ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-765-FP-058 心拍動下冠動脈バイパス術後の術場抜管について1)社会医療法人 友愛会 豊見城中央病院、2)社会医療法人友愛会豊見城中央病院 呼吸療法室、3)社会医療法人友愛会豊見城中央病院 心臓血管外科、4)社会医療法人友愛会豊見城中央病院 集中治療室大城 和也1)、永登 諒1)、仲間 敏春1)、亀谷 善太1)、山内 芳乃1)、仲間 康敏2)、田淵 正樹3)、寺田 真也3)、山内 昭彦3)、玉城 正弘4)【はじめに】術場抜管の利点として、脳神経合併症の早期発見および術後早期からコミュニケーションが図れることで家族は安心感が得られることが挙げられる。当院では、単独心拍動下バイパス術(Off pump-CABG:以後OPCAB)症例は可能な限り術場抜管を実施している。今回、術場抜管に影響を与えると思われる因子を調査し術後看護介入の検討をしたので報告する。【期間】2012 年1 月から2015年6月までの3.5年【対象および方法】胸骨正中切開法にてOPCABを施行された118 例。術場抜管83 例(70%)をO 群、緊急症例13 例含むICU 帰室後抜管35 例(30%)をI 群とし、抜管に影響を与えると思われる因子(15 項目)を抽出し重回帰分析、多重ロジスティック回帰分析にかけ比較検討した。また、再挿管、ICU 退室後再入室有無を調査した。【結果】重回帰分析にて麻酔時間、術中バランス、アパッチ2スコア、予定・緊急の項目にP<0.05の有意差を認めた。多重ロジスティック回帰分析では予定・緊急の項目に相関は認めなかった。O 群における麻酔時間は5.9 ± 1 時間、I 群は6.9 ± 1.3 時間。O 群における術中バランス961 ± 631ml、I 群は1393 ± 697ml であった。O 群のアパッチ2 スコアは21 ± 5.4 点、I 群は29 ± 5.3点であった。O 群症例にて再挿管1 例(0.8%)。2 日間の人工呼吸器管理を要し術後5 日目にICU退室された。全例ICU 再入室はなかった。【考察】I群は有意差のあった3項目から覚醒遅延やボリューム負荷による二次的症状を考慮し、術場抜管されていないことが考えられる。I群における抜管は覚醒状態や動脈ガスデータ、呼吸循環動態を評価し人工呼吸器からのWeaning、SBT を実施し抜管に至っている。O群にて1 例再挿管はあったが、その他の患者はNPPV使用時間も短く安定した経過であった。両群においてNPPV サポートを含めた対応と因子のアセスメントを行い、術後管理を行うことが重要である。【結語】当院における術場抜管とICU 帰室後の抜管は妥当である。FP-059 NPPV 体験型シミュレーション教育 ~優しい呼吸を目指して~大津市民病院 救急診療科・集中治療部宮崎 勇輔、小尾口 邦彦、福井 道彦、蒲池 正顕、加藤 之紀、和田 亨、渡邉 宏樹、横峯 辰生NPPV (Non-invasive positive pressure ventilation)は急性心原性肺水腫やCOPD の急性増悪時などに有用である。気管挿管を必要とせず、意識を保ったままマスク装着のみで施行することができ、簡便かつ患者の不快感も少ない。一方で必ずしもその仕組みが理解されず、導入時に高圧管理から開始されたり、極端にLeak を忌避したマスクフィッティングなど‘ 見よう見まね’ な管理がしばしば見られる。結果、患者の不快感の増加や不同調性を引き起こし、NPPVの導入に早々と失敗したり、治療継続が困難となることもありがちなのではないだろうか。当院では初期研修医やNPPV 管理の中心を担ってもらう機会の多い看護師を対象にNPPVの少人数トレーニングコースを定期的に実施している。NPPVを原理から理解し、実際に装着、S/T ・CPAPモードを体験してもらうことで正しいマスクフィティングやNPPV管理を学習、実臨床のレベルアップにつなげている。当院での本トレーニングコースに関して報告したい。FP-060 新人看護師の育成におけるARCS動機づけモデルの有用性~新人看護師に心肺蘇生実践を支援した事例~一宮西病院 集中治療部天野 裕香、山田 竜太、東 啓子、野手 英明、川出 健嗣、坪内 宏樹【はじめに】J.M.ケラーが提唱するARCS動機付けモデルは学習意欲に影響を及ぼす、注意(Attention)、関連性(Relevance)、自信(Confidence)、満足感(Satisfaction)の4要素で構成された包括的なモデルである。当院ICUも毎年新人看護師が配属されており、高度医療機器の取り扱いやクリティカルケア看護などの習得が求められ、教育が行われている。しかし、実際には教育法を模索していく中で、経験則にたよりがちである。システム的な教育の構築は、今後の教育を考える中で重要であると考える。今回、2 か月の新人看護師が心肺蘇生のスキルの習得と本人の充実感を得た事例をARCS モデルで検証することでこのモデルの有用性の検証を行ったので報告する。【事例】看護系大学卒業後入職、ICUに配属された2 か月目の新人看護師1 名。【方法】訓練実施事例の介入と対象者の反応を時系列で記述。対象者の訓練場面における思いを聞き取り調査した。訓練実施事例の介入についてARCS動機づけモデルを用いて、注意・関連性・自信・満足感に分類し、どの介入の要素が指導方略として有用であったかを照合し、モデルの活用性について検証する。【結果】1日目は、A:3 R:2 C:1 S:0、注意と関連性の部分が多い。2日目は、A:0 R:1 C:6 S:2、自信と満足感が多い。7 日目は、A:1 R:0 C:3 S:4、自信と満足感が多い。16 日目は、ARC:0 S:2、満足感のみ。1 日目には注意と関連性の箇所が強化されており、2 日目以降においては注意・関連性の介入はほとんどなく変わって自信と満足感を強化した介入が多い。【まとめ】今回の事例は、学習意欲向上の支援に効果的である要素がARCS モデルの要素に合致し、新人教育にも当てはめることができるモデルである。しかし、ARCS モデルの下位分類の工夫の中でそのまま使用できない内容は現場に対応できるよう工夫を行っていく必要がある。