ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-744-CP70-1 超低出生体重児において人工呼吸器が換気停止を起こした一例を経験して‐ 当院の人工呼吸器管理と課題‐1)近江八幡市立総合医療センター 医療技術部 臨床工学技士科、2)近江八幡市立総合医療センター 小児科、3)近江八幡市立総合医療センター 循環器内科鈴木 雄也1)、塚本 学1)、吉田 忍2)、立川 弘孝3)新生児呼吸窮迫症候群の為、出生直後から高頻度振動換気(High frequency oscillation : HFO)+深呼吸(Sustained inflation :SI)モードで、NICUで挿管管理していた25週超低出生体重の児に対し、手動SIを行った際に人工呼吸器が換気停止を起こした一例を経験した。使用していた人工呼吸器は、通常であれば手動SI 後には必ず換気が再開する機構が備わっているが、今回は手動SIを行った際に突如換気停止から、バイタルサインが不安定となり一時的に用手換気を行った。CEが連絡を受け到着した際、人工呼吸器はテストラングを付けた状態では換気再開していたが、原因が特定出来ない以上使用を継続できないと即座に判断し他社の人工呼吸器へ乗せ替えを行った。今回はDr・CE・Nsの円滑な連携がとれたため、原因不明の機器のトラブルに対しても迅速に対応出来たと考えられる。その背景としてCEに緊急連絡できる体制が整っている事や、当直体制を導入しているため24時間CEが院内に常駐していることなどが挙げられる。さらに、より安全に人工呼吸管理が行われるために、今後CE の取り組みとしてトラブル対応能力の向上を目的とした医師・看護師合同での勉強会の頻度を増やしたり、人工呼吸器関連の必要物品は所定の位置を決めるなど、院内で統一した認識を確立することによって誰もが迅速に対応出来るようにすることが重要と考える。安全管理の視点からCE が率先的に対策を講ずる事で他職種との連携が強化され、より質の高い医療を提供する事が出来ると考えられる。ポスターCP 70 保守管理・医療安全② 2月14日(日) 9:30~10:30 CPポスター会場CP70-2 ICU における機器ラウンドシステムの導入と今後の課題1)東海大学 医学部 付属病院 臨床工学技術科、2)東海大学医学部付属病院 呼吸器内科西原 英輝1)、小森 恵子1)、浦野 哲哉2)【目的】当院では、ICU での業務の効率化という観点より、日勤帯において臨床工学技士(以下CE)の常駐を行ってきた。今回機器稼動状況の把握や感染対策、機器使用中点検の精度向上を目的に独自の機器ラウンドシステムを作成し評価を行った。【方法】Microsoft 社Access を用いたシステムを作成し、患者情報や使用中機器情報の入力、各機器のチェックリストを組み込んだ。データ入力に関しては、入力ミスを避ける為、バーコード入力を行った。また、システムを使用したCE12 名に対し、1, システムの有用性2, 操作性3, 改善が望まれる点についてアンケート調査を行った。【結果】主な機器の1 日の平均稼働台数は、人工呼吸器:8.12台、輸液ポンプ:25.0台、シリンジポンプ:29.8台、心拍出量モニター:1.39 台であった。ラウンドで発見されたトラブルでは、DVT予防マッサージ器の操作忘れが86.8%と最も多く、心拍出量モニター関連は7.75%、人工呼吸器関連は4.25%であった。CEへのアンケート調査では、全員がシステムの有用性を示した。操作性に関しては、患者ごとの使用一覧があると一目で使用状況がわかるといった表示面での意見が多かった。改善要望としては、電子カルテとの連携等が挙げられた。【考察】ICU では、様々な機器が複数台使用される。看護師は、患者のケアで多忙であり、機器の使用中点検に関しては、細かい箇所まで行うことは難しい。常駐しているCE が独自のシステムでラウンドを行うことで、看護師の業務量を軽減でき、機器使用上のトラブルも早期に発見することができた。当院では、機器の交差感染の可能性を感染対策室より指摘され、患者の使用履歴の取得も求められていた。本システムを用いることで患者が使用していた機器が特定でき、感染がアウトブレイクした際の追跡調査に役立てることができると考えられた。CP70-3 当センターにおける人工呼吸器に関するインシデント分析と今後の対策について1)大阪府立急性期・総合医療センター 臨床工学室、2)大阪府立急性期・総合医療センター 医療安全室上野山 充1)、橘 健太郎1)、伊藤 優実1)、森本 良平1)、佐藤 伸宏1)、菊池 佳峰1)、木田 博太1)、中村 年宏1)、下田 俊文1)、落合 直子2)【目的】当センターにおいても医療機器に関する事故対策を行っているが、インシデント報告数は減少せず、臨床工学技士のラウンド点検により事故に至る前の段階で発見されるケースも多い。特に人工呼吸器に関するインシデントは生命に直接かかわる場合も多く、より厳密な対策が必要と考えられる。そのため、今回当センターで報告されたインシデントレポートを解析し、今後の事故対策を検討した。【方法】平成23年4月から平成26年3月までに報告された医療機器に関連するインシデントレポート228件を対象とし、発生日時、報告者、要因などに関して解析を行った。【結果】全報告数228 件中人工呼吸器に関連する報告は42 件あり、全体の18.4%であった。以降人工呼吸器に関連する42件について解析する。準夜帯深夜帯に発生しているインシデント報告は25件(61.0%)、発生している部署に関しては集中治療部門以外では23 件(54.8%)であった。報告者は看護師によるものが多く39件(92.9%)であった。インシデントレベルは何らかの処置を要したものが7件(16.7%)であった。発生要因に関しては、使用者の単独の要因によるものが35件(83.3%)ともっとも多かった。【結語】当センターにおいては、人工呼吸器に慣れていない部署において、人員の少ない準夜、深夜の勤務帯でのインシデント発生率が高い傾向であった。また、要因に関しても職員の知識不足によるものが多かった。人工呼吸器に関する事故対策として、使用する機会の少ない部署を対象とした教育が必要と考えられる。