ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-852-FP-319 術後譫妄が弓部大動脈術後予後に与える影響静岡市立静岡病院 心臓血管外科中井 真尚【背景】高齢者が多く、脳循環停止を伴う弓部大動脈手術は脳合併症が発生しやすい。恒久的脳障害が在院死亡の原因となり、また生存しても術後QOL を損ない、予後を悪化させることは明らかであるが、一過性脳障害、譫妄も同様に術後の予後悪化因子となる。その実際を検討する。【対象】2000年から2014 年までの弓部大動脈真性瘤待機弓部大動脈全置換手術231例。男性191例、女性40 例。平均年齢72.7歳(22-89)。手術は低体温循環停止(咽頭温19 度以下)選択的脳潅流下に弓部全置換を行った。CABG併施47例20.4%。恒久的脳障害(PND)は画像上新規の脳病変を認めた症例と術後覚醒せずに死亡した症例とした。一過性脳障害(TND)は覚醒遅延、一過性痙攣、譫妄等を生じたが画像上新規病変を認めず、退院時には症状の消失している症例とした。TNDの発生に年齢、脳分離体外循環時間、人工心肺時間、手術時間は有意差がなかった。TNDの発生は年代ごとに減少してるがリドカイン持続静注の減少、デクスメトミジンの使用が影響している。【近接期成績】全体の30日死亡4例1.7%、在院死亡(30日死亡を含む)11 例4.8%。PND17 例(7.4%)、TND54 例(23.8%)であった。在院死亡はPND 群5 例29.4%、TND 群3 例5.6%、正常群3例1.9%、それぞれの群間に有意差を認めた。【遠隔期成績】遠隔期死亡は66 例。全体では5 年生存率72%、10 年52%であった。それぞれの群での5年、10年生存率はPND群40%、30%、TND群60%、40%、正常群80%、59%と各群間に有意差を認めた。【考察】弓部大動脈手術の脳障害は重大な課題である。脳梗塞は塞栓子、低潅流が影響する。人工心肺技術、送血路の選択により減少可能であるが譫妄などのTNDは様々な因子がある。PND が予後、QOLに与える影響は強い。しかしTNDであっても実際には予後に強い影響を持っている。更なる周術期の対策により遠隔期予後の改善を図る必要がある。FP-320 チームで挑む術後肺炎撲滅キャンペーン1)済生会横浜市東部病院 集中治療科、2)済生会横浜市東部病院 ICU、3)済生会横浜市東部病院 薬剤部、4)済生会横浜市東部病院 栄養部大村 和也1)、星野 哲也1)、金尾 邦生1)、木村 慎一1)、大坪 慶子2)、石川 江里2)、下村 悠佳3)、今浦 将治3)、工藤 雄洋4)、高橋 宏行1)心臓血管外科手術症例における術後肺炎の発症率は4%前後と報告されている。高齢化に伴い、嚥下障害・誤嚥性肺炎の頻度は増加することが予想され、集中治療室においても介入すべき問題となっている。近年、口腔ケアや嚥下訓練を中心としたプロトコールの導入により、術後肺炎の頻度を減らせる可能性が示されており、日本呼吸器学会の医療・介護関連肺炎診療ガイドラインでも、その重要性が強調されている。術後肺炎に対する介入は、医師・看護師だけでなく、コメディカルスタッフを含めたチームでの介入が必要になる。当院では、2015年4 月より『術後肺炎撲滅キャンペーン』として、心臓血管外科の術後症例に対して、医師・看護師・管理栄養士・歯科衛生士・理学療法士・言語聴覚士で協力し、術後肺炎を減らすための取り組み始めた。挿管期間の短縮、せん妄予防、早期離床、嚥下評価プロトコールの見直し、口腔ケア、薬物療法、栄養療法を含めた7 つの目標を掲げている。48時間以上の気管挿管は有意に嚥下障害を引き起こすため、まず挿管期間の短縮を目指した。挿管期間は16 時間から12 時間(中央値)まで短縮することができている。ICUにおける術後せん妄は、その多くは活動低下型せん妄であり、経口摂取への意欲や集中力の低下から、術後肺炎のリスクとなる。CAM-ICU とICDSCにてせん妄の早期発見を行うと同時に、環境整備や薬物療法を用いたせん妄予防を積極的に行っている。これまでリハビリの介入は術翌日はベッド上ROM 運動を中心としていたが、基本的に端座位まで行う方針に変更した。S-Gカテーテル挿入下であっても、安全に離床を進められている。その他、当ICUで行っている具体的な取り組みについて報告する。FP-321 当院での心大血管手術後、ICUでの早期歩行に関する取組み1)総合病院 国保旭中央病院 心臓外科、2)総合病院 国保旭中央病院 リハビリテーション科伊達 数馬1)、稲垣 京司2)、菊池 聡2)、梅木 昭秀1)、山本 哲史1)【背景】ICU での早期離床はせん妄の予防になるばかりでなくICU の在室日数や入院期間の短縮につながるとされている。また、心臓外科手術後は可及的早期に離床を進める必要があると報告されている。当院ではICU 専属の理学療法士を配置し術後積極的な離床を試みている。2014年4 月からは理学療法士を増員し、可能であればICU滞在中に歩行開始を目指している。【方法】2014 年4 月から2015 年6 月まで当院当科で実施した心臓大血管手術のうち、死亡退院例・歩行不可能例を除いた101 例を対象とし、ICU で歩行を開始した群(I群:54例)とICU退室後に歩行を開始した群(G群:47例)に分け患者因子や手術因子、術後入院日数などを比較検討した。【結果】患者背景としては両群で有意差を認めなった(年齢:I 群68.2 ± 12.1 歳 G 群67.0 ± 11.2 歳、BMI:I 群23.5 ± 4.0 G 群23.4± 3.8、男女比:I 群39/15(男性72%) G 群32/15(男性68%))。手術関連因子としては、手術時間(I 群541.6 ± 137.0 分 G 群585.8 ± 137.7 分)、麻酔時間(I 群664.6 ± 149.6 分/G 群703.2 ± 141.5 分)と有意差なく、I 群で13 例(24%)、G 群で12 例(26%)で人工心肺を非使用(全例冠動脈バイパス術)であり、両群で2例ずつ緊急手術症例を含んでいた。術後挿管日数はI群2.7±4.9日 G群2.7± 3.7 日、ICU滞在日数はI群7.2 ±7.3日 G群7.0±6.6日と有意差は認めなかった。抜管から座位・立位・歩行開始までの日数はI 群0.3 ± 1.4/1.2 ± 1.6/3.1 ± 2.8 日、G 群0.5 ± 2.4/0.7 ± 2.4/8.5 ± 12.4 日)と立位・座位までは2 群間で差がないものの歩行開始までの日数はG群で有意に長く、術後入院期間に関してもI群30.4±24.1日、G群41.9±43.2日とG群で有意に長い結果となった。【結論】ICU専属の理学療法士の増員により術後より積極的な早期離床が可能となってきた。抜管後早期に歩行を開始することで入院期間が短縮することが示唆された。