ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-766-FP-061 経皮的気管切開術チェックリストの有用性の検証(第2 報)自治医科大学附属さいたま医療センター内山 哲平、大城 国男、八木橋 智子、讃井 將満【はじめに】 当センターではICUにおける経皮的気管切開術(PDT)の安全性と質を高めるために、2014年1月にPDTチェックリストを導入した。しかし、チェックリストに対する認知度が低く、十分に活用されなかった。(第42回日本集中治療医学会学術集会で発表)この結果を踏まえ、スタッフに対し2015年3 月に新たなチェックリスト利用ルールを提案した。今回、後ろ向きデータ比較およびアンケートによりPDT の安全性と質の変化を提案前後で比較した。【方法】看護師・医師にチェックリストに対する新利用ルールとして、1)看護師及び医師がチェックリストを読み上げ、もう1人が確認しながら行う物品準備、2)ベッドサイドスタッフ全員が手を止め、チェクリストを読み上げ観察項目、凝固系検査・薬剤等の再確認を行うタイムアウトを提案した。調査項目は患者背景、重症度、手術時間や合併症発生割合などとし、アンケートはスタッフ全員を対象とした無記名の9問からなり、チェックリストの利用率、意識、問題点などに関して質問した。【結果】PDT は、提案前に32 例、提案後には14例行われていた。提案後全例で新ルールが遵守されていた。介入が必要な出血性合併症の割合は提案前後でそれぞれ19%・14%、平均手術時間が36.8分・34.7 分であった(NS)。チェックリストの使用経験があると回答した看護師は、提案前の33 人中14 人(42%)に対し提案後は32人中26 人(81%)と増加した(< 0.05)。また、チェックリストが小さくて見にくい、処置の順番に記載されてない、等の問題点が指摘された。【結語】スタッフへの啓蒙と明確な利用ルールの確立により、チェックリストの利用法と頻度が改善された。今後、指摘された問題点を修正し、さらに安全かつ質の高い手技の実施を目指したい。FP-062 VAPバンドル導入に向けての意識調査と今後の課題~アクションリサーチ法を用いて~1)沖縄県立北部病院、2)沖縄県立南部医療センター・こども医療センター玉城 愛子1)、嘉手苅 美和子1)、石川 由香1)、當山 護剛2)【目的】A病院ICU・HCUの2013年度の人工呼吸器装着患者は93名である。その内、人工呼吸器装着48時間以上の患者は85%を占め、VAP発症の可能性が高い。そこで、VAPバンドル導入に向けて、スタッフの意識調査を行い、アクションリサーチ法を用いて課題を見出したので報告する。【方法】今回、協働的介入であるアクションリサーチ法を用いて研究を行った。ICU・HCU の看護師16 名に対し、VAPバンドルの勉強会を実施し、日本集中治療医学会が定める5項目について「できる・できない」の理由を自由記載してもらった。その後、カード図解法で分析を行った。倫理的配慮としてアンケートは冒頭で研究以外使用しない事を説明した。【結果・考察】VAPバンドル5項目1、手洗い、擦式アルコール製剤の使用、手袋の交換等に個人差があった。手指衛生の方法、環境の見直しが必要である。2、院内マニュアルに沿って回路交換を実施しており、回路交換期間に問題はない。しかし、管理方法に疑問の声があり、根拠に基づく管理方法の検討が必要である。3、統一した評価ができるようRASSの導入に前向きな意見が聞かれた。目標鎮静深度を維持することで、速やかに治療に反映できると考える。4、SBT導入は、基準や指標の必要性、医師の協力が不可欠であるという意見があった。医師と協働してA病院に則したSBTプロトコルの作成、勉強会を開催し、困難・不安感を軽減する必要がある。5、頭高位保持が困難な症例がある。エビデンスを基に個々の症例に対応していく必要がある。また、アクションリサーチ法を用いることでスタッフが共に研究し、課題を見出すことができたと考える。【結論】抽出された課題は以下の通りである。1、手指衛生方法と環境の見直し 2、人工呼吸器回路の管理方法の検討 3、RASSの導入 4、A病院に則したSBT プロトコルの作成、勉強会を開催し困難・不安感の軽減に努める 5、患者の状態に則した、頭高位保持の検討。FP-063 愛知県集中ケア認定看護師会の活動報告 第6 報1)藤田保健衛生大学病院 看護部ICU、2)国立病院機構 名古屋医療センター、3)藤田保健衛生大学病院 看護部 総合救命救急センターNCU・CCU、4)名古屋大学大学院医学系研究科看護学専攻 基礎・臨床看護学講座河合 佑亮1)、枡田 ゆかり2)、西嵜 政仁3)、池松 裕子4)【目的】愛知県集中ケア認定看護師会は2008年に発足し、県内の認定看護師の連携を促進し、看護の質及び教育の向上と発展に寄与することを活動の目的に掲げている。昨年度は定例会の充実をはじめ、書籍の共同執筆や学術集会のセッションの企画・運営など、多面的な活動に取り組むことによって会員間の連携と相互啓発を推進できたことを本学術集会にて報告した。また同時に、学術的な活動への取り組みと、更なる会員間の連携と相互啓発のための活動が課題であることが明らかとなった。これらの課題への取り組みを評価し、今後の新たな課題を明らかにする。【方法】2015年度の定例会の議題および開催数や参加者数を情報化し、その他イベントへの取り組みなど活動内容を振り返る。【結果】2015 年度の定例会の議題は多施設研究に関することが多くを占めており、3 つの研究チームを結成し、チーム毎に複数回会合して研究計画を作成した。2015年度の定例会の開催数は9回であり、各会の参加者数は昨年度と比較してやや低率であった。また、新しい取り組みとして、東海地区の急性・重症患者看護専門看護師会との交流の機会を設けた。【考察】初めに、2015 年度の活動は多施設研究に注力されたことが明らかとなった。学術的な活動が推進できたと評価するが、多施設研究は未だ途上であり、研究の遂行と発表を今後の課題と考えた。次に、定例会への参加率は昨年度と比較してやや低率であった。しかし、定例会の開催数は当会の発足以来最多であり、定例会とは別に、会員間で結成される研究チームの会合が積極的に行われていた。また、同じ地域の同じ領域の専門看護師との交流は、効果的な相互啓発の機会となった。以上により、会員間の連携と相互啓発のための活動は推進できたと評価した。【結論】2015年度の課題は達成された。多施設研究の遂行と発表、現在の活動の継続と質の向上が今後の課題である。