ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-700-CP48-1 Intrapulmonary Percussive Ventilator(IPV)時の使用回路の違いによる影響三重大学 医学部 臨床工学部加藤 隆史、白前 達大、暮石 陽介、西川 祐策、行光 昌宏、岩田 英城【はじめに】当院では排痰や一時的な高頻度陽圧換気を目的に新生児から成人まで幅広い領域でIPVを使用している。IPV は単独使用回路と呼吸器併用回路の2種類の専用回路がある。呼吸器併用回路は単独使用回路に比べ気道内圧が低い傾向にあるといわれているが、その程度は明確になっていない。また、新生児で使用する気管チューブは成人用よりも細く、チューブの抵抗は高い。細径の気管チューブでは2 種類の回路間での気道内圧力差が観察しやすくなると考え、今回我々は、2 種類の回路の先に細径の気管チューブを接続し、回路の違いによる影響を検討した。【方法】測定方法は両回路の先に気管チューブ(3mm径,15cm長)を装着し、それぞれの気管チューブの先端の圧力をアナライザー(PF-300)にて測定した。人工呼吸器はPB840 を使用し、CPAP モードで行った。測定条件はPEEP:OcmH2O、3 cmH2O の2 通りを単独使用回路はIPV、呼吸器併用回路は呼吸器でそれぞれ設定した。IPVの設定は動作圧を30 psi、吸気時間、吸気流量、頻度はそれぞれダイアル位置を12 時方向とした。検討にはパーカッション施行中のアナライザーに表示される平均圧を使用した。【結果】呼吸器併用回路は単独使用回路と比較して、PEEP:0 cmH2Oでは32%、PEEP:3 cmH2O:50%と低い値を示した。【考察】呼吸器併用回路が単独使用回路に比べ低圧となる原因は、回路より先の抵抗により、圧力が呼吸器回路側に損失した可能性が示唆された。【結論】IPVは治療目的に加え、気管チューブの抵抗を考慮した回路選択することで有効な治療効果が得られると考えられた。ポスターCP 48 気道・呼吸・呼吸管理⑧ 2月13日(土) 15:00~16:00 CPポスター会場CP48-2 ハイエンド人工呼吸器における肺内パーカッションベンチレーターの併用茨城県JA厚生連 土浦協同病院 臨床工学部上岡 将之、中原 毅、井能 秀雄、小橋 和彦【背景と目的】肺内パーカッションベンチレーター(以下IPV)は排痰の促進から無気肺の解消・肺炎等の合併症の予防・ARDS・気道熱傷に効果があると報告されている。IPV 単独使用では人工呼吸器を外すと呼吸管理が難しい患者に対してIPVと人工呼吸器と専用のINL回路を用いた併用稼働が可能である。近年人工呼吸器のモニタリング機能も向上し集中治療領域で使用されるハイエンド人工呼吸器と分類される機種との併用時における影響について検討した。【対象と方法】人工呼吸器Medtronic社製PB980・Drager 社製InfinityV500・ MAQUET 社製ServoU・HAMILTON 社製G5 の4 機種にPERCUSSIONAIRE 社製IPV-C1 を併用し、人工呼吸器をPC ・VC モードSIMV、IPV をFull EASY・12 時方向・Full HARD に切り替えながら人工呼吸器が誤作動を起こさず使用できる条件を検討した。なお、人工呼吸器の設定はPERCUSSIONAIRE社のUSAプロトコールに準処した。また、人工呼吸器のFiO2設定濃度と実際に送られるFiO2との差について比較検討した。【結果と考察】PB980・ServoU以外の機種はPEEP圧上昇などのアラームが鳴り設定によっては安全弁を解放した。PC・VCモードともにUSAプロトコールに準処した使用で問題ないが、一回換気量や分時換気量・圧上限アラームはIPVのワンストロークボリュームを検知しアラーム発生の原因となったためアラーム上限値の変更が必要となる。実測FiO2 濃度は機種により設定FiO2 とは大幅に異なり実際に送られている濃度を考慮する必要性がある。PCモードでのIPV 併用はアラームを鳴らさないよう設定すると分泌物等で気道閉塞を起こした場合人工呼吸器のモニタリング値だけでは気付きにくいため患者観察が重要である。人工呼吸器機種ごとに限界値は異なるがIPVとの併用はモードやアラーム設定に注意して行う必要がある。【結語】IPVとハイエンド人工呼吸器との併用は可能であるが、各機種の構造を理解した上で使用する必要がある。CP48-3 ドレーゲル社製人工呼吸器呼気弁 リユース・ディスポーザブルの比較・検討1)神戸大学 医学部 附属病院 臨床工学部門、2)神戸大学 医学部 附属病院 集中治療部水上 一也1)、北 博志1)、藤田 耕平1)、三住 拓誉2)【目的】ドレーゲル社製人工呼吸器の呼気弁にはリユースおよびディスポーザブルタイプがある。両者の機能面における比較・検討をt 検定を用いて行ったので報告する。【方法】エアウォーター社製の自発肺シミュレーターLUNGOOを用いてバッキングを模擬し、ドレーゲル社製の人工呼吸器V300とSavinaに対応のリユースおよびディスポーザブルの呼気弁をそれぞれ装着して換気を行った。IMI社製のフローアナライザPF-300 を用いて、口元での圧力と流速の経時変化を測定した。一回換気量(以下VT)はバッキングを作ったことにより自動計測で区別ができないため、流速よりリーマン和で算出した。吸気VT[mL]、設定圧+5% までへの回帰に要した時間(以下設定圧回帰時間)[sec]、バッキング時VT[mL]、バッキング時最大流速[L/min]、バッキング時最大圧[cmH2O]に対し、有意水準5%のt検定を用いて平均値を比較した。【結果】得られたデジタル波形では、Savinaにおいてディスポーザブルの呼気弁を使用した場合のみバッキング後の吸気圧が平坦化せず、吸気終末までに設定圧に回帰しない場合が認められた。このため設定圧回帰時間のばらつきが大きくなり、リユースとの乖離が大きくなると思われた。V300 では、波形の形状に特徴的な違いはあまり見られず、呼気弁の違いによる影響は小さいものと思われた。しかしt 検定ではSavina,V300 ともに、5つの測定群のうち4 つにおいて有意差ありとの結果になった。【考察】t検定において有意差ありとの結果になったが、その差異は一般に同じ治療条件における人工呼吸器の機種間で生じる差異より明らかに小さいものであったため、臨床的意義があるという程ではないと考えられる。【結論】リユースとディスポーザブルの人工呼吸器呼気弁の選定において、機能面における影響は小さいと考えられる。