ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-674-CP35-1 口腔ケアキットQ-Care導入前後のVAP発生状況の比較~今後の取り組みへ向けて~神戸市立医療センター中央市民病院里路 光太郎、森田 幸子、立川 敬子、高林 祥子、長谷川 ユリ、畦田 彩、福澤 史香、永石 かずみ【目的】当院ICU のVAP 発生減少を目指し、平成26 年4月より包括的口腔ケアプログラム:Q-Careキット(以下Qケア)を導入した。その結果を受け、Q ケアキット導入前後(平成25年4月~平成26年3月、平成26年4月~平成27年3月)のVAP発生状況を比較し、VAP発生数低下に向けて今後の介入点を明確にすることが本研究の目的である。【対象】平成25年4月~平成26年3月、平成26年4月~平成27年3月VAP発症患者 【方法】それぞれのVAP 発症患者について、患者基本情報(年齢、疾患、既往、緊急or定期入室、APCHE2 スコア)、口腔ケア状況の詳細(平均口腔ケア回数、歯科衛生士介入の有無)、人工呼吸器装着期間、VAPバンドル遵守率(ヘッドアップ、日中鎮静剤中断、消化管潰瘍予防、DVT予防)を調査した。【倫理的配慮】当院看護部の承認を得た。【結果】Q ケア導入前後におけるVAP 発生率、年齢、人工呼吸器装着期間、VAP 発生期間、APACHE2 スコア、口腔ケア状況に有意差は認められなかった。VAPバンドルの中でもヘッドアップ遵守率は前後とも40%程度であった。平均APACHE2スコアは前後共に28であった。Qケア導入前のVAP発生症例のうち緊急入室患者は10 件中8件、Q ケア導入後のVAP発症症例のうち緊急入室患者は8 件中6 件であった。【考察】VAP発生率に有意差が認められなかった理由としては、口腔ケアに関する要因として全患者に入室時からQケアを導入できておらず導入時期にばらつきが見られたこと、使用手技の統一が徹底されておらず効果的に実施できなかった可能性が考えられる。また、対象者の多くが緊急入室患者で、効果的な口腔ケアが実施できない状態にあったこと、重症患者が多く、環動態が不安定であったため効果的なヘッドアップ実施が困難であったことが考えられる。今回の研究ではサンプル数が少なかったため、今後も継続した調査が必要であると考えられた。ポスターCP 35 気道・呼吸・呼吸管理⑥ 2月13日(土) 9:30~10:30 CPポスター会場CP35-2 自動カフ圧計導入について~RSTにおけるカフ管理の取り組み~健和会 大手町病院 看護部 ICU古賀 明洋、上野 亜沙美、梅崎 望序論:昨年度より、挿管管理中の人工呼吸器装着患者に対して自動カフ圧計を導入している。導入後はカフ圧管理の習慣化がなく、スタッフの確認や認識の調査が必要であると考えた。また感染面において自動カフ圧計がVAPの発生率減少に推奨されていると言われているために、合わせて推奨に値するかを検討する必要があると考えた。研究方法:対象者…集中治療室の看護スタッフ及び挿管、気切管理を行う人工呼吸器装着患者。期間…2015年5月~7月。自動カフ圧計を使用する期間;A期間。手動カフ圧計のみ使用する期間;B期間。看護師には質問用紙配布。上記期間で得られたVAP 発生率。結果:自動カフ圧計導入後、導入前と比べてカフ圧管理が容易になったスタッフは95%。カフ圧のチェックを行うタイミングは「2時間毎行っている」が、自動カフ圧計では22人、手動カフ圧計では7 人となった以外は両カフ圧計で有意な差は認められなかった。手動カフ圧計でのカフ圧管理中、圧が抜けていたことがあったのは74%。人工呼吸器装着患者以外でも自動カフ圧計を使用したいと答えたのは95%であった。VAPの発生率はA期間が17.5%でありB 期間は25.8%であった。考察:手動カフ圧計では、圧変化によりカフ圧が規定量より抜けていることが大半であり、VAPの発生率を見ると、分泌物の垂れ込みを来していたことがあると考えられる。結論:自動カフ圧計はVAPの予防に貢献でき、安定して持続的かつ容易に管理が行え、スタッフの業務軽減にも繋がる。全管理の面ではチェック機構の構築が必要である。安全管理が確実に行うことができれば、今後は人工呼吸器装着患者に限らず、カフ圧管理が必要な患者への使用を推奨していきたい。CP35-3 Sun Med社製カフセントリーの使用経験1)名古屋掖済会病院 救命救急室、2)名古屋掖済会病院 臨床工学部牧野 高明1)、田中 誠子1)、山内 ゆり1)、高橋 幸子2)【背景】 トランスデューサを使い、気管内チューブのカフ圧を持続モニタリングしカフ圧の日内変動を調査した。その結果、原因不明のカフ圧低下や急激なカフ圧変動を経験した。そこで今回、自動でカフ圧一定に管理できるカフセントリーを使用する機会を得たので報告する。【目的】Sun Med社製カフセントリーを使用して実態を把握する。【期間】平成27年7月22日から8月31日【方法】カフセントリーのパイロットバルーン接続口を三方活栓に介して、トランスデューサ側のチューブとカフ側の注入弁の間に接続する。カフ圧を一定に保つための酸素1l/min の供給を開始し、カフ圧を常時トランスデューサでモニタリングする。カフセントリーの設定は圧力計30cmH2O で、トランスデューサは2mmHg とした。この方法を用い2 症例について日常の看護介入をしながらカフ圧の日内変動を観察した。【結果】自発呼吸のない患者では一ヶ月以上圧変動は観察されず、カフ圧計を使った確認でも圧力低下は認められなかった。自発呼吸のある患者では5 日目で原因不明の急激な低下を示した。【考察】一ヶ月観察した結果、カフセントリーを使用することで、看護師のケア介入等による外因的要因があっても24時間一定のカフ圧が保障され、有用であったと考えられる。しかし自発呼吸や体動による気管内チューブ位置の変化など、内的要因が多い患者では原因不明のカフ圧低下がみられるため、今後原因の検索とその予防について考察していく必要がある。【結語】 カフセントリーの使用はカフ圧を一定に保ち、カフ圧チェックの回数を減少させるが、カフ圧を経時的に観察する必要がある。