ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-749-FP-010 Rapid response system教育が呼吸数測定頻度に与える影響1)北里大学病院集中治療センター RST・RRT室、2)北里大学病院 診療情報管理室、3)北里大学医学部麻酔科学、4)北里大学医学部附属新世紀医療開発センター森安 恵実1)、大谷 尚也1)、小池 朋孝1)、荒井 康夫2)、黒岩 政之3)、新井 正康4)【はじめに】当院でRapid response system(以下RRS)を導入した2011年時点、病棟スタッフの呼吸数測定に問題があり、不十分または全く測定されていない、SpO2 で代用しているなどの問題があった。この状態は、適切なRRS 起動に支障をきたすと考えられ、以後継続的にRRS 講習会を施行し、その中で呼吸数測定の重要性を強調してきた。【目的】当院で行ってきたRRS 講習会の効果を評価する目的で、本調査を実施した。【方法】調査期間は2012 年4 月から2015 年7 月 (1)年度別RRS 関連講習会の受講延べ人数、(2)在院患者数の月別推移、(3)1回/日以上の呼吸数が記録されている患者数の月別推移を電子カルテから調査した。【結果】講習会受講者数は、2011 年から2014 年まで、それぞれ991名、1990名、1909名、223名であった。(2)と(3)の推移を図に示した。【考察】バイタルサインを正確に測定することはRRS 起動の前提であるまえに、看護師として極めて本質的で重要なスキルである。当院で行った講習会は有効であり、その結果として呼吸数測定頻度の上昇が確認された。FP-011 Rapid Response Systemの起動を阻害する因子の検討1)名古屋市立大学病院 看護部 ICU・PICU・CCU、2)名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔科学・集中治療医学分野寺沢 幸洋1)、兼松 友香理1)、丸谷 幸子1)、伊藤 加代子1)、仙頭 佳起2)、平手 博之2)、祖父江 和哉2)【はじめに】当院では、2013 年に従来の院内蘇生システム・コードブルー(CB)に加え、致死性の急変を未然に防ぐためのRapidResponse System(RRS)を導入した。致死性の急変の6~8 時間前に何らかの徴候があることが分かっており、前兆を見逃さずにRRSが介入することで、致死性の急変を回避できる可能性がある。一方で、RRSの起動件数の伸び悩みが現在の問題である。今回、看護師に焦点をあててRRS 起動を阻害する因子を分析し、定着に向けた課題抽出を試みた。【実施内容】研究1: 2013年度のCBとRRS患者のデータ分析(件数、起動病棟、理由、予後)を行った。研究2:病棟看護師のチームリーダーを対象に、「各病棟でのRRS浸透度と現在の問題点」についてアンケートを実施した。研究3:RRS 起動件数が多かった病棟と、CB要請はあるがRRS 起動が0 件の病棟に対して、インタビューを行った。【結果と考察】研究1より、CBは23件、RRSは12件と、CBの件数が上回っており、RRSの定着が不十分であることが明らかとなった。また、アンケート(研究2)やインタビュー(研究3)の結果から、診療科医師や当直医師のRRSに対する認識不足や抵抗感と、看護師のアセスメント不足がRRS 起動の阻害因子となることが分かった。現在も、病棟看護師との事例評価とフィードバックのための振り返りミーティングや病棟勉強会を行っているが、医師への啓発活動の必要性が明らかとなった。今後RRS定着に向けて、実際のRRS 起動を見据えた、多職種が参加するシミュレーショントレーニング等を検討していきたい。FP-012 神経性食思不振症の治療経過にてRefeeding症候群による高度肝障害をきたした一例昭和大学病院 医学部 救急医学講座田中 俊生、神田 潤、中村 俊介、三宅 康史、有賀 徹【初めに】再栄養症候群は重症化すると肝機能障害、骨髄抑制、電解質異常などを伴い、心不全などにより死亡に至る重篤な病態である。今回我々は、神経性食思不振症の治療過程にてRefeeding症候群による高度肝障害をきたすも救命しえた一例を経験した。【症例】43 歳女性。高度意識障害とショックバイタルにて当院救命センターへ搬送された。既往に10歳からの神経性食思不振症があり、治療は16歳で自己中断されている。身長 158cmに対して、体重は22.8KgでありBMIは9.2。皮下脂肪なく肋骨の輪郭が浮き出て見られ、著明なるい痩を呈していたが、これ以上太りたくないとのBody image の障害を認めていた。当院救命センターに緊急入院とし集中治療を開始とした。治療当初よりRefeeding 症候群の考慮し厳密な栄養管理を行った。しかし食事を隠れて捨てる、点滴をトイレに流すなどの治療協力が得れない状態もあり、低血糖発作を繰り返した。これに対して50%ブドウ糖の静脈投与を繰り返し行った。これによりRefeeding 症候群となり重度の肝障害(AST 3000IU/L 以上 ALT 2000IU/L 以上まで悪化)を呈し、その治療に苦渋した。これに対する栄養管理法やこの予防法について基礎代謝量(Basal Energy Expenditure)や安静時代謝量(Resting Energy Expenditure)などの栄養学的概念を踏まえて文献的考察を加えて検討する。