ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-751-FP-016 当院HCU における入院時嚥下評価の現状三井記念病院 HCU濱崎 真帆、川名 政実、神戸 智子、柏崎 アン、松本 千香江、福田 幸人【はじめに】当病棟では2015 年3 月より入院患者に対して嚥下に対する自覚症状のアンケートを実施してきた。6月に一次評価をした際に入室患者の8割以上に誤嚥のリスクが高いことが分かった。【目的】今回は、誤嚥予防の働きかけにつなげていきたいと考え、先行研究で掲示されている誤嚥性肺炎の原因になると思われる肺炎・脳疾患・消化管逆流症・食道裂孔ヘルニア、胃切後、胃管・胃瘻造設、認知症・難病などの疾患やデバイスと入院患者の傾向を調査した。【期間・対象】2015/3~2015/8 までのHCU入院患者202名【方法】後追い調査・アンケート調査【結果】入室患者全体での誤嚥ハイリスク群148名、誤嚥なし群54名。現病・既往に誤嚥性肺炎の原因となる上記疾患を有する患者計92名。疾患の内訳(重複あり)肺炎33 件(うち誤嚥性肺炎6 件)、脳血管疾患37件、消化管逆流7件、食道裂孔ヘルニア1件、胃切後5 件、舌手術後1件、パーキンソン病2 件、ALS1件、認知症17件、胃管挿入・胃瘻造設5 件。疾患を有する患者のうち入室時のアンケートより自覚症状ありの患者は81名。嚥下外来依頼件数12名。ST介入3 名。入室4日目経口開始50名。【まとめ】今回誤嚥に注目し自覚症状のアンケートと照らし合わせて検討した際に、誤嚥リスクがある患者のうち約9 割に自覚症状がみられていた。しかし、自覚症状やリスクがある患者の嚥下評価や、ST 介入件数が明らかに少ないことがわかった。【終わりに】誤嚥ハイリスク群の患者が多くいるが、嚥下評価をせずに食事を開始していることがあきらかとなったのでハイリスク患者に対して入室時から嚥下機能評価や嚥下機能を低下させない働きかけが必要である。FP-017 言語聴覚士の早期介入によりICU 抜管患者の経口摂取にもたらす効果医誠会医誠会病院鹿島 秀明、久野 美咲【目的】ICU に入室した抜管患者に言語聴覚士(以下、ST と記載する)へのコンサルテーションがもたらす経口摂取の影響を明らかにする。【対象】2014年3月~2015年3月にICUへ入室した救命救急科の患者で48時間以上の挿管管理された68名【方法】診療録から後方視的にデータ収集を実施して、抜管後にST介入群と未介入群に分けて比較検討をした。【倫理的配慮】当施設基準に基づき行った。【結果】患者属性の性別・年齢・APACHE Score・緊急手術の有無・挿管期間・ICU 入院期間・ICU 退室までの端坐位の有無においての有意差はなかった。ICUでのST介入率は41.2%であった。ST介入群で水分摂取が可能な患者は75.0%で、そのうち経口摂取が可能な患者は61.9%であり、ともにST介入群で有意に高かった(p<0.05)。しかし、ICU退室~退院までの期間には有意差を認めなかった。【考察】抜管患者に対してSTに早期コンサルテーションすることは経口摂取の促進に繋がると示唆された。また、ST未介入では経口摂取が進んでないことから、ICU看護師の嚥下ケアに対する実態を調査して、嚥下ケアを高める必要性があると考えられた。FP-018 国際栄養調査、最下位からの脱却:その取り組みと改善点1)茨城県立中央病院、2)筑波大学附属病院 茨城県地域臨床教育センター鈴木 知絵1)、小沼 華子1)、金澤 悦子1)、星 拓男2)【はじめに】A病院ICU はオープン型で、主治医によって栄養開始時期や内容に大きな差がみられた。そこで、現状を把握するため2013年国際栄養調査(以下INS2013)に参加した。結果は経腸栄養投与開始時期が遅く、また、総カロリーや総タンパク量も少なくアジアでも最下位であった。この結果を受けていくつかの取り組みを行い、2014 年国際栄養調査(以下INS2014)では若干の改善を認めた。今回行った取り組みと改善点、今後の課題について報告する。【方法】INS2013、2014 共にINS の対象に従い、成人患者各20 名を調査した。INS2013の結果判明後CCPG のガイドラインを基に栄養プロトコールを作成した。また、看護師で栄養グループを作り、学習し、スタッフ間の知識の共有を図った。さらに、企業の協力を得たものやプロトコール等の学習会を開催、ICUの回診で、看護師からも排便状況や経腸栄養投与速度などを報告し、主治医・看護師ともに栄養について考えるきっかけをつくるようにした。そしてINS2014に参加し取り組みの成果の確認を行い、再度検討を行った。【結果】INS2013では投与総カロリーは最下位であったがINS2014 では投与量は増加していた。しかし総カロリーや総タンパク投与量は、まだ不十分であった。その一方で経腸栄養が48時間以内に開始される患者が多くなっており、72時間以降投与開始患者は減少した。【結語】経腸栄養開始時期は早まったが、投与量の充足率が低かった。これは増量が緩やかであったこと、栄養プロトコールが十分に認知・活用されていないこと、看護師が主体的に栄養投与を行うだけの知識や技術が十分でないことが考えられた。今後NSTとの連携や栄養プロトコールの改善と認知・活用の推進、看護師の知識・技術の向上を目指した活動が必要と考えられる。