ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-786-FP-121 気管挿管患者に対する安全な固定方法マニュアル作成への取り組み黒部市民病院 集中治療棟岩崎 まみ、浅田 英美、松本 あゆみ、渡邊 和美【目的】これまで気管挿管チューブ固定にチューブ用クランプを使用していたが2 年間で87名中21 名が皮膚の糜爛や出血、潰瘍形成を発症。そこで口腔内・皮膚トラブルを予防し安全な固定が出来るようマニュアル作成に取り組んだ。【方法】研究期間:20XX年4月~20XX年8月・現状把握1)口腔内.皮膚トラブルの内容分析2)固定方法について無記名自記式質問紙調査、BOX で回収し内容をカテゴリー化・改善策立案・アセスメントシート、マニュアル作成 ・倫理的配慮:倫理委員会の承諾を得た【結果】チューブ用クランプでは24%に口腔内.皮膚トラブル発症、質問調査結果では「安全面への不安」「固定に一貫性がない」の属性が多かった。改善策は「口腔内. 皮膚トラブル」「安全面への不安」「一貫性」に視点を置いた。皮膚トラブルについては『柔軟性に優れ皮膚の動きに順応し皮膚刺激が軽減される』という定型のサージカルテープに変更したところ、皮膚トラブルは0件。しかしアンケート結果から、その柔軟性は首を激しく振る患者には誤抜去のリスクが高いなど、「安全面への不安」に繋がったため、粘着力があり伸縮性が低い粘着性伸縮包帯を単独選択した所、安全面への不安は改善されたが35%に皮膚トラブルを発症した為、皮膚保護目的で皮膚欠損用創傷被覆材を併用した。口腔内トラブルでは34%に口腔内潰瘍を発症した為、バイトブロック使用の対象をチューブを噛む可能性があると判断した患者に限定。結果16名の患者中、皮膚トラブルの発症0件、口腔内に糜爛発症1件となった。「一貫性」に関しては、鎮静スケールや意識状態、歯の有無の状態など患者の状態をアセスメントできるシートをマニュアルとともに作成した。【考察】アセスメントシートを使用することで個別性に適った固定方法を標準化することができ、マニュアルに沿った一貫性のある固定方法は口腔内. 皮膚トラブルを最小限に留めることに繋がると推察する。FP-122 HCU 看護師の呼吸療法に関する意識の向上と統一したケアの提供を目指した取り組み旭川赤十字病院 看護部 HCU・救急外来科吉野 由夏、後藤 清華、奥村 美樹、中川 有記、佐藤 和美、三上 淳子【はじめに】当病棟には、人工呼吸器を装着し集中治療を要する重症患者が平成24~26 年度で年間平均110 名入院している。毎年看護師の入れ替わりが多く、集中治療領域での勤務経験がない看護師もいるため、呼吸療法に関する知識や技術には個人差がある。そこで、呼吸療法認定士を活用し、呼吸療法に関する意識の向上と、統一した呼吸療法を実施することを目的に取り組んだ。【対象・方法】HCU看護師を対象に、呼吸療法に関するアンケート調査を行う。呼吸療法認定士による勉強会を実施し呼吸療法を実践後、再度アンケート調査を行い評価する。【倫理的配慮】研究の目的と主旨を説明し、個人が特定される情報は公開しない、得られたデータは本研究以外では使用しない事を説明し同意を得た。【結果】人工呼吸器装着患者を受け持った看護師のうち69%が、呼吸療法を実施したことがあると回答し、呼吸状態悪化時が86%、リハビリテーション目的が14%であった。呼吸療法の内容はスクイージングや体位ドレナージが70%であった。「手技が正確にできているか」には、「ややできている」が42%、「あまりできていない」が58%、「実施した呼吸療法が効果的にできているか」には、「できている」が38%、「あまりできていない」が62%であった。「あまりできていない」の理由では、「知識不足」「自信がない」が77%であった。「日々の看護のなかで呼吸療法を行う必要はあるか」には、「必要である」が100%であった。【考察】呼吸状態悪化時の対処として呼吸療法を実施している場合が多く、リハビリテーションを目的として実施している看護師は少なかった。呼吸療法の必要性は感じているが、手技に自信のない看護師が半数以上を占め、技術習得に向けた取り組みの必要性が明らかとなった。勉強会を開催し、呼吸療法の実践を積み重ねることで、意識の向上と統一した呼吸療法の実践につながると考える。FP-123 NPPV マスク汚染の現状 ATP測定器を用いて1)福岡徳洲会病院 臨床工学科、2)福岡徳洲会病院 救急・集中治療センター岸川 源直1)、小田原 真佐代1)、高橋 一臣1)、土谷 真基1)、福井 啓介1)、江田 陽一2)はじめにNPPVは、顔面とマスクを接触させ簡便に行える非侵襲的な呼吸療法であるが顔面皮膚には多くの細菌が存在し、マスクは汚染されやすい状況である。今回、マスクの汚染の状況を確認するためアデノシン三リン酸(以下ATP)モニタリングシステムを用いて評価を行ったので報告する。方法ATP測定器はキッコーマンバイオケミファ社製ルミテスターPD-20N、検体採取はルシパックペンを使用した。マスクは、PHILIPS RESPIRONICS 社製パフォーマックス トータルフェイスマスクとAF811 ジェルフルフェイスマスクを対象とした。測定部位は皮膚との接触部とした。測定間隔は、1・3・7日使用後に測定を行った。ATP値は1000RLU 以上より一般生菌数が多く検出される事から1000RLU 以上を汚染の基準とした。結果 両タイプのマスクは、1日使用で汚染基準より大きく上回る結果となった。また3・7 日使用後のATP値も若干の変動はあるもののさらに高い値を示した。考察 NPPV マスクは形状及び使用時間に関係なく1 回の使用で汚染基準に達するためことが分かった。そのため1 日置きのマスク交換が清浄度を保つことができる唯一の方法と考えられた。しかし交換するにはコスト面の問題があり、1 日置きに病棟でのマスク洗浄を行う方法も考えられるが、不慣れなスタッフでの洗浄不足やマスクの種類により組み立て分解が必要なものもあり、再利用時の安全性が失われる可能性があるためセンター等での中央的な洗浄、組み立てが妥当だと考えられる。 今後院内スタッフに、マスクの汚染を認識してもらい、マスクの交換や洗浄の必要性を認識してもらうことで感染リスクの低減につながると考えられる。まとめ マスクは、1 日の使用で汚染しているため、1日置きの交換や洗浄が望ましいと考えられた。