ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-752-FP-019 ECMO 患者における栄養の必要性1)社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 看護部、2)社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 心臓血管外科、3)社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 循環器内科、4)社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 臨床工学科都志 明日美1)、坂口 太一2)、林田 晃寛3)、永野 範子1)、平岡 有努2)、中島 康佑4)、鈴木 康太2)、寺坂 美津子1)、宗次 美登理1)急性期の栄養管理では、48時間以内に経腸栄養(EN)を開始することが推奨されており、栄養管理を行うことで感染予防や入院期間の減少、ICU 滞在日数など様々な効果が期待されている。またECMO患者における栄養管理についてはELSOのガイドラインでも十分なカロリーと栄養補助が不可欠としながらも詳細な記載はなく議論の余地が多い。そこで、今回2012年9 月~2015年7月までにおけるECMO(V-V,V-A)挿入患者86例を対象にICU滞在日数に関連すると思われる因子37項目について解析を行った。結果、CHDF P = 0.005、RBC P < 0.0001、48 時間以内に白湯やGFO を胃内へ注入を行った群P = 0.017、48 時間以内に栄養剤としての注入を行った群P = 0.0005、EN で1 週間以内に必要エネルギー(必要栄養とは当院では急性期25Kcal/kg と設定)60%を達成した群P <0.0001、EF P = 0.0055、Hb P = 0.026、Htc P= 0.025となった。また、ステップワイズ法にて多変量解析を行った結果、栄養2P=0.0158、EF P=0.0023、Htc P=0.0034となった。本解析では経静脈栄養(PN)とENで1週間以内に必要エネルギーの60%を達成した群は残らず、ENのみで1週間以内に必要エネルギーの60%を達成した群のみが有用であるとの解析結果を得ることが出来た。ECMO患者は血行動態が不安定であることや腸管障害が起こる可能性が高く、ENを開始しにくい要因が多くある。しかし、48時間以内にEN を開始し、1週間以内にPN ではなくENで必要エネルギーを補うことが重要であることが示唆された。FP-020 多職種共同型経腸栄養持続投与プロトコール導入の効果山口県立総合医療センター藤本 晃治、高橋 健二、伊藤 誠【背景】当院ICU では、24 時間以内の経腸栄養開始を基本とした栄養管理を行っている。栄養管理は、毎朝多職種でのカンファレンスによりその内容を検討し実施していたが、投与速度や投与方法などに一定の基準はなく、患者毎に管理方法が異なっていた。これにより、栄養管理に関する看護実践の確立が困難となっていた。【目的】多職種協働型経腸栄養持続プロトコールを導入し、安全かつ統一された経腸栄養管理が実施できる。【方法】経腸栄養持続投与プロトコールは、文献検索と多職種での検討により策定され、その後全てのスタッフのコンセンサスを得た。プロトコールの対象となる患者は、経腸栄養実施が可能であり、経鼻胃管から経腸栄養の持続投与が必要であると判断された患者とした。経腸栄養持続投与プロトコールの概要は以下の通りである。1.多職種カンファレンスで経腸栄養実施に関する検討と方針の決定を行う。2.プロトコールに従い、患者へ経腸栄養の実施を行う。3.有害事象が発生した場合には、医師・看護師を中心とし、実施継続の可否や対処の検討を行う。【調査期間】2015年5月1 日~7 月31日【結果】研究の対象となった患者は29 名であった。調査中、プロトコール逸脱となった患者は3 名であった。プロトコール逸脱の理由は、胃不耐性が強く、経腸栄養継続が困難であると判断されたことであるが、嘔吐件数は0件であった。【考察】胃不耐性によるプロトコール逸脱症例に対してその兆候を早期に発見し、有害事象の発生を未然に防ぐことができた。その他の症例については経腸栄養を継続することができた。これは、プロトコール導入により、経腸栄養管理における安全性の確立と統一された管理が可能となった結果に起因するものと考える。当院は経鼻胃管での栄養管理が行われているが、早期から安全に経腸栄養管理を実施にするために、本プロトコールは有用であることが示唆された。FP-021 経腸栄養プロトコール導入の試み1)社会医療法人友愛会豊見城中央病院看護局、2)社会医療法人友愛会豊見城中央病院栄養科、3)社会医療法人友愛会豊見城中央病院 集中治療室専従医大城 和也1)、臼井 雄一1)、神田 奈麿1)、堀木 香里奈1)、兼久 絵里1)、仲間 敏春1)、山内 芳乃1)、宮城 典子2)、安里 美樹2)、玉城 正弘3)【はじめに】当院、集中治療室(以下ICU)の2014 年度の経腸栄養開始日は、ICU 入室3.3 日後(79.2 時間)であった。経腸栄養管理において看護師が参画・提案することで、より早期経腸栄養が開始できるよう経腸栄養プロトコール(以下プロトコール)の導入を試みた。その結果と課題を報告する【期間】2015年4月から2015年6月対象ICU入室し経腸栄養実施された患者34件【方法】1.プロトコール内容:当ICUで使用されている6つの経腸栄養剤、12 パターン(間欠・持続)作成しプロトコール開始基準と禁忌事項を設定した2.プロトコールの使用件数および経腸栄養開始日の変化【倫理的配慮】本研究以外で調査結果を使用しないことを当院倫理委員会にて承認を得た【結果】1.ICU看護師によるプロトコール提案は14件。プロトコール開始は11件であった2.主治医によりプロトコール提案され開始されたのは4件であった3.プロトコール使用せず経腸栄養開始されたのは20 件であった4.プロトコール導入後、経腸栄養開始日はICU 入室3.3 日後(79.2 時間)と短縮されてない【考察】早期経腸栄養開始に至っていない理由として、プロトコールを提案し開始に至った件数より、プロトコール使用せず経腸栄養開始された件数が多いことから看護師の提案不足が示唆される。また、循環動態が不安定な患者や消化器疾患患者など多岐に渡るため、主治医の治療方針から経腸栄養開始が遅れた要因もあると考える。プロトコールを今後も使用し続けるにあたり、回診やカンファレンス時で主治医の方針を踏まえ、より早期介入できるようプロトコール内容の修正と追加が必要であると考える。【課題】1.患者の特徴を踏まえた栄養剤選択・提案2.経腸栄養開始に伴い主治医の意向も確認しアプローチし続ける3. プロトコール継続できるよう内容の修正と追加を行う4.APACHE2スコアを用いて重症度評価【結語】早期経腸栄養実現のために課題改善と看護師の意識向上が必要である。