ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-727-CP61-4 救急集中治療科開設による当院ICU への影響長崎労災病院 救急集中治療科中村 利秋当院は、平成26 年4月に救急集中治療科を開設した救急告示病院である。全病床数350 床に対し、ICU6 床を有し、全病床数に対する割合は約1.7%となる。平成26 年4 月から平成27 年7 月までの診療実績は、ICU収容症例数が746 例で、院内の標榜科すべてに対応している。集中治療内容は、持続鎮静、人工呼吸、敗血症診療、急性血液浄化法、補助循環、低体温療法を施行した。一方、平成26 年度における診療報酬改定に際し、特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度が見直され、A項目3点以上またはB項目3 点以上である患者が9 割以上であることから、A項目3点以上かつB 項目3 点以上である患者が8割以上であることと改定された。それにともない、平成26 年4 月以前のような集中治療専従医不在のままでは、集中治療施設基準維持の困難が予想された。平成26 年度の改定内容にもとづく重症度は、救急集中治療科開設前の平成25年4月から平成26 年3月までの平均74.1%(54.2-85.1%)に対し、救急集中治療科開設後の平成26年4 月から平成27 年3 月までは、平均94.7%(88.0 - 98.8%)であり、施設基準を満たすことができた。結語:集中治療専従医不在では、施設基準維持は困難であったことが推測され、集中治療施設基準維持のためにも集中治療専従医配置は妥当であり、将来集中治療医を目指す者にとっての動機づけともなる。CP61-5 ICU の増床は可能か?―診療報酬面からの検討―新潟市民病院 救命救急・循環器病・脳卒中センター熊谷 謙、三宅 望、窪田 健児、佐藤 由紀、池上 かおり、井ノ上 幸典、広瀬 保夫【背景】当院は救命救急センターを有する地域の基幹病院で、2014 年の救急車受入5150台、手術件数7370 件、病床数676 床のうち救命救急・循環器病・脳卒中センターが50床を占め、特定集中治療室管理料(以下ICU加算)の施設基準を満たす病床がセンター内に16床ある。看護師人員の問題で4 床のみを独立させ特定集中治療室管理料3を算定する病床(以下ICU)とし、残12 床(以下救命ICU)は救命救急入院料3(以下救命加算)を算定している。【目的】ICUを増床した場合の病院経営への影響を調査する【方法】2014年1年間のICUおよび救命ICU入室患者の経路、在室日数等を調査し、ICU増床を仮定して診療報酬の変化を見積もった。【結果】延べ在室日数(各患者の在室日数の合計)はICU1404、救命ICU3468、計4872で16床全体の病床利用率は83.4%であった。予定入室+院内急変は1557あり、うち579は救命ICUに入室していた。仮にICUを8床に増床してその579をICUで吸収すればICU加算で約5400万円の増収となる反面、予定入室+院内急変のみでのICU病床利用率は53.3%となるので全体の利用率から院外からの救急患者が867入る計算となり、救命加算との差額分約440万円の減収で最終的に差し引き5000 万円ほどの増収が見込まれた。ICU増床には看護師増員が必要となり、その人件費増が5000万円以内であれば収支を悪化させずに増床が可能と考えられたが、単年のデータに基づく概算でありさらなる検討が必要である。CP61-6 Open-ICUにおける『多職種チームICU』のすゝめ福岡徳洲会病院 救急・集中治療センター江田 陽一2013 年4 月より、当院ICU は各科主治医およびICU ナースに加え、ICU専属の集中治療専門医1名、ICU 担当薬剤師2 名、ICU 担当臨床工学技士(CE)1名、ICU専従理学療法士(PT)1名、ICU担当管理栄養士1名を配置し、これを『多職種チームICU』として治療に携わっている。運用を開始し約2 年が経過したため、その効果について報告する。ICUにおける早期からのPT介入件数は129単位/ 月程度増加し、結果的に病院全体のリハビリ介入件数も激増した。臨床薬剤師が病態を理解した上で携わることで、薬剤の不適切使用や不要な長期投与を指摘することができた。NST を兼務している管理栄養士によりICU 退室後の継続した栄養管理が可能となった。24時間院内常駐のCE とは別にICU 担当CE を配置することでICUでの医療機器の使用がより迅速になった。多職種のスタッフが増えることでICU 全体の雰囲気が改善した。結果的にICU ナースの離職率を大幅に改善することができた。【まとめ】ICU専属医師の確保が難しく、各科主治医が手術などで忙しくICUを頻回に訪れることができない市中病院のOpen-ICUにおいて、集中治療医をチームリーダーとする『多職種チームICU』は有効に機能すると考えられた。