ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-809-FP-190 左主幹動脈閉塞による広範急性心筋梗塞にバチルス感染症のコントロールに難渋し救命し得なかった一例信州大学医学部附属病院高度救急救命センター山本 勇輝、嘉嶋 勇一郎、清水 邦彦、三山 浩、新田 憲市、今村 浩【症例】67 歳男性。高脂血症が指摘されていたが通院・内服なく、その他は生来健康であった。【経過】第1 病日午前10 時頃より草刈りを行い、11時50分頃突然激しい胸痛が発症し、動けなくなったたり救急要請され、現前Dr. ヘリ要請となった。Dr.ヘリ到着時も胸痛持続し表情苦悶様、ショックバイタルであったが静脈ルート確保し搬送可能と判断され、12時46分当院ERに到着した。酸素マスク10L リザーバー投与するもSpO290% 未満と酸素化不良のためNPPV 装着を行い、カテコラミン使用を開始。来院後の12 誘導心電図でもST 変化あり。心エコーで左室壁運動はびまん性に低下し、左冠動脈主幹部(LMT)閉塞を疑われた。13 時5 分緊急冠動脈造影を施行しLMT100%閉塞、IABP留置、気管内挿管を行った後に冠動脈形成術を施行し(onset to balloon time 133分、max CK 14536 U/L)、その後はICU入室し集中治療管理を行い、比較的安定した経過であった。第10病日血液培養にてRaoultella陽性となり、抗菌薬加療を開始し(MEPM 3 g/日)、感受性結果を参考CEZ 4 g/日に変更したがショック状態となりカテコラミン増量、血液培養結果からBacillus cereus を検出し再びMEPM に変更したが改善せず、バンコマイシン追加するも腎機能悪化ありダプトマイシンを併用したが、血液培養はバチルス菌が陰性化せず、第44病日敗血症のため心肺停止となりPCPS挿入となった。第48病日PCPS 抜去可能となったが、その後も感染コントロールに難渋し、第74 病日PCPS 再挿入となり、第75 病日永眠された。【結語】Dr.ヘリにより安全かつ速やかに救急搬送され、早期に再潅流療法に成功したLMT閉塞による重症広範急性心筋梗塞であったが、バチルス敗血症のコントロールに難渋し、救命し得なかった一例を経験した。FP-191 急性心不全の管理に苦慮した慢性関節リウマチ患者の1 例広島市立広島市民病院 麻酔科集中治療部宮本 将、後藤 隆司、武藤 渚、青山 文、亀山 実希、鷹取 誠【症例】76歳女性。慢性関節リウマチの加療中で、胸部大動脈瘤の手術を1ヶ月以内に予定されていた。数日前から咽頭痛と胸部違和感があり、呼吸苦で身動きとれないところを発見され救急受診。CT 精査中に低血圧性ショックに陥り、ノルエピネフリン持続を開始してICU に入室した。CT では腎周囲に炎症性変化をみとめ、尿所見から尿路感染に伴う敗血症が疑われた。入室時、著明な乳酸アシドーシス・代償性過呼吸の状態であったが意識レベルは保たれていた。エコーでは後壁の心筋収縮が若干低下しているものの、弁逆流は有意なものなし。ACS除外に施行したCAGも異常は認めなかった。胸部大動脈瘤破裂・感染瘤は否定しCHDF開始、一時状態は改善していた。副腎不全カバー目的でステロイドは増量、empiricに抗生剤加療を開始していたが、数時間後より乳酸アシドーシスの進行、心筋収縮の悪化をみとめた。治療強化のうえで、一旦は心肺停止に至り蘇生した。急性心筋炎とおぼしき心機能低下、高度弁逆流もありIABP・PCPS を考慮したが、胸部大動脈瘤のため至らず。同時に麻痺性イレウスを呈していた。炎症反応の推移とは裏腹に低心機能は遷延。ただ免疫グロブリン大量投与の時期より心収縮能は改善をみせ、第20病日抜管に至った。その後も心不全管理の調整を要したが、血液透析も離脱し、第28 病日ICU を退室した。【考察】本症例は尿路感染に伴う敗血症性ショックと思われたが、治療の反応性とは別の経過で心機能低下が進み、急性心筋炎が疑われた。咽頭痛を主訴とした先行感染もあったが、ウイルス感染だったかは不明である。また消化器症状を同時に示し、悪性関節リウマチの血管炎も考慮されたが、診断には至らなかった。免疫グロブリンによるか自然経過かは判断できなかったが、補助循環は要さず軽快した。過去の報告と臨床的判断をもとに、管理のポイントを探る。FP-192 感染性心内膜炎による僧房弁閉鎖不全症、心不全により6 週間の人工呼吸器管理を継続したが、救命に至った1例1)東京女子医科大学病院 循環器内科、2)東京女子医科大学病院 心臓血管外科森岡 佑太1)、春木 伸太郎1)、吉田 彩乃1)、猪谷 亮介1)、富岡 秀行2)、嵐 弘之1)、南 雄一郎1)、山口 淳一1)、志賀 剛1)、萩原 誠久1)【はじめに】感染性心内膜炎(IE)を発症し、早急な僧房弁置換術施行が必要であったが、大量下血をきたし手術が中止となり、42日間の集中治療管理の後に外科的治療を施行し独歩退院となった症例を経験したので報告する。【症例】46歳男性で、42歳時から透析導入されていたが心疾患の指摘はなかった。2015年4月末に発熱が出現し、前医でIEと診断され当院へ転院となった。心臓超音波検査で僧帽弁前尖に付着する20×16mmの疣贅と、重度の僧房弁閉鎖不全症を認めた。心不全も併発しており僧房弁置換術の方針となったが、術前血液透析中に多量の下血を認めショック状態となった。人工呼吸器管理、昇圧剤使用と輸血により血行動態維持はできたものの、活動性の消化管出血が疑われ手術は延期となった。持続出血は徐々に改善傾向となったが、肺水腫が増悪したため人工呼吸器管理を継続し、第12病日には持続的血液濾過透析を開始とした。透析開始後も下血を認めず経過し、上部消化管・下部消化管内視鏡検査で消化管出血の止血を確認した。第23 病日には僧房弁に付着していた疣贅が消失したため造影CTを施行したところ、腹部大動脈-総腸骨動脈の分岐部に疣贅と思われる構造物の付着が確認された。抗生剤投与を継続しながら感染管理を行い、第42病日に僧房弁置換術、疣贅除去術を施行した。術後は感染、循環動態、呼吸動態などは改善され第95 病日に独歩退院となった。【結語】本症例は急性心不全、抵抗性感染、10mmを超える疣贅を認めるIEであり、急性期の外科治療の適応と考えられたが、消化管出血を合併したため手術の延期を余儀なくされた。常に肺水腫の状態でありながら、最終的に約6週間の人工呼吸器管理、透析管理などの集中治療管理を経て、外科的治療が可能となり救命することができた。多くの科との連携と、多職種による集学的治療の重要性が再認識されたためここに報告する。