ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-817-FP-214 衝心脚気に経肺熱希釈法による連続モニタリングを行った 1 例大分市医師会立アルメイダ病院 救命救急センター中島 竜太、稲垣 伸洋、徳田 隼人高拍出性心不全をきたす脚気は現在でも様々な理由により引き起こされる。今回我々は衝心脚気例に対してEV1000 ClinicalPlatformTM(以下EV1000TM, Edwards Lifesciences, Irvine, USA)を使用し、連続的な血行動態測定を行い、衝心脚気の治療に関して考察を加えた。28歳女性、大酒家。自宅内で倒れていた所を発見され救急搬送された。来院時Hb 1.5g/dL, Ht 6.8%,と重度の貧血、20mmol/Lもの著明な高乳酸血症を呈しており、胸部レントゲンでは心不全所見を認めた。上部消化管出血による高度貧血、出血性ショック、これらによる高拍出性心不全を疑い、緊急内視鏡検査、輸血を施行するも頻脈、低血圧が遷延するため、EV1000TM で血行動態測定を施行した。測定結果から衝心脚気を疑い、thiamin1000mg以上の大量投与を行い、ようやく血行動態は安定した。経過中に体液バランスは+5200mLに及んだが、利尿薬を使用して是正し左心不全は発症しなかった。過去の衝心脚気の報告では、thiamin 投与後に後負荷が上昇し左心不全至った例もあるが、本症例ではEV1000TM によりそれに至る経過が観察された。また治療に必要なthiaminの投与量は100mg との例が散見されるが、効果が出るまで投与を繰り返すことが必要であることが読み取れた。FP-215 非手術的治療を受けた急性大動脈解離患者の人工呼吸器装着頻度とその関連因子福島県立医科大学 医学部 麻酔科学講座江花 英朗、箱崎 貴大、大石 理江子、中野 裕子、五十洲 剛、黒澤 伸、村川 雅洋【序言】急性大動脈解離は死亡率の高い重篤な疾患だが,血栓閉塞型やStanford分類B型の症例には,主に非手術的治療が選択される.しかし,これらの患者にも急性期に酸素化障害をきたすことがあり,人工呼吸管理を要することも少なくない.今回我々は非手術的治療を受けた急性大動脈解離患者に対して,人工呼吸を行った頻度と関連因子について比較検討した.【方法】2010 年6月から2015年6月までに当院集中治療部に入室し,保存的治療を受けた急性大動脈解離患者36症例(A型16例、B型20例)を対象とし,非侵襲的または侵襲的人工呼吸の有無と人工呼吸を要した患者の臨床的特徴について後方視的に診療録を調査した.入室時のSOFA score,入室24時間以内のAPACHEII score,受診24時間以内の最高白血球数,最高CRP値,最高CRP値までの日数,BMI,受診24時間以内の最高体温,最低P/F比,ICU滞在日数について検討した.【結果】急性大動脈解離非手術的治療中の患者における人工呼吸器装着頻度は27.8%であった.Stanford A型,B型でそれぞれ37.5%,20%であった.人工呼吸を要した患者の特徴としてICU 滞在日数が長く(5.7 ± 2.9 vs. 2.8 ± 0.7, P=0.001),最高体温が高く(38.0 ± 0.7 vs. 37.3 ± 0.3, P=0.017),P/F 比が低かった(149 ± 65 vs. 217 ± 77, P=0.016).SOFA score,APACHEIIscore,受診24 時間以内の最高白血球数,最高CRP 値,最高CRP値までの日数,BMIでは両群に有意差はなかった.【考察】急性大動脈解離の保存的療法における人工呼吸器装着頻度は33%と報告されており,自験例と類似していた.酸素化障害の原因としては炎症,胸水,無気肺が報告されている.早期に生じたごく小さな無気肺でもその閉塞領域が感染源となり,閉塞後数時間で発熱を生じうるとされている.炎症の状態を反映し,簡便に測定できる体温のモニタリングは急性大動脈解離非手術的治療患者の呼吸器装着を予測するツールとして使用できる可能性がある.FP-216 周産期心不全により陽圧呼吸を要した2 例淀川キリスト教病院 救急・集中治療科三木 豊和、山本 幸司、的井 愛紗、長田 俊彦、堀 雅俊、原 悠也、藤本 善大、則本 和伸【目的】妊娠中の急性心不全により人工呼吸管理を要した2 例を報告する。いずれも妊娠高血圧および病的浮腫を背景とする心原性肺水腫の病態であり、陽圧管理が有用だった。【症例1】 30歳 G0P0(今回妊娠をのぞく)23歳 腹腔鏡下左卵巣嚢腫摘出新鮮胚移植にて二絨毛膜二羊膜性双胎妊娠が成立。妊娠23 週3 日、子宮頸管長16mmと短縮、切迫早産にて子宮収縮抑制剤投与。妊娠26 週 軽度妊娠高血圧および全身浮腫増悪し、1.2kg/ 週の体重増加。妊娠27 週5 日、38 度の発熱と呼吸困難感が出現。SpO2:80%と低下、呼吸不全にて帝王切開術を施行。第一子:1066g(-0.14SD=44.4%tile)男児 第二子: 726g(-2.44SD= 0.7%tile)男児 手術時間:45分、術中出血量:1207mL(羊水込) 右肺のみの片側性肺水腫をみとめ、POD2まで持続陽圧呼吸管理(NPPV)を必要とした。機能性MRを認めたが、POD20には消失。【症例2】 42歳、G5P0SA5、子宮頸部円錐切除(2002年)、内膜症腹腔鏡手術(2010年)、体外受精を8 年行うが採卵困難となり米国にて卵子提供を受けた。妊娠40週2日に自然破水し入院。入院時血圧BP 147/93SpO2 88%。胸部X線にて軽度胸水、肺水腫認めたため、同日に緊急帝王切開術になった。マーカインにて腰椎麻酔をし仰臥位になった時に呼吸状態悪化、マスクバギングし、SpO2 85-92%, BP 130/70 HR 130 のため挿管となった。全身麻酔にて施術した。児 3295g 男児 ap 8/9 Cord ph 7.04/ BE-17.4 手術時間33 分、出血280g(羊水込)。術後2 日目までICUにて集中管理を行い、心エコーにてEF46% FS23% 中等度MRを認め周産期心筋症と診断した。 フロセミド20mg/日の内服を開始。アーチストを徐々に増量し術後25 日目に退院、術後37 日目には回復した。【結論】晩産化により、周産期心不全の発症頻度の増加が予測される。呼吸苦の出現時は、周産期心不全を鑑別に挙げ、心不全兆候を確認するとともに、胸部X線や心エコーを行なう必要がある。