ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-753-FP-022 熱傷患者重症度と栄養開始時間に関する検討社会医療法人 製鉄記念八幡病院 看護部入江 絢香始めに熱傷は著しい代謝亢進状態が長時間持続する為積極的な栄養管理が重要である。当施設では熱傷患者に平均9時間で経腸栄養(経口摂取、経管栄養)を開始している。今回栄養開始時間により熱傷重症度及び予後に関連するか検討した。対象2009年1 月~2014年10月に熱傷でICUに入室した患者77名(男性54名、女性23名)方法目的変数を栄養開始9時間以内及び死亡、説明変数を年齢・性別・気道熱傷・%TBSA・BI・PBIとし統計処理。P<0.05を有意とした。結果1.目的変数:経腸栄養時間9時間以内(N=43)年齢( 歳) 51.9 ± 25.7 P=0.94 性別( 男、N=53) 30(40%) P=0.84%TBSA 19.9 ± 20.9 P=0.57BI 12.7 ± 14.7 P=0.83PBI 64.6 ± 31.6 P=0.59 気道熱傷(N=12) 7(9.3%) P=0.94 挿管(N=21) 10(13.3%) P=0.29 死亡(N=15) 6(8%) P=0.152. 目的変数:生存(N=60) 年齢(歳) 48.7±19.8 P=0.007性別(男、N=54) 11(14.3%) P=0.58%TBSA 14.5±12.0 P<0.01BI 8.5 ± 7.9 P < 0.01PBI 57.2 ± 24.2  P < 0.01 気道熱傷(N=14) 7(9.1%) P=0.005 栄養開始時間 9 ± 5.1 P=0.04 考察熱傷患者において経腸栄養は24 時間以内に開始されるのが望ましいとされる。当施設は平均9 時間であり早期に開始できているといえる。平均栄養開始時間を境に重症度や予後に関連するか調べたが有意差なし。重症度や気道熱傷の有無に関係なく栄養開始していた。死亡症例では重症度が高く循環動態不安定であり栄養開始に時間を要すことや、栄養開始できずに死亡する例があったことで、生存・死亡に関して有意差がみられたと考える。当施設での死亡症例の平均栄養開始時間は12時間であり早期に開始されている。しかし、9 時間を境に栄養開始時間において生存・死亡に有意差はなく、重症例でも積極的な経腸栄養が必要であると考える。結語死亡する症例ほど経腸栄養開始時間は遅い傾向にあり、熱傷重症度や予後指数、気道熱傷の有無に関係なく早期から開始していた。FP-023 鈍的胸部外傷により腹腔内遊離ガスを認めた一例信州大学医学部附属病院 高度救急救命センター内田 宗一郎、片山 延哉、塚田 恵、新川 一樹、一本木 邦治、望月 勝徳、高山 浩史、小林 尊志、三山 浩、今村 浩【はじめに】腹腔内遊離ガスは消化管穿孔を示唆する所見であり、手術加療を要することが多い。今回我々は鈍的胸部外傷により消化管穿孔を伴わない腹腔内遊離ガスをきたした症例を経験したので報告する。【症例】6 歳、男児。乗用車に礫過され受傷した。胸痛の訴えあり、近医へ救急搬送された。両側気胸、両側肺挫傷、縦隔気腫、肝表面に沿った腹腔内遊離ガス、肝損傷(Ib 型)、第4肋骨骨折と診断され、加療目的に当院へ転院搬送された。腹部は平坦軟、圧痛なし、腸蠕動音聴取し、異常所見を認めなかった。同日、食道造影検査を施行したが、明らかな造影剤の漏出を認めなかった。消化管穿孔は否定的と考え保存的加療の方針とし、第2 病日飲水開始、第3 病日食事開始したが、腹膜刺激症状の出現なく経過した。第5 病日胸腹部造影CT 施行し、気胸、縦隔気腫、腹腔内遊離ガスは残存するも改善傾向であった。第6病日自宅退院となった。【考察】本症例においては鈍的胸部外傷により気胸、縦隔気腫が生じ、一過性の胸腔内圧上昇により腹腔内へと空気が流出したものと考えられた。解剖学的には縦隔から食道、大動脈の周囲を介し、腹腔内、後腹膜への交通があり、空気の流入した報告がある。胸部鈍的外傷により生じた腹腔内遊離ガスは希な症例であり文献的考察を加えて報告する。FP-024 腹部刺創症例に対し,MDCT 及び審査腹腔鏡が有用であった一例1)千葉労災病院 救急・集中治療部、2)千葉労災病院 外科高村 卓志1)、安富 淳2)、草塩 公彦2)、松本 正成2)、鈴木 大2)、飯田 文子2)、今村 南海子2)、岡田 奈美2)、森脇 龍太郎1)、宇田川 郁夫2)症例は64歳,女性。自傷行為により腹部を刺傷し当院救急外来受診。来院時刃物は抜去されており,圧迫にて止血された状態であった。来院時vitalはBP 100/50mmHg,HR60/min と安定しており, 採血上はHb8.4 と軽度の貧血を認める以外には明らかな異常所見は認めなかった。造影CT にて腹直筋血腫を認めるものの, 腹腔内遊離ガスや腹水などは認めなかった。腹腔内損傷の可能性は否定できなかったため, 緊急で腹腔鏡下試験開腹術を施行した。腹膜内に血腫を認めるものの, 明らかな腹水や臓器損傷は認めず, 緊急開腹手術を回避した。術後は集中治療室で管理を行ったが,術後経過は良好で,術後8日目に軽快退院となった。全身状態が安定した鋭的損傷における治療方針については, 試験開腹術のみでなく低浸襲な内視鏡的診断が用いられることがある。今回我々は, 低侵襲かつ正確な診断を行うために審査腹腔鏡とMDCT を用いて, 正確な診断をつけることができた。若干の文献学的考察を行い報告する。