ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-684-CP40-1 地域中核病院おけるICU リハビリテーションチームの取り組み~早期リハビリテーション介入を目指して~1)杉田玄白記念公立小浜病院 リハビリテーション科、2)杉田玄白記念公立小浜病院 救命救急センター、3)杉田玄白記念公立小浜病院 看護部松井 文昭1)、平田 伸介1)、西本 直紀1)、澤田 真男1)、坂本 将悟1)、原田 美穂1)、東 裕之2)、前田 裕和2)、宮腰 由美子3)、秋山 由佳3)【目的】当院は地域密着型・地域完結型の医療を目指した一般,療養,精神の病棟を有する456 床の地域中核病院である.以前はICUからリハビリを開始する症例は少なく,ICUから積極的なリハビリが行われていなかった.そこで2015 年6 月よりICU リハビリテーションチーム(リハチーム)を発足し,ADL 改善や早期自宅退院を目的に早期リハビリテーション(早期リハ)を実践している.今回,その取り組みとともに今後の課題について報告する.【活動内容】ICU 病床は8床で初期救急から3次救急まで受け入れている(open ICU).リハチームはDr 以外にNs13 名,PT2 名,OT2 名,ST1 名で構成されており,リハスタッフはICU,一般病棟、外来リハを兼務している.リハチーム発足後,2ヶ月間の活動内容は(1)医局会での説明,(2)毎朝のラウンド実施,(3)リハ介入,(4)月2回の委員会開催であった.(1)ではリハ処方とリハ介入時の同伴協力を,(2)では患者の全身状態やリハ内容の申し送りを,(3)ではリハ処方日より多職種共同でリハ介入(休日の場合は休日明けより実施)を,(4)では業務改善の意見交換を行った.【活動実績】リハチーム発足後2ヶ月間と1年前の同時期の活動実績の月平均値(発足前・発足後)はICU入室者全体:47.5 例・54.5 例,ICU 在室日数:3.7 日・3.4 日,平均年齢:71.9 歳・72.9 歳,リハ処方数:9 例(18.9%)・29.5 例(54.1%),ICU 入室からリハ処方までの日数:2.3日・1.6日であった.【考察】チーム医療において最も重要なことは顔のみえる関係づくりと考える.リハチーム発足後,コミュニケーションをとる機会が飛躍的に増え,顔の見える関係を構築できたことが早期リハ推進につながったと考える.今後の課題として限られたマンパワーの中での効果的なリハの実践や一般病棟との連携強化などが考えられた.ポスターCP 40 早期離床・リハビリテーション② 2月13日(土) 9:30~10:30 CPポスター会場CP40-2 救命救急センターで実践する早期離床マネジメントの現状日本大学医学部附属板橋病院 リハビリテーション科守屋 正道当院救命救急センターは,東京消防庁により選定された年間2000 症例以上の3 次救急患者を中心に救命救急医療・集中治療を行っている.当センターは,医師・看護師・理学療法士・薬剤師・臨床工学技士・管理栄養士が毎朝回診を行い,治療方針を決定している.緊急度ならびに重症度の高い集中治療領域においても早期リハビリテーションの必要性は高い.その中でも『早期離床』は,退院時のADLおよびQOLを改善,ICU在室日数を減少,せん妄の期間を短縮し,人工呼吸器の装着期間を短縮することが報告されている.当センターのポイントは,医師からの依頼・処方を待つだけなく,理学療法士や看護師がリハビリテーションを必要とする潜在患者を把握し,回診時に離床の許可を上申し早急に介入することである.2015年よりセンター専門の理学療法士が配置され,多職種共同での早期離床マネジメントを開始した.その結果,脳卒中患者は入院日より,人工呼吸器装着患者や高齢者も同様に早期より離床を推進することが可能となった.実際の臨床において段階的な離床は,適切な介助量を設定することで運動負荷量のコントロールに繋がる.理学療法士が軸となり医師・看護師と十分なディスカッションを行い,単純に「起こす」ではなく,離床を治療へと応用し展開することに努めている.多職種が相互理解のもとに連携して早期離床を推進するためのマネジメントについて,効果と問題点を考察する.CP40-3 当院におけるV-V ECMO症例の理学療法実施状況1)公立陶生病院 中央リハビリテーション部、2)公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科、3)公立陶生病院 臨床工学部、4)公立陶生病院 集中治療部、5)筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター総合病院水戸協同病院平澤 純1)、横山 俊樹2)、小川 智也1)、長江 優介1)、小山 昌利3)、川瀬 正樹4)、長谷川 隆一5)【背景】集中治療領域ではモビライゼーションを含む理学療法の有効性が報告されている.近年,海外においてはV-V ECMO症例においても理学療法の実施可能性や有効性に関して報告され,覚醒下での歩行練習なども行われている.しかし,本邦でのV-VECMOにおける理学療法の報告は症例報告が散見される程度である.【目的】当院におけるV-V ECMO症例の理学療法実施状況やモビライゼーション中断,理学療法中止を要する理由を調査すること.【対象および方法】対象は2010 年3 月から2015 年3 月までの間に当院にてV-V ECMO管理された10例のうち,理学療法が行われた8例(ARDS 6名,間質性肺炎2名).カルテより後方視的に理学療法開始までの期間,実施内容,モビライゼーション中断・理学療法中止理由を調査した.【結果】V-V ECMO開始から理学療法開始までの期間は3.6 ±2.1 日.理学療法実施内容は四肢筋トレーニングが8 例,排痰介助が3 例,完全側臥位が2 例,吸気筋トレーニングが1 例,下肢電気刺激が1 例施行し,モビライゼーション実施状況はBed UP 30-50度が7 例,Tilt table 45-60度が3例,立位が2例であった.V-V ECMO管理中のモビライゼーションの実施を中断した症例は4例あり,中断理由は肺出血1例,気管切開部出血1例,後腹膜下出血1例,回路内血栓1例,気胸1例(重複症例あり)であった.理学療法中止となった症例は6例であり肺出血1 例,気胸1 例,全身状態悪化に伴うターミナルケアへの移行が4 例であった.モビライゼーション実施中の出血などの合併症はなかった.【まとめ】V-V ECMO症例のモビライゼーションは立位まで実施可能な症例もみられた.しかし,出血などの合併症を理由に中断を余儀なくされる症例もみられた.合併症と理学療法施行の因果関係は不明であるが,理学療法施行時には全身状態の変化の把握が重要となる.そのため多職種による協業と情報交換が極めて重要と考える.