ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-738-CP67-1 重症敗血症・敗血症性ショック患者のICU 入室時における心拍数と転帰横浜市立みなと赤十字病院 救命救急センター畠山 淳司、武居 哲洋、永田 功、藤澤 美智子、山田 広之、藤 雅文、鈴木 健人、伊藤 敏孝【背景】重症敗血症・敗血症性ショックにおいて、頻脈は心拍出量増加に寄与する一方で心筋酸素需給バランスを悪化させる可能性があり、その至適心拍数は不明である。【対象と方法】2014年4月から2015 年3月までに重症敗血症・敗血症性ショックの診断で当院ICUに入室した症例を、ICU入室時の心拍数が94/分以下のnon-tachycardia群(NT群)、95-124/分のtachycardia群(T群)、125/分以上のsevere tachycardia群(ST群)に分け、転帰について後ろ向きに検討した。【結果】該当する82症例のうち、術後入室、β遮断薬内服患者などを除外した26症例を解析した。患者数はNT群8例、T群10例、ST群8 例であった。年齢、性別、APACHE2 スコア、基礎疾患などに3 群間で有意差を認めなかった。院内死亡率はNT 群:62.5%、T 群:10%、ST群:62.5%で、3 群間に統計学的有意差を認めた(p=0.03)。ICU死亡率や人工呼吸期間には有意差を認めなかった。【結論】重症敗血症・敗血症性ショック患者において、ICU入室時の心拍数が95-124/ 分の患者は最も死亡率が低かった。95-124/分が重症敗血症・敗血症性ショック患者の指摘心拍数かどうかに関しては、交絡因子を調整したより大規模な検討が必要である。ポスターCP 67 多臓器不全・敗血症③ 2月14日(日) 9:30~10:30 CPポスター会場CP67-2 敗血症性ショック認識初期10 例の容量負荷~経肺熱希釈法による循環管理岸和田徳洲会病院 救命救急センター鍜冶 有登、山田 元大、白坂 渉、鈴木 慧太郎、薬師寺 泰匡、篠崎 正博septic shockと認識してからの循環管理について、特に容量負荷については議論の余地が残されている。当救命救急センターでは、経肺熱希釈法を敗血症性ショックの循環管理に用いており、血液製剤をできるだけ早期から容量負荷目的に投与している。[目的]ショック時循環管理のパラメータとして熱希釈法を用い、血液製剤を積極的に投与する利点を明らかにする。[対象と方法]当院救命救急センターで敗血症性ショックと診断した10例。経肺熱希釈法にはEdwards Lifescience社のEV-1000 システムを用いた。ショック治療に着手してからの総輸液について、2時間以内の組成と輸液量、24時間以内の血液製剤量、経肺熱希釈法で得られたパラメータの推移、動脈血ガス値(乳酸値を含む)、血清アルブミン値についてretrospectiveに調査した。[結果]2時間以内の細胞外液輸液量は、平均918ml(0-2000)であった。24 時間以内の血液製剤は、平均1315g(250-3050)であった。これらの輸液および輸血は、尿量を含むバイタルサインを観察しながら、経肺熱希釈法による体液量分布変化・心機能・血行動態評価を参考にしつつ行った。血管収縮薬はnorepinephrine を用いた。全例ショックを脱し急性期予後は良好であった。動脈血乳酸値は、平均46.1mg/dl から22.5mg/dl に有意に減少した。ヘモグロビンは11.3g/dl から11.0g/dl、アルブミンは2.53g/dl から2.68g/dl と有意な変化はなかった。循環パラメータでは、肺外水分量係数(ELWI)は11.1ml/kgから10.8ml/kgと変化なく、大量の容量負荷にもかかわらず肺うっ血は見られなかった。[結語]容量負荷は血液製剤を主体に行うと、過剰輸液のリスクを減らし敗血症性ショックの急性期予後改善につながる。CP67-3 腹腔内感染症手術後の新規発症AF(心房細動)に対する治療戦略奈良県立医科大学 高度救命センター浅井 英樹、多田 祐介、高野 啓介、川井 廉之、植山 徹、瓜園 泰之、福島 英賢、中村 達也、奥地 一夫【はじめに】心房細動は集中治療室内で最も頻度高い不整脈である。特に腹腔内感染症術後数日以内に頻脈性心房細動となり、時にショック状態を呈することもよく経験する。術後血行動態が不安定な患者が多く、新規AFに対して電気的除細動は敬遠されがちである。当院での新規発症AF に対する治療を後方視的に検討し、当院での治療戦略を明らかにするのが目的である。【対象と方法】2011 年11 月1 日から2014年10月31にまで奈良県立医科大学高度救命センターにて行った緊急手術のうち腹腔内感染症から敗血症を呈し術後集中治療室で管理が必要であった症例が対象である。【結果】内因性疾患により緊急で開腹手術が行われた148例のうち敗血症性ショックにて集中治療管理が必要であった108症例について検討する。術後新規AFを発症した症例は、超短時間作用型β blocker で治療されたのものが3例で、アミオダロンを使用されたのが8 例であった。アミオダロンを投与した8 例の収縮期血圧は平均で80mmHgであり、ショックを呈している場合にはアミオダロンが採用されており、超短時間作用型βブロッカーは使われていなかった。。アミオダロン投与後HR は10 分で140(130-160)/min ⇒ 120(115-136.5)/min p= < 0.0001、また収縮期血圧に関しては、20 分(急速投与後10 分)で80(75-90)mmHg ⇒ 100(80-110)mmHg P=0.0042 と良好にレートコントロールでき、かつ血圧の上昇も認めた。