ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-788-FP-127 当院におけるネブライザ付き酸素吸入装置のトラブル事例川崎医科大学附属川崎病院 MEセンター有信 一慶、元石 徹也、檀上 弘樹、西海 創、川村 華奈子、島谷 洋志、西江 和夫当院におけるネブライザ付き酸素吸入装置のトラブル事例有信一慶、元石徹也、檀上弘樹、西海創、川村華奈子、島谷洋志、西江和夫川崎医科大学附属川崎病院【はじめに】当院では、泉工医科工業のネブライザ付き酸素吸入装置カームピュア(以下、カームピュア)を所有している。カームピュアは100%の酸素と大気をベンチュリー効果により混合し、酸素濃度の設定と加温加湿ができる酸素療法機器である。今回、高度治療室(以下、HCU)でカームピュア使用中に正常に送気ができない事例が発生した。この事例に対して考察ならびに対策を検討したので報告する。【経緯】 HCU 看護師がカームピュアの使用中点検を実施していた際、患者の口元を確認したところ送気出来てないことに気付いた。また、一時的にネブライザーアダプターの大気流入部から水蒸気が逆流していた。蛇管等のチェックを行ったが特に問題がなく、原因が不明のためCEに連絡された。すぐに点検を行ったが、再現性を認めなかったため様子観察にした。後日、CE が集中治療機器ラウンドを行っている際に同患者で再現性を確認した。【考察】 逆流要因を検討したところ、まず、蛇管の水の溜まりによる逆流があげられた。これは、水が蛇管内に貯留すると送気の抵抗になり水蒸気が逆流すると考えられる。次にリサーキレーションチューブ入口の水が滞留し逆流することがあげられた。カームピュアはリサーキレーションチューブより滅菌蒸留水を再循環させている。しかし、再循環が適切に行われないことでリサーキレーションチューブの入口に水が滞留し、送気の抵抗になり逆流すると考えられる。【結語】 今回の事例についてメーカーと共に考えられる要因を精査中である。これらの要因を実際に使用している看護師に周知することで、この様な事例に対して早期に対応する必要がある。今後さらに要因を追究することでこの様な事例が起こらないような対策を検討したい。FP-128 人工呼吸器離脱困難症例への臨床工学技士の関わり1)名古屋掖済会病院 臨床工学部、2)中部大学 生命健康科学部 臨床工学科高橋 幸子1)、花隈 淳1)、中井 浩司1)、平手 裕市2)【諸言】クリティカル領域における職種を超えたチーム医療が重要性を増している。【目的】医師コメディカル連携が奏功した人工呼吸器離脱困難3症例を通して、呼吸療法における臨床工学技士としての役割を考察する。【症例1】83歳女性。SAH、意識レベル低下。6PODに慢性気管支炎による下顎呼吸出現。術後の意識レベル確認の必要性から鎮静剤が使用できず、頻呼吸となる。P-V Toolも利用できず、呼吸様式から人工呼吸器設定を判断した。また体重による肺への荷重大きく、分散とポジショニングを提案、理学療法士・看護師と協調し呼吸仕事量の軽減を目標にした。【症例2】48歳男性。弓部下行大動脈人工血管置換術後。両下肢と左半身麻痺。意識障害、肺炎の合併する中で、体位変換ごとのPSV設定圧の変更を行い、呼吸器離脱訓練ではPSVの圧較差よりも自発呼吸のトリガーを調整し、横隔膜収縮力増強を目指した。関係スタッフがPAVモードでの仕事量変化を注視し、患者の呼吸状態を評価した。【症例3】67 歳女性。筋ジストロフィ、大腿骨頚部骨折、低血糖低体温意識障害。胸腹水貯留にて人工呼吸器離脱困難となる。医師、看護師、理学療法士、臨床工学技士、患者、家族が話し合いや伝達を繰り返した。治療目的を患者にも理解してもらい、家族の観察結果を評価に取り入れ治療を継続した。【結果】標準化されたプロトコールでは、医師から説明される病態や看護師・理学療法士から提起される問題点を画一的に解決することは困難であった。【考察】臨床工学技士の役割として、人工呼吸器の機種選定と設定理由を明確にすることが、治療や看護・リハビリに反映されたと考える。【結語】呼吸訓練方法や必要に応じた患者介入について、スタッフ間で共通の認識を持ちながら携わることで人工呼吸器離脱目標を達成できた。FP-129 人工呼吸器ワークショップの診療および教育への効果1)亀田総合病院、2)Pulmonary and Critical Care Medicne, LDS Hospital、3)済生会横浜市東部病院長谷川 景子1)、山田 紀昭3)、鵜澤 吉宏1)、田中 竜馬2)、金子 教宏1)【目的】若手医師のための人工呼吸器ワークショップは、講義と実習を通して人工呼吸器を体系的に学ぶ場を提供している。これまでの調査で、受講前後で知識の改善が認められた。今回、受講前後で診療や教育にどのようなインパクトがあるかを調査した。【方法】2011 年11 月から2014 年11 月に開催された人工呼吸器ワークショップの受講生を対象に、受講前後でWeb アンケートを実施した。【成績】人工呼吸器の診療に自信を持つようになった、積極的になったなどの精神的な変化に加え、受講後にモード選択が変わった、ワークショップで扱ったメカニクスやグラフィックに着目するようになったなどの診療における行動変容を認めた。さらに、受講後に勉強会を開催したという教育学的な行動変容も認められた。【結論】人工呼吸器教育がMortalityやMobilityなどの患者アウトカムにどのような影響を示すのは極めて困難であるが、今回、人工呼吸器ワークショップは診療や教育に対する医師の行動変容を認めた。特に、受講後に受講生が人工呼吸器に関する教育活動を行った点からは、人工呼吸器ワークショップの教育学的効果は大きいと考える。