ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-608-CP2-1 リハビリテーションカンファレンスによる早期離床の取り組み ~話し合いだけではなく、即実行を~1)埼玉医科大学国際医療センター 救命救急センターICU、2)埼玉医科大学国際医療センター 集中治療科、3)埼玉医科大学国際医療センター 救命救急科新山 和也1)、中村 真巳1)、杉本 直樹1)、島袋 裕太1)、原 麻衣子1)、相庭 克行1)、古田島 太2)、佐伯 有香2)、磨田 裕2)、根本 学3)【はじめに】当院救命救急センターICUでは、早期から理学療法士(以下PT)らによるリハビリテーションが介入できるように、多職種参加によるリハビリテーションカンファレンス(以下リハカンファ)を実施している。2014年9 月よりこのリハカンファを週1 回から3回に回数を増やしたが、今回、これによるリハビリテーション介入日、離床開始日などへの影響を検討したため報告する。【方法】対象は、2014年1 月から7 月(リハカンファ1回群:以下A群)と2015 年1 月から7 月(リハカンファ3回群:以下B群)にかけて当部署に入院し、入院時から人工呼吸を開始した患者のうち、死亡、リハビリ未介入患者など除外した80 例。PTによるリハビリ介入日、離床開始日(看護師だけでの実施含む)などについて後方視的に調査し、両群の比較検討を行った. 検定にはMann-Whitney’s U test を用いた。【結果】患者背景として両群ともに外傷患者(A 群:45%、B 群:40%)が最も多く、平均年齢は、A群61.8±22.6歳、B群58.7±19.6歳で有意差は認めなかった。また、リハカンファを増やしたことによる検討では、リハビリ介入日(平均:A群4.87±2.64日、B群5.14±3.28日)、離床開始日(A群8.34±6.57日、B群6.18±4.45日)、人工呼吸期間(A群9.62 ± 8.80 日、B 群10.7 ± 13.9 日)、ICU 滞在日数(A 群15.1 ± 10.3 日、B 群14.5 ± 8.06 日)などにおいて統計学的有意差は見られなかった。【考察】リハカンファを単純に増やすだけでは、リハビリ介入日、離床開始日など短縮することにつながらなかった。しかし、統計学的有意差は見られなかったものの、リハカンファを増やしたことにより、離床開始日が短縮した傾向にあり、PTによるリハビリ介入前に看護師のみで離床する症例が増えていた。リハカンファにおいては、話し合いだけではなく当日の目標を定め、医師としては速やかにオーダーを入れ、看護師、PTとしては確実にそれを実行に移すことが必要である。ポスターCP 2 チーム医療① 2月12日(金) 9:30~10:30 CPポスター会場CP2-2 多職種参加型の定期的ICU カンファレンス導入前後の比較検討 第2報1)公益財団法人 宮城厚生協会 坂総合病院 看護部、2)公益財団法人 宮城厚生協会 坂総合病院 外科、3)公益財団法人 宮城厚生協会 坂総合病院 救急科渡邊 一也1)、高橋 千枝1)、伊在井 淳子2)、佐々木 隆徳3)、郷古 親夫3)【背景】 昨年の本学会で、多職種参加型の定期的ICUカンファレンス(以下、カンファと略)導入前後の比較検討について発表した。考察で更に症例を重ねる必要が示唆されたため、引き続きカンファ導入前後の患者背景、診療内容等について調査した。【目的】 カンファ導入前後の診療変化を調査する。【方法】1. 対象:カンファ導入前後1 年間にICU に入室した全患者(カンファ導入前を比較群、カンファ導入後を調査群と定義)2. 両群間の患者背景・ICU入室期間、Sequential organ failure assessment スコア(以下、SOFAスコアと略)のICU入室時値・最大値、人工呼吸器装着率、血液浄化施行率、リハビリ(介入率・開始までの期間)、NST 介入率、28 日死亡率などについて後ろ向きに調査した。3. Fisher の正確検定、Student-t 検定で統計学的処理をした。【結果】 患者背景、SOFAスコア、人工呼吸装着率、血液浄化施行率、リハビリ介入率、NST介入率、28日死亡率について両群間で統計学的有意差は認められなかった。リハビリ開始までの期間が4.8日→3.4日(P< 0.01)と有意に短縮された。【考察】 多職種チームがICU診療へ介入した効果として、人工呼吸関連肺炎などの感染性合併症の減少、早期離床促進による人工呼吸器感の短縮、在院30日死亡率の低下などが報告されている。今回の調査では、カンファ導入後の殆どの項目で両群間では有意差が認められなかったもののICU 担当のリハビリスタッフ、管理栄養士など多職種がカンファに参加することにより、主治医の専門外領域を補完出来る利点もある。他方、リハビリ開始までの期間の短縮が示唆されたが、患者予後の関連については現時点で結論付けられる段階ではない。引き続き患者予後改善に貢献するように定期的にカンファの運用や調査を発展させる必要がある。CP2-3 ブリーフィングチェックリストの導入とその効果1)名古屋市立大学病院 看護部 ICUPICUCCU、2)名古屋市立大学大学院 医学研究科 麻酔科学 集中治療医学分野永田 剛大1)、丸谷 幸子1)、石井 房世1)、伊藤 加代子1)、米倉 寛2)、宮津 光範2)、祖父江 和哉2)【背景】当院ICU・PICUでは、治療方針、ゴールの明確化などの情報共有を目的に、朝のブリーフィングチェックリストを導入した。チェックリストは、集中治療に必要な基本的医療内容を含む24 項目からなり、これに沿って日勤開始時にICU 医師と看護師とでブリーフィングを実施している。【目的】チェックリストがICU 医師と看護師との情報共有に効果的であるかどうかを明らかにすること。【方法】チェックリスト導入前後にICUに在籍した医師と看護師を対象に無記名アンケート。チェックリストの各項目の効果について5 段階評価(1 =そう思う~5 =そう思わない)とした。【結果】回収率は79%、対象53 名(医師20 名、看護師33 名)、有効回答数は42 名(医師10 名、看護師32 名)。医師・看護師共に最も評価が高かったのは、「リハビリが早期に開始できるようになった」であった。評価が最も低かった項目は、医師は「適切に循環薬剤が減量できるようになった」、看護師は「実施したことを評価し、今後の課題が共有できるようになった」であった。【考察】リハビリの早期開始については、情報の共有ができていると考える。「循環薬剤の減量ができる」、に関しては、病態に合わせた調節が必要であり、チェックリストによるゴール設定は難しい可能性がある。また、「今後の課題が共有できるようになった」の評価が低い原因として、日々のゴール設定をして看護を行っているが、現在はデブリーフィング(振り返り)が出来ておらず、ゴール達成についての評価が不十分であるためと推測する。勤務終了時のデブリーフィングの習慣化により、更なる情報共有が可能になると考える。【結論】チェックリストの導入は、情報共有に一定の効果があった。今後、項目の検討とデブリーフィングの実施を徹底し、効果的な情報共有の手段となるよう改善を行っていく予定である。