ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-667-CP31-4 独立型救命センターにおける非人工呼吸器装着患者に対するRST 介入の実態1)兵庫県災害医療センター 看護部、2)兵庫県災害医療センター 救急部川口 未次1)、井上 明彦2)、菊田 正太2)、上山 淳史1)、勝木 亮介2)、大西 毅1)、足立 久美子1)【背景】当センターは独立型救命センターで、病床数は30床、外因性が約5割の病院である。RSTは2013年度から活動を開始しており、人工呼吸器装着患者のみならず、非人工呼吸器装着患者にも介入しており、いずれも病棟カンファレンスで受け持ち看護師の意見でRST対象患者を決定している。非人工呼吸器装着患者でも呼吸トラブルになることがあり、その対応に難渋することがあるためである。そこで今回、RST 介入症例のうち非人工呼吸器装着患者に着目した。【目的】当センターでのRST介入した非人工呼吸器装着患者の実態を明らかにすることで、早期に予防、治療や看護介入につながると考え、本研究を計画した。【方法】2013年4 月~2015年7 月に、RST介入した非人工呼吸器装着患者を対象に、患者背景、介入理由、介入内容についてカルテとRST回診用紙を用いて、後方視的に調査した。【結果】全RST対象者は86名であった。このうち非人工呼吸器装着患者は17名(20%)であった。外因性は16 名と多くを占め、主な損傷の内訳は、頸髄損傷7 名、頭部外傷2 名、肋骨骨折4 名、熱傷1 名、骨盤骨折2 名であった。内因性は1名で脳梗塞であった。介入理由としては無気肺の悪化予防、排痰援助の方法、体位ドレナージ、看護師側で対応可能なリハビリテーションの方法を知りたいなどであった。介入内容は、体位ドレナージや早期離床訓練が主で、RTX、カフアシスト、NIPPV を用いての無気肺予防を提案していた。【結論】非人工呼吸器装着患者は全RST 介入の20%を占めた。当センター特有である外因性がほとんどであり、主な問題として脊髄損傷と肋骨骨折の無気肺と排痰困難が多かった。当センターのRST介入方法は、看護師側主導であり、介入理由は主に看護師の困っていることを反映している。このため、本研究をもとに看護師への情報提供・勉強会の開催が必要であると考えられた。CP31-5 人工呼吸器離脱困難症例への他職種協働による呼吸リハビリテーション日本医科大学武蔵小杉病院月岡 悦子、山口 貴子【はじめに】他職種協働の重要性について多くの研究が発表されており、認定看護師がチーム医療の中で活動する報告が散見されているが、各々の専門職の役割については明確にされていない。今回、重症呼吸不全から人工呼吸器離脱が困難となった患者が病棟に転室となり、RSTが中心となって呼吸リハビリテーションを実施した。A 病院における集中ケア認定看護師はRSTの一員でもあり、病棟看護師でもある。人工呼吸器離脱困難患者の人工呼吸器離脱を支援するなかで各職種の役割を明確にすることができたため報告する。【事例紹介】患者はA氏60代男性。肺癌と診断され手術目的で入院となった。VATS 施行となったが、肺瘻による皮下気腫が増大したため、ブラッドパッチ術を施行するも効果なく、MRSAを伴う膿胸を合併したため、醸膿胸膜切除術を施行、呼吸管理のためICUに入室となった。第29病日より理学療法士(PT)の介入を開始、ベッド上での関節可動域訓練、ベッドアップを中心にリハビリが進められ、第34病日目に一般病棟へ転室となった。【結果】他職種の役割について、医師は呼吸器設定の変更、栄養の内容、投与方法、リハビリ継続の是非について指示を実行していた。MEは人工呼吸器の手配、歩行時の安全対策を実行していた。PTはリハビリ内容の提案、中止基準の遵守について実行し、管理栄養士はリハビリを実施する患者の栄養管理、投与方法について提案しており、集中ケア認定看護師は、他職種間のコーディネート、病棟看護師指導について実行していた。【考察】それぞれの専門性を効果的に発揮するためには看護師のマネジメント能力に委託するところが大きいと言われているように、それぞれが専門的な介入をしても、統括なしに効果は発揮されない。看護師は患者に関わる他職種をコーディネートし、患者に統一したよりよい医療が提供できるよう調整することが重要であった。CP31-6 呼吸ケアに関する「看護支援体制表」の運用後の現状と課題~一般病棟における安全な呼吸ケアを目指して~東京女子医科大学病院 看護部相園 晴子、小林 邦子、嶋田 正子、守谷 千明、古川 智美、小泉 雅子【はじめに】平成26年度の診療報酬改定ならびにICU 運営の改正に伴い, 一般病棟における人工呼吸器管理・呼吸ケア看護に関する支援が急務となった.そこで一般病棟を対象に, 呼吸ケアサポートチーム(以下RST)に属する看護師の1ヶ月ごとの夜勤帯を含む勤務体制を記載した「看護支援体制表(以下体制表)」の運用を開始した【目的】 看護相談内容の分析に基づき, 体制表を運用した後の現状と課題を明らかにする【方法】運用開始5ヶ月間における看護相談の合計115件を量的に分析した.集約したデータは倫理的に配慮し,所属施設の承認を得た【結果・考察】平成27年2月1 日~6月30日までの相談件数は115 件であり,前年の同期間における29件と比較し3.97倍増であった.依頼者は「担当看護師」が61%であり,依頼の時間帯は「夜勤帯」「時間外での対応」が61%を占めた.相談内容の種類は「患者ケアに関する相談(73%)」,次いで「人工呼吸器トラブル(10%)」「医行為に相当する相談(7%)」であった. 相談時の患者状況は「ICU から病棟へ転出した人工呼吸器(NPPVを含む)装着中の患者(54%)」「病棟で呼吸状態が悪化した患者およびDNAR の患者(22%)」であった. 体制表の運用開始後における相談件数の増加より,一般病棟における人工呼吸器管理・呼吸ケア看護に対するニーズの高まりが明らかになった.一方,介入を通じて明らかになった課題はRST看護師不在時の支援体制や関連ICUとRST看護師の「役割分担に関する混乱」「医行為に関する困惑」などであった. 体制表の改訂と運用方法の周知, およびRST 看護師の役割の明確化を図ったが, 他部門との連携・調整を強化する必要がある. さらに, 一般病棟における呼吸ケア関連のアクシデント発生の分析,病棟看護師の満足度調査などを含めた多角的なフォローアップも重要である. これらの取り組みを継続的に評価することで, 一般病棟における安全な呼吸ケアにつながることが示唆された