ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-624-CP10-1 大動脈内バルーンパンピングカテーテルの屈曲による動作不良を経験した1 例三重大学医学部附属病院 臨床工学部白前 達大、行光 昌宏、暮石 陽介、西川 祐策、加藤 隆史、岩田 英城【はじめに】大動脈バルーンパンピング(IABP)を透視下にて導入した翌日にバルーンパンピング用バルーンカテーテル(IABC)の屈曲を認めたにも関わらず、アラームが作動しなかった事例を経験したので報告する。【症例】60 歳代男性、左主幹部を含む3 枝病変に対し冠動脈バイパス術施行後、血行動態が安定せずIABP が導入された。翌日、冠動脈造影施行時にIABCの屈曲を確認した。導入から屈曲の発見までの間にガスリークアラームが1 度作動したが、駆動チューブの確認を行った後、リスタートにて改善し、その後アラームの発生は認めなかった。【検討と考察】模擬回路を用いてIABCの屈曲の再現を行った。駆動波形のプラトー圧の上昇を認めたが当事例同様にアラームは検出されなかった。メーカーへ問い合わせたところ、IABPのアラーム機構は上限、下限の駆動波形の変化により検出されるが、プラトー圧の変化に対してアラーム検出を行う機器は現在販売されていないと回答が得られた。過去の報告として血管の蛇行によるIABC の屈曲が生じた報告があったが、今回の症例では血管の蛇行は認められなかった。一方、近年では下肢虚血、出血などを考慮し、カテーテルの細径化が進んでいるため、シャフトの強度低下が今回の屈曲に対し影響している可能性も考えられた。【結語】IABCが屈曲した場合、アラームが鳴らないことがあるため、胸部レントゲンや駆動波形の変化を見落とさない事が重要である。ポスターCP 10 心臓・循環・体液管理② 2月12日(金) 9:30~10:30 CPポスター会場CP10-2 ビジレオモニターとEV1000におけるCO/CI の比較検討健和会 大手町病院 臨床工学センター福島 克也、竹田 誠、亘 誠司、高橋 誠一郎[はじめに]集中治療領域において、血行動態のモニタリングは必要不可欠である.その中でも、連続的に心拍出量を測定できるビジレオモニター(エドワード社製)は大変有用である.当院でも以前より使用してきたが、一昨年より同社のEV1000の使用を開始した.EV1000はビジレオモニター同様に連続的に心拍出量を測定できるが,定期的に熱希釈法による測定を行うため,その際にCO/CIの校正が行われている.そこで,ビジレオモニターとEV1000 のデータの検証を行う.[方法]ビジレオモニターとEV1000 を同時に接続し,各パラメーターのデータを測定する.[結果]ビジレオモニターの各データはCO:4.65± 1.18、CI:3.07± 0.7、MAP:87.9 ± 20.8 であり、EV1000 の各データはCO:5.3 ± 1.36、CI:3.46 ± 0.86、MAP:87.3 ± 20.8 であった.P 値はCO:0.22、CI:0.23、MAP:0.95であり、ビジレオモニターとEV1000の各パラメーターに有意差はなかった.[考察]ビジレオモニターとEV1000のCO/CIを比較すると、EV1000のほうがやや高い値を示したが、有意な差は生じなかった。この結果により、ビジレオモニターは定期的な校正を行って得るEV1000のCO/CIと変わらないデータを得ることができると考えられる.またEV1000は熱希釈法による測定を行った前後のCO/CIに変化がほとんどないことから、フロートラックセンサーによって算出された心拍出量は、熱希釈法によって得られる心拍出量と同等のデータが得られることが示唆された.[結語]ビジレオモニターとEV1000 のCO/CI データを比較し結果、同等のデータを得ることができることが示唆された.CP10-3 VV-ECMOの送血側回路にCRRT を接続した1 例報告済生会横浜市東部病院 臨床工学部鈴木 秀典、森實 雅司、半田 麻有佳、相馬 良一、佐藤 亜耶、大石 英治【緒言】VV-ECMO(以下ECMO)中のCRRT併用は体液バランス管理や電解質補正に有用とされ、海外ではECMO脱血側回路とCRRT回路を接続する方法が主流である[PMID:25482187]。その一方、日本臨床工学技士会透析装置安全委員会は「経皮的心肺補助脱血回路へのアクセスを禁止」としている。今回、ECMO送血側回路とCRRT 回路を接続した症例を経験したので報告する。【症例】60 歳台女性。他院にて誤嚥性肺炎から敗血症性ショック・AKI と診断され当院へ搬送。ER で心肺停止となりPCPS導入しICU へ入室、右内頸静脈よりバスキュラーアクセス(以下VA)カテーテルを挿入しCRRTを開始した。ICU 入室3 日後、循環は改善したが重症ARDSは遷延し、左下肢より脱血カニューレを追加、右下肢のPCPS脱血カニューレを送血として使用し、IVC脱血・RA送血によるECMOに変更した。CRRTによる積極的除水を開始したがECMOの脱血不良となり、右内頸静脈のVAを脱血用に送血カニューレと入れ替え、これによるSVC・IVC 脱血・RA送血の2本脱血としてECMO流量を安定させた。CRRT用のVAにはECMO送血側にCRRTを接続した。2本脱血に変更してからECMO離脱までの6日間で約23L除水を行い(インアウトバランス-12L)、ICU入室15 日目にECMOを離脱した。【考察】当院のECMOはSOLAS(泉工医科工業)のカスタム回路を使用し、遠心ポンプ‐ 人工肺と人工肺直後に採血用ポートを追加している。今回、陰圧による空気混入のリスクが高い脱血側ではなく、陽圧のかかる送血側にCRRTを接続した。ECMO流量2.5L/minで人工肺前圧は90mmHg前後、CRRT施行中(QB80ml/min)のCRRT動脈圧は140mmHg前後と問題のない圧力であった。新たなVA カテーテルを追加することなく、ECMO流量の安定とCRRT による除水を両立することができた。【結語】ECMOの送血側回路にCRRT 回路を接続することは、ECMO管理において有用な選択肢となる可能性がある。