ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-834-FP-265 CRRT における抗凝固剤と治療時間の後方視的検討八戸市立市民病院 臨床工学科小橋 秀一、畑林 絵梨香【はじめに】当院では、CRRT全症例に対してサトカイン吸着膜(CAH)を使用している。近年発売された2 種類のCAHの抗凝固剤と治療時間を後方視的に検討したので報告する。【対象及び方法】CAH であるCH-1.8W(以下CH)とsepXiris100(以下SE)の2種類をそれぞれ半年間使用し、治療時間、抗凝固剤の種類、24時間を目安とした凝固トラブル終了割合などを調査した。その他に、2 種類のCAH各400 例のヘパリン(以下hep.)とメシル酸ナファモスタット(以下NM)の使用割合を調べた。【結果】平均治療時間は、CH 群(n=395)34.4hr vs SE 群(n=279)35.8hr で差は見られなかった(P=0.37)。hep. 使用時は、CH 群 38.2hr vsSE 群 38.4hr で差が無く(P=0.91)、NM 使用時でも、CH 群 30.8hr vs SE 群 32.0hr と差が無かった(P=0.51)。抗凝固剤別の全体ではhep. 38.3hr vs NM 31.3hr と差が見られ(P < 0.001)、膜別でもCH 群・SE 群ともにhep. は治療時間が長い傾向にあった(両膜ともP < 0.001)。24 時間を目安としたトラブル終了割合は両膜に差は見られなかったものの(P=0.92)、CH群のhep. 5 件vs NM42 件(P< 0.01)、SE群のhep. 3 件 vs NM 29 件(P<0.01)とNM が優位にトラブル終了の割合が高かった。CHとSE の各400 例を100例ごとに分けた抗凝固剤の使用割合は、CHでは変化はないものの、SE の方ではhep.が前半44%から後半71%と増加傾向にあった。【考察】CAH であるPMMA 膜とAN-69ST 膜はどちらもhep. の方がfilter life time が長い傾向にあり、両膜共にhep. を使用したほうがトラブルを最小限にできると思われた。SE のhep. 使用割合の増加は、NM を使用すると凝固しやすいとされる情報と、SE を使用して確実にcytokine 除去を行いたいという意識から、医師の抗凝固剤の指示に変化が表れたものと考える。Hep. の使用割合が変わっても特に大きな出血によるトラブルを経験していないことから、抗凝固剤の選択や切り換えの重要性を再認識させられた。FP-266 無抗凝固による腎代替療法の施行状況:単施設後方視記述的観察研究1)亀田総合病院 医療技術部 ME室、2)亀田総合病院 集中治療科関根 広介1)、山本 良平2)、野木 一孝2)、南 三郎2)、佐藤 明2)、軽米 寿之2)、笹野 幹雄2)、林 淑朗2)【背景】ICUでは出血の問題で抗凝固剤を使用せずRRT を施行する場合がある。【目的】無抗凝固RRT の施行状況の記述【デザイン】単施設後方視記述的観察研究【セッティング】3次医療機関の混合closed-ICU【対象】2014年4 月から2015年3 月に無抗凝固RRT を受けた患者【方法】ICUデータベース、診療記録およびRRT 記録からの情報収集【主要評価項目】CRRT 施行時間、IRRT完遂率【結果】入室患者680 人のうち66 人にRRT を施行し、そのうち19 人に無抗凝固RRTを計37回施行した。無抗凝固RRT を受けた患者は皆出血のリスクを有していた。CRRT 施行時間の中央値は1332分、IRRT 完遂率は91.2%であった。【結論】出血のリスクのあるICU 患者にRRT が必要な場合、無抗凝固RRT は考慮に価する。【略語】RRT: renal replacement therapy, CRRT: continuous renalreplacement therapy, IRRT: intermittent renal replacement therapyFP-267 AN69ST膜によるCHDF が有用であったと考えられるtoxic shock syndromeの一例1)兵庫県立淡路医療センター MEセンター、2)兵庫県立淡路医療センター 看護部ICU、3)兵庫県立淡路医療センター 外科、4)兵庫県立淡路医療センター 救命救急センター、5)兵庫県立淡路医療センター 麻酔科橋本 圭司1)、庄田 恵子2)、坂平 英樹3)、吉田 剛4)、渡海 裕文5)【緒言】toxic shock syndrome(TSS)とはグラム陽性球菌の菌体外毒素に起因しスーパー抗原により全体の約20%のT細胞を活性化、大量のサイトカインの分泌を生じて急激な経過でショック、多臓器障害をきたす症候群である。2014年7月よりサイトカイン吸着性能を有したAN69ST 膜(セプザイリスR)が保険収載され使用可能となった。今回、AN69ST膜を使用したCHDF が有用であったと考えられるTSS 症例を経験したので報告する。【症例】37歳、男性。胆管癌に対する膵頭十二指腸切除術後2 日目に顔面から胸部にかけて紅斑を認め40℃を超える発熱を伴う重症ショック症状を呈した。ICU にて人工呼吸管理下に積極的な輸液負荷(1800mL/h)とドブタミン、ノルエピネフリン、エピネフリン、バソプレッシンを持続投与した。抗生剤(MEPM、LZD、MCFG、MNZ、VCM)、免疫グロブリン投与に加え、CHDF 導入にはサイトカイン吸着性能に期待しAN69ST膜を選択した。CHDF開始より循環動態の著明な改善と尿量増加が得られエピネフリンの減量が可能となった。術後5日目にCHDFから離脱し11日目に抜管、13 日目にICU を退室した。後日落屑を認め、胆管チューブおよび便より検出されたMRSA はTSST-1 およびエンテロトキシンC 産生株であることが判明しTSSの診断に至った。【結論】TSS に対する一連の治療の中でCHDF にサイトカイン吸着性能の優れるAN69ST膜を選択したことはサイトカインストーム制御の一助となったと考える。