ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-726-CP61-1 武蔵野赤十字病院救命救急センターにおける初期研修医教育の実態と研修について武蔵野赤十字病院 救命救急センター安達 朋宏、岸原 悠貴、本澤 大志、平山 優、東 秀律、安田 英人、三浪 陽介、原田 尚重、勝見 敦、須崎 紳一郎【背景】当院初期研修では4か月の救命救急センター研修を必修としている。専門医研修以降において直面する重症対応の実態、および当科での教育が与える影響を検証し、将来を見据えた初期研修内容について検討する。【方法】当院初期研修を修了した医学部卒後9年目までの医師にアンケートを行い、救急領域において経験する重症対応計23項目に関して様々な質問を行った。【結果】48名(回収率69%)の回答を検討した結果、どの診療科においてもほぼ全ての医師が意識障害・重症感染症・急性腎不全等重症対応を行っており、その際67.5%の医師が当院救命救急センター初期研修中の経験が役立ったと回答した。一方項目ごとに検討すると、急性心不全や痙攣に対する対応は当科以外での研修にて学んだ者が6割以上であり、特に気道確保に関しても約半数が他科研修にて学んだと回答し、現在行っている研修内容について見直しが必要であることが浮き彫りとなった。【考察】多くの医師が救命救急科初期研修中の経験を基に重症対応を行っていることが明らかとなる一方で不十分である部分も見られている。3 年目以降の重症対応の実態も考慮したフィードバックシステムを用いて研修内容を検証しつつ、不足部分は研修病院全体として他科と協力していく体制を検討する必要がある。ポスターCP 61 教育・専門医・医療経済 2月14日(日) 9:30~10:30 CPポスター会場CP61-2 当館における研修医勉強会の現状と問題点 ~集中治療に興味を持たせるためのシミュレーション教育~1)佐賀県医療センター好生館 総合教育研修センター、2)佐賀県医療センター好生館 救命救急センター、3)佐賀県医療センター好生館 ICU藤田 尚宏1)、平原 健司2)、古賀 美佳3)、三溝 慎次3)当施設は救命救急センターを併設する第3次救急病院であり、救命救急センター24床と院内ICU 8 床を有している。初期臨床研修医は毎年8~11名採用され1 年次は厚生労働省の定めるプログラムに則り救命救急センターで3ヵ月間研修している。この期間以外はICU診療にタッチする機会は少なく、集中治療の醍醐味に触れる経験をすることも少ないと推察される。【目的】当館における研修医勉強会の現状を調査し、救急・集中治療領域のテーマを研修医にどの程度提供できているのかを検証した。【方法】筆者が救命救急センターから総合教育研修センターに移籍し研修医の教育担当専従となった平成26 年4 月から平成27 年8 月までに、開催した研修医勉強会の講義内容を検証するとともに、研修医にアンケート調査し蘇生や集中治療に対する感想や意見を調査した。【結果】研修医勉強会は2 回/ 月の頻度で計36 回開催されていた。このうち何らかの心肺蘇生シミュレーションや集中治療のテーマを取り入れていたのは10 回であった。研修医からのアンケート回収率は27/28。講義ではより実践的な身につく内容のものを提供してほしいとの意見や、講義時間が長すぎるとの意見も散見された。ベルリン分類の紹介、ビデオ喉頭鏡による挿管実習、実例の心電図を用いた不整脈治療シミュレーション、FASTのエコー実習、脳低温療法のビデオ供覧などが役に立ったという意見が多かった。【考察・結語】実習形式にした場合、高機能マネキンを用いた不整脈→急変パターン等の蘇生シミュレーションを提供すると、診断や治療行為に参加できる研修医数が7~8名に限られるため、参加していない研修医には満足感が得られにくい可能性が考えられた。勉強会では講義時間を少なくし実際に診療した症例を題材にしたり、動画や視覚に訴える教材の開発がより必要と思われた。また少人数のハンズオンセミナーを頻回に開催することで、研修医の満足感が高まるものと推察された。CP61-3 救急・集中治療医学に対する名古屋大学医学部付属病院研修医の解析名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野日下 琢雅、松田 直之【はじめに】研修医や医学生に対して,救急医学および集中治療医学領域の專門教育を提供することは,次世代を育成することを含めて,医学界全体の重要課題である。当講座は,徹底的な症例検討会や,診療内容のバンドル化,個々人のカルテ記載とプレゼンテーション,さらに教育フィードバックを通じて,研修医へ体系的な教育を行っている。彼らの意識調査を行うことで,今後の救急・集中治療領域のおける教育課題を検討する。【方法と結果】名古屋大学医学部附属病院の初期研修医23名に対して,27項目の救急・集中治療関連のアンケートを行い,18名が回答した。症例検討会がためになると考える人数は,全体の93.8%を占めた。詳細調査として評価した病態管理において,痙攣は研修医の61.1%が対応に悩む病態であり,88.9% が自分で治療できるようになりたいと返答した。教育に興味を持つ人数は全体の56.7%だった。一方,将来,集中治療専門医を取得したいと考える者は,1人(5.6%)のみだった。研修医が集中治療医を專門としない理由は,集中治療医としての将来設計が明確でないことが関与した。【結論】アンケート結果を基に,研修医や医学生に与える今後の救急・集中治療のあり方を提案する。救急医療における集中治療の専門性育成は,基盤となる救急科領域の集中治療教育のあり方が重要と考えられた。