ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-636-CP16-1 看護師による電気的除細動使用制度(DCナース)の有用性と問題点の抽出日本赤十字社 前橋赤十字病院 ICU阿部 絵美、今井 澄子当院では2009年6 月より致死的不整脈が頻発する患者に対して早期除細動が実施できるよう、訓練を受けた看護師による除細動使用を実施している。実際に患者へ除細動を実施した際にはDC 施行報告書への記載を義務づけており、2009 年6 月の設立から2年間で9 件の報告書があった。その9 件全例において早期除細動により致死的不整脈が解除され、患者の生命が救われている。しかし、実際DCを実施した看護師の心理背景や技術の評価、また、報告書からは検討できない致死的不整脈以外の心電図波形に対する除細動の誤実施などの確認は実施できていない。さらに、致死的不整脈が出現する可能性のある患者が入院している病棟看護師全員がDCナースの資格を取得しておらず、よって早期除細動が必要であったにも関わらず資格を得た看護師が勤務外であったことによる除細動の遅延がなかったかの確認も実施されていない。そこで今回、致死的不整脈に遭遇する可能性の高い病棟の看護師に自作の質問紙を用い、アンケート調査を実施し、DC ナースの有用性および問題点を抽出することで、より有益なDC ナース制度の確立のための課題を検討したので報告する。ポスターCP 16 医療安全 2月12日(金) 15:00~16:00 CPポスター会場CP16-2 一次救命処置(BLS)研修の教育介入後の評価広島大学病院 外科系集中治療室八木 恵子、岡本 ひとみ、山崎 大輔、林 裕子【はじめに】一次救命処置(BLS)は重要な技術であるが、その維持は容易ではない。技術を維持させる方法の一つに「他者への指導」がある。今回、BLSで「他者への指導」を組み込んだ研修を行い、その効果を検討した。【方法】対象者は看護師13 名で、「他者への指導」を行った看護師(A群:6名)と受講のみの看護師(B群:7名)に群分けした。両群ともBLS 研修を受講し、A群は受講1週間後に指導者としてBLS未受講の看護師(他者)へBLS指導を行った。両群でBLS研修時と1 か月後、3か月後にBLS 技術を評価した。評価項目はアメリカ心臓協会のBLS ガイドライン2010 に沿った項目(14項目に分割:1. 反応と呼吸の有無、2. 緊急連絡システムの起動、3. 脈拍チェック、胸骨圧迫(4. 位置、5. テンポ、6. 深さ、7. 戻り、8. 最小限の中断)、AED(9.使用確認、10. 電源、11. 解析中に離れる指示、12.ショック時に離れる指示、13. ショック後の胸骨圧迫)、14.人工呼吸)を使用し、その可否を点数化し総点数(14 点満点)と各項目の点数を群内と群間で比較した。統計学的検討は、Mann-Whitney U 検定、Kruskal-Wallis検定、多重比較はDunn 検定を用い、p< 0.05を有意差ありとした。【結果】数値は中央値(範囲)で表記した。A群とB群の研修時、1か月後、3か月後の総点数は、各々、12.5(10-13)、13.5(12-14)、12.0(10-13)と11.0(7-13)、12.0(9-14)、11.0(9-14)であった。A群内では、1か月後の総点数が研修時と3か月後より有意に高く、B 群内には有意差はなかった。群間では、1か月後でA群がB 群よりも有意に総点数が高かった。【考察・結論】人へ教える事で記憶が定着するといわれている様に「他者への指導」を組み込んだBLS 研修では、1 か月間は技術の定着に有効な可能性が示唆された。しかし、3 か月後には指導前と同等の結果となっており、1 回の「他者への指導」では長期間の維持は困難であった。CP16-3 RST リンクナースの活動報告~インシデント事例の検討と課題への取り組み~1)神戸市立医療センター中央市民病院 看護部、2)神戸市立医療センター中央市民病院 臨床工学技術部、3)神戸市立医療センター中央市民病院 呼吸器内科池田 理沙1)、大坪 麗1)、上田 篤史1)、花岡 正志2)、吉田 哲也2)、飯塚 瑞恵1)、伊藤 聡子1)、柴田 美由紀1)、永田 一真3)当院呼吸ケアサポートチーム(RST)は、呼吸器内科医を中心に看護師(専門看護師、認定看護師、呼吸療法認定士)、理学療法士、臨床工学技士(CE)で構成されている。活動内容は、週1回の回診、呼吸ケアや人工呼吸器に関するマニュアル作成と修正、インシデント事案分析と対策立案・周知徹底、安全管理を含めた呼吸ケアに関する知識や技術普及のための勉強会の企画・開催などである。また、上記の看護師メンバーをRSTコアスタッフとし、各部署に1~2名のリンクナースの配置をし、定期的にリンクナース会を行い、各部署との情報交換や質の向上のための知識提供等を行いコアチームとの連携を密に行おうと試みている。しかし、個々のリンクナースの活動内容やモチベーションは様々であり、RSTコアスタッフとしてどのようにリンクナースの活動を支援し、有効に活用できるか課題となっている現状がある。当院では、ICUまたはHCUに人工呼吸器患者を主に集約させ、慢性的な呼吸器使用の患者のみ一般病棟でも管理する体制をとっている。そして、人工呼吸器が適正使用されているか毎日CE がラウンドを行い確認している。そのような体制のなか、ICUにて人工呼吸器回路に関するインシデントが発生した。原因として、「呼吸器回路に関する知識不足」「患者のICU内での部屋移動」「CE、NS間でのチェック項目・機構の相違」が挙げられた。その事象に対し、リンクナースが中心となり部署の問題解析や業務改善に取り組むことができた。その結果、関わったリンクナースから、実際の自身の活動についての方向性とモチベーションのアップに繋がったという前向きな意見が聞けた。今回のリンクナースの取り組みの実際と、コアチームとして介入したことをここに報告する。そして、今後リンクナースが院内で有益に活動するためにはどのようにコアチームとして働きかけることができるのかを考えていきたい。