の診療を改善するためのちょっとした工夫が、新しい治療やケアの開発に結び付き、やがては大きなブレイクスルーにつながると考えます。今回の学術集会では、各施設で実践している「一歩先行く」治療やケアを発表していただき、新しい治療の開発や集中治療のさらなる発展につながればと思っています。

会場の幕張メッセ周辺は、ここ数年で大きく変貌しました。前回の集中治療医学会が開催された頃と比べると、周辺に大規模ショッピングセンターがオープンするとともに、公園や海岸線が整備され、多くの人が集まる千葉市の中心になりつつあります。おいしいレストランやシネマ・コンプレックスなども数多くあります。また、東京ディズニーランドへのアクセスも便利ですので、学術集会の前後には是非これらの場所を訪れて楽しんでいただければと思います。

多くの演題応募を期待するとともに、皆様のご参加をお待ちしています。

第45回日本集中治療医学会学術集会会長
千葉大学大学院医学研究院救急集中治療医学
織田 成人