ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-696-CP46-1 当院におけるPNS の取り組み姫路赤十字病院 集中治療部深山 美紀、今川 真理子、藤川 優紀、浦里 恵司はじめに 2013年4月に8床から10床に増床あり、新人看護師4名、異動者8名、という大幅な増員があった。特に、異動者は困った時に相談する相手が明確でないことに悩んでいた。また当時は、重症患者を1人で受け持つことに必死で応援体制も乏しく、効果的に時間管理も出来ていない現状があった。そこで、安全に看護を提供し質保証することを目的に、PNSを導入することにした。取り組み 2013年7月から日勤帯のペアで患者を受け持つことを決定し、2014年6月PNSの研修に参加した。2014年9月にPNSについてスタッフへ勉強会を実施。2014年10月から定時ミーティングを取り入れた日勤のスケジュールを組んだ。2015年4月から年間パートナー制を開始。結果 病床稼働率2013 年11月~2月は78.6%に対し、2014年11月~2月は81.9%と上昇していたが、1人当たりの平均超過勤務は、8.3時間から6.1時間に減少していた。同期間のインシデント件数は、53件から36件に減少した。PNSを導入したことにより、スタッフからは「コミュニケーションが増えた」「指導しやすくなった」という意見と、「負担が多い」という意見であった。2015年4月より、経験の浅いスタッフの報告漏れ、相談遅れが目立つようになった。考察 超過勤務の減少は、部署全体の時間管理や残務量の調整が出来たからだと考える。インシデントの減少はチェック機能が働いたからだと考える。看護実践を、ペアで行う際に後輩が先輩に頼り過ぎてしまうことがあり、先輩の負担が増えることで、対等であるパートナーシップ・マインドが十分に形成出来ていないことが明らかになった。また、経験の浅いスタッフはペアになることで、報告・連絡・相談を行うという、責任を果たす行動をとる機会が減り、その育成が促進されにくいことが明らかになった。ポスターCP 46 看護管理・その他 2月13日(土) 15:00~16:00 CPポスター会場CP46-2 全員参加のPNS ~導入と継続の工夫~社会福祉法人 三井記念病院中村 ゆかり、小関 恵子、菅原 彩子、高 なぎさ、神田 結季、吉田 美帆、松本 千香江、福田 幸人【目的】パートナーシップ・ナーシング・システム(以下PNS)は看護師同士が補完し合う事で看護改善ができると多くのポジティブな成果が報告されているが、ネガティブな意見やうまく機能していないなどの意見もある。A病院HCUでも、安全の確保、体験知の伝授、看護の楽しさを学ぶ・知る・感じる事を目的にPNS 導入を検討したが好意的な意見がある一方、PNS 導入に不安や不満があった。そこで、どのようにPNS を導入・実施・継続させて行くのが良いかを検討した。【方法】A 病院HCU看護師を対象に1、仕事に関す調査(UWES)2、精神的健康尺度(GHQ12項目版)3、職場用ソーシャル・サポート尺度4、PNSに対しての4つのカテゴリー全48 項目の質問紙調査を実施。回答方法は各カテゴリーで段階形式とし各調査時期で比較した。調査時期はPNS導入3ヶ月前、導入直前、導入5ヶ月後とした。【倫理的配慮】この研究は当院の倫理委員会で承認を得た。【結果】質問紙調査回収率各回100% 。看護師人数32名、経験年数1~26年、平均経験年数6.2(SD±5.1)。1、仕事に関する調査54点中:29、29、29 (3ヶ月前・直前・5ヶ月後以下同じ) 2、精神的健康尺度4 点以上の人数:8、7、7 3、職場用ソーシャル・サポート尺度75 点中:61、63、61 4、PNSは各項目を4点満点とし「実施への不安」3.2、3.1、2.2「マインドの理解」2.7、2.9、3.1「時間外業務減少への期待」2.6、2.6、3.2「働きやすい環境」は2.6、2.7、3.2となった。【考察】質問紙調査結果からPNS導入以前から職場の人間関係やサポート状況は悪くない事がわかった。それでも看護体制の変革には不安や不満が生じていた。解決策として、実践を共同するスタッフ全員で問題解決や意思決定に取り組んだことで、スタッフ全員が看護体制の変革に参加意識を持つことにつながり抵抗や不安の軽減になり、スムーズに導入できたと思われる。CP46-3 外科系集中治療病棟開設における看護師のストレス現状調査久留米大学病院 SICU大石 展子、藤田 尚子、竹本 由紀、木村 美沙、吉川 朱実、郷田 佐代子、林 ゆかり【目的】A病院では外科系集中治療病棟が開設され、看護師は年代を問わず様々な病棟から配置された。配置転換は職場の物理的移動を意味するにとどまらず、新しい人間関係の形成や知識の獲得、未経験の業務、期待される能力の変化に対して役割ストレスや役割緊張を生じ、心身のエネルギーの多大な消耗を伴うと述べられている。そこで、本研究で外科系集中治療病棟開設での看護師が抱えるストレスの実態を明らかにする。【方法】研究期間:平成27年1月~3月調査対象:A病棟看護師66名分析方法:看護師のストレスを測定する目的で開発されたNursing stress scale日本語版(以下NSS-J と略す)は単純集計、平均点を求め、独自の質問用紙を用いたアンケート結果はJUMPを用いT検定を実施。【成績】看護師全体のNSS-J総得点の平均は40.98点でストレスを認識している程度は平均的であった。自由記載で不安が軽減された理由として、同部署からの異動が多かった、開設前の勉強会参加、外科経験がある等があった。外科経験の有無と総得点で有意差があり、カテゴリー別には「不適切な処置」「医師との葛藤」「サポート不足」で有意差がみられた。また、自由記載では、外科未経験者のストレス要因として「周手術期看護の未経験」「処置の不安」「医師との関わり」が多かった。【結論】NSS-Jで平均的となった理由として、外科での経験や事前の勉強会、同部署の看護師の存在などが不安の軽減に繋がったと考える。また、外科未経験者は、周手術期看護の経験がないことに加え、処置が多岐に渡ること、医師とのコミュニケーション困難等がストレスが高くなる要因と考える。今回の研究では新病棟開設におけるストレスを感じている看護師は少なく、外科経験の有無によってストレスに差が生じていた。今後、定期異動で来る看護師に対してそのストレスを改善し、よりよい職場環境を作ることが課題である。