ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-745-CP70-4 医療機器の安全管理における臨床工学技士(CE)の役割1)岩手医科大学 医学部 救急医学、2)岩手医科大学附属病院 臨床工学部井上 義博1)、泉田 拓也2)、久保田 好光2)<目的>医療機器の安全管理におけるCE の役割について、当院の取り組みを紹介する。<当院CE の現状>当院のCE は平成27年4月現在24 名在籍している。配置部署は本院CE センター、手術部、血液浄化部、救急センター、循環器医療センターCCUおよびICUで、それぞれの部署で医療機器の管理と、医療機器操作を通じて診療の補助を行っている。そのほかに医療機器の安全管理の一端として、医療機器の安全使用とトラブル予防、トラブル発生時の対処を目的とした講習会を開催し、主導的役割を担っている。当院における医療機器の講習会は、1)特定機能病院として特定医療機器の対する年2 回の講習会のほか、2)輸液ポンプ・シリンジポンプの講習会、3)人工呼吸器の危機回避講習会、4)人工換気装置・血液浄化装置の基礎講習会がある。2)は平成25年度で終了したが、3)と4)はそれぞれ年4~6回開催している。いずれもCE が医療機器の説明とトラブルシューティングの解説を行い、3)に関してはシナリオをもとに、トラブルシューティングを行っている。受講者の評価はおおむね良好で、インストラクションがよかったと答えた受講者の割合は2)~4)の講習会でいずれも98%を超えていた。<まとめ>医療機器の安全管理は個々の医療機器の保守点検、トラブルシューティングのほかに、医療スタッフに対する安全管理のための講習も必要であり、CEはその中で主導的役割を担う必要がある。CP70-5 人工呼吸器の定期メンテナンスの課題と検討1)島根大学医学部附属病院 MEセンター、2)島根大学医学部附属病院 心臓血管外科、3)島根大学医学部附属病院 集中治療室新井 篤史1)、中田 早人1)、長谷川 竜馬1)、崎山 貴也1)、藤本 欣史2)、三原 亨3)、串崎 浩行3)、二階 哲朗3)【はじめに】当院では2011年7月に改築移転に伴いMEセンターの立ち上げと院内の医療機器の中央管理化に向けて取り組んできた。その過程において集中治療室で使用する人工呼吸器にも関わることとなり、その保守・点検も行うこととなった。集中治療に配備された同型人工呼吸器EvitaXL(ドレーゲル)13台は1年点検(定期メンテナンス)を計画的に行っていたが、予定機関以内で複数の人工呼吸器で不具合を示した。本院集中治療室における人工呼吸器のメンテナンスに関わる現状を調査し、どのような対応を行ったか報告する。【方法】集中治療室での使用状況把握ために過去2年間の故障状況と稼働時間、酸素センサーの交換頻度を調べ検討した。【結果】当院集中治療室で使用している人工呼吸器の機器異常の内容と期間の集計したところ、ペーシェントヒーター故障7 台、酸素センサーの交換頻度約1 回/9~10か月、稼働時間21000~32000 時間/4年だった。現在、オーバーホールを終了した呼吸器はすべて正常に稼働している。【考察】当院集中治療室の呼吸器年間稼働時間は5000~8000時間と一般的な機器の稼働時間を大きく超えている。メーカー推奨メンテナンス期間1回/年(稼働時間に対しての表記なし)となっており、当院も定期メンテナンスは行っていたが稼働時間が多いため本年4月より人工呼吸器内部の消耗品などを含めた6 年点検(オーバーホール)に変更した。当院では臨床工学技士の集中治療室配置者は2名いるが他の業務もあるため十分なマンパワーではなく入室準備において人工呼吸器の点検後、起動させアイドリング状態で待機している。このことが稼働時間の長時間化を引き起こしているものと考えられた。【結語】当院集中治療部における人工呼吸器の稼働時間および故障状況の調査を行った。人工呼吸器の保守・点検を行う上で稼働時間などによってメンテナンス期間の変更をさせる必要があると考えられた。CP70-6 当院ICUにおけるDVT 予防装置の使用状況の実態と今後の課題1)東海大学医学部付属病院 診療技術部 臨床工学技術科、2)東海大学医学部付属病院 呼吸器内科原田 潤平1)、西原 英輝1)、小森 恵子1)、浦野 哲哉2)【目的】当院では肺血栓塞栓症リスク評価表を用い、必要な症例には医師の指示のもと、IPC(間欠的空気圧迫法) と弾性ストッキングの併用使用及び、どちらかの単独使用を開始している。当院ではIPC装置としてSCD シリーズ(COVIDIEN社)を使用している。SCDの特徴は、患者の下肢にレッグスリーブを巻き、加圧して静脈還流を高める。加圧後に下肢圧迫後血液再充満時間(VRT)を計測、次の加圧を始める前にその時間だけ待機する。VRTは20秒~60秒の間で決定される。今回は、レッグスリーブの巻き方で、VRTが変化し、SCDの機能に影響しているのかを検証した。また、2015年4月からのICU 機器適正使用ラウンド結果をもとに、動作状況を確認。問題点を洗い出し、対応策を検討する。【方法】ICUにおいてSCD使用中の患者のVRTを測定。レッグスリーブを巻き直して再測。初回測定VRT30秒以上と30秒未満の2群に分け、再測値の群間比較を行った。ICUにおけるME機器ラウンドでのSCD適正使用率の月別変化を検証した。【結果】VRT30 秒以上の群はVRTが有意に短縮した(P<0.01)。MEラウンド結果でのSCD適正使用率は4・5・6・7月において53・59・66.5・77%と改善傾向にあった。【結論】VRTが30秒以上である場合はカフの巻き直しによって機器のパフォーマンスが上がることが示唆された。SCD は患者ケアを行う中で、停止しなければならない状況があるが、スイッチの入れ忘れにより作動していない状況があるということが課題である。現場教育によってある程度までは改善できるが、入れ忘れがすぐに患者に影響があるわけではないので、現場の意識は低くなりがちである。機器本体に、操作忘れアラーム機能やVRT を表示し、患者の状態を評価できるような機能を搭載することが望まれる。