ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-856-FP-331 A 病院集中治療室の痛み・不穏・せん妄管理の現状杏林大学医学部付属病院 集中治療室松田 勇輔、今中 良太【背景】A病院集中治療室ではせん妄スクリーニングの開始、積極的な鎮痛管理と浅い鎮静管理に取り組んだ。取り組み後の実践の振り返りを行い、集中治療を受ける患者の安全と安楽の両立に繋げたいと考えた。【研究目的】人工呼吸器管理中患者の、痛み・不穏・せん妄管理における取り組み後の現状、副次的効果、有害事象を明らかにすること。【研究方法】対象2013年3月から2015年3月までにA病院集中治療室で96時間以上気管挿管された成人患者。調査方法気管挿管後48 時間・72 時間・96 時間の時点での鎮痛剤・鎮静剤使用の有無、鎮静深度(RASS)、せん妄スクリーニング(CAM-ICU)の結果、対象者の身体抑制の有無、気管チューブの計画外抜去の発生件数を遡及的に調査。単純集計を行った。2013 年3月から2014 年3月までを取り組み前、2014年3月から2015年3月までを取り組み後とし、成果の指標とした。【結果】取り組み前の挿管後48 時間~96 時間のRASS 中央値は-2~-3。鎮痛剤使用率は28.8%~32.6%であった。気管挿管中の抑制実施率は65.3%~69.2%で、気管チューブ計画外抜去は4件。取り組み後の挿管後48 時間~96 時間のRASS 中央値は-1~-2。CAM-ICU 陽性患者は15.3%~18.6%。鎮痛剤使用率は76%~80% であった。身体抑制実施率は32.3%~37.3%で、気管チューブ計画外抜去は6件。【考察】痛み・不穏・せん妄管理への取り組みにより、気管挿管患者は鎮静よりも鎮痛を優先させた管理に変化をしたと考える。鎮痛・鎮静管理とせん妄スクリーニングによる患者の査定を行ったことで、身体抑制実施率が低下したと考えられる。しかし、身体の自由が計画外抜去の増加につながった可能性がある。【結語】痛み・不穏・せん妄管理への取り組みにより気管挿管患者の鎮静深度は浅くなり、鎮痛剤の使用率が上昇した。副次的効果として身体抑制を減らすことができる可能性がある。併せて、医療デバイスの計画外抜去予防など安全対策も必要である。FP-332 食道癌術後患者への鎮痛プロトコルの導入1)大崎市民病院 救急病棟、2)大崎市民病院麻酔科齋藤 美希1)、早坂 佳晃1)、鈴木 昭子1)、末永 慶子1)、小林 孝史2)<はじめに>食道癌手術の侵襲は大きく術後合併症が起こりやすいため、早期離床が推奨される。当院では、年間約15例が食道癌手術後にICUへ入室する。術後の鎮痛管理は患者自身の訴えに依存していたため、離床の段階で疼痛の不安を訴えることが多く、早期離床には至らなかった。そのためCPOTを使用したプロトコルを作成し、疼痛への不安を抱かないように鎮痛管理を試みた。その結果、今後の離床につながる鎮痛管理が示唆された。<目的>鎮痛管理を見直し、統一した鎮痛の方法を探る。<期間>平成26年9月~平成27 年7 月<対象> ICU 入室の食道癌胸腔鏡下手術後患者11 名<方法>J-PAD で推奨されているCPOTを用いたプロトコルを作成し実施した。プロトコル未介入群(平成26年9月~平成27年1月の6 名)とプロトコル介入群(平成27年4月~7 月の5 名)で、ICU在室時間、在室中の持続鎮痛方法、創痛の有無、持続鎮痛以外の鎮痛薬の使用回数、介入後のCPOT を診療録から収集し単純集計後、プロトコル介入前後を比較した。<倫理的配慮>対象者が特定されないよう数値化した。<結果>ICU 平均在室時間は未介入群で76.02 時間、介入群では55.6時間。持続鎮痛方法は未介入群1 例のみフェンタニルの持続静注のほかは、硬膜外麻酔であった。持続鎮痛以外の鎮痛薬の使用回数は、未介入群では平均3.5回に対し、介入群では5.8回であった。創痛が「あり」と観察されたものは未介入群で平均5 回に対し介入群では3 回。介入群の患者一人あたり平均のCPOT は1.3 点であった。<考察>介入群では術直後から積極的な鎮痛を行ったため、鎮痛薬の使用は増加したが、疼痛は軽減した。介入前は主観的な鎮痛評価であったが、介入後では客観的な数値による評価で、鎮痛薬を使用するタイミングを明確にし、統一した疼痛管理を行うことができた。FP-333 消化器外科術後患者におけるAcute Pain Service導入の実態1)東北薬科大学病院 集中治療室、2)東北薬科大学病院麻酔科加川 景子1)、鈴木 雅司1)、長屋 慶2)【目的】Acute Pain Service(APS)が消化器外科患者の術後に与える影響の実態を明らかにする。【方法】平成24年5月~平成26年4月までに胃切除術、結腸切除術、S状結腸切除術、直腸切除術の予定手術を受けた患者112名を対象とし、APS導入前73名を導入前群、導入後39 名を導入後群とした。年齢・性別・術式・身長・体重・BMI・米国麻酔科学会の全身状態(ASA-PS)、術後在院日数、持続硬膜外麻酔の期間、硬膜外麻酔のPatient Controlled Analgesia( PCA)装置使用回数、嘔気の有無、制吐剤使用回数、循環作動薬使用の有無、食事開始日、歩行開始日について両群を比較検討した。統計学的方法として、マンホイットニーのU検定を用い、Ρ<0.05を有意差ありとした。倫理的配慮はデータを記号で示し、患者が特定されないようにした。A病院倫理委員会の了承を得た。【結果】性別・術式・身長・体重・BMI について差はなかった。年齢(Ρ= 0.02)、ASA-PS(Ρ =0.02)で有意差があり、導入後群の方が高かった。持続硬膜外麻酔投与期間(Ρ=0.00)は、導入後群で長かったが、PCA装置使用回数、嘔気、制吐剤使用回数、循環作動薬使用の有無で差はなかった。術後在院日数に差はなかったが、食事開始日(Ρ=0.00)、歩行開始日(Ρ= 0.00)が導入後群で遅かった。【考察・結語】APS 導入後群の方が持続硬膜外投与期間が長かったが、PCA 装置使用回数に差はなく、より良好な鎮痛が図られた可能性がある。また、嘔気の有無、制吐剤使用回数、循環作動薬使用の有無に差がなかったことから、APS 導入前後で副作用の発生頻度は変わらないといえる。術後在院日数に差がなかったが、食事・歩行開始日が導入前より遅延した理由としては、導入後群の方が年齢・ASA-PSともに高かったことが影響している可能性が考えられる。APS導入が、術後早期回復に繋がるかどうかは今後さらなる研究が必要である。