ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-606-CP1-1 当院におけるMedical Emergency Team(MET)導入の経緯と現状1)公益財団法人がん研究会有明病院 集中治療部、2)公益財団法人がん研究会有明病院 MEセンター、3)公益財団法人がん研究会有明病院 看護部、4)公益財団法人がん研究会有明病院 麻酔科山本 豊1)、竹中 誠2)、中山 章子3)、玄 運官4)、七松 恭子4)、宮崎 恵美子4)、佐野 博美4)、横田 美幸4)当院は日本を代表するがん専門病院の一つだが,これまで院内救急に対しては手の空いた医療従事者を全館的に招集するコールシステムで対応してきた。2014年6 月からICUに集中治療専門医が専従するようになってからはコールシステムが発動されずに重症患者に対する診療支援の要請を直接受けるようになりICU看護師や臨床工学技士と共に対応するようになった。幾つかの診療部門とは平時の診療を継続しながら有事に対応することを前提とした訓練も行うようになり,そのような状況や医療安全を強化する観点からICU 専任医師を中心としたMET を正式に導入する運びとなり対応可能な範疇での活動を開始している。まだ途に就いたばかりの活動だが,当院におけるMET導入の経緯と現状を報告する。ポスターCP 1 Rapid Response Team・院内急変① 2月12日(金) 9:30~10:30 CPポスター会場CP1-2 当院におけるRRS 導入の工夫と現状1)岐阜大学医学部附属病院 高度救命救急センター、2)岐阜大学医学部附属病院 看護部、3)岐阜大学医学部附属病院 医療安全管理室名知 祥1)、熊田 恵介1,3)、林 賢二2)、杉原 博子1,2)、玉井 小百合2,3)、吉田 隆浩1)、吉田 省造1)、牛越 博昭1)、豊田 泉1)、小倉 真治1)当院では過去の病棟発生した院内救急コール事案の死亡率が高く、かつ予兆がある事例が多いという検証結果を踏まえ、平成26年4 月からRRS(Rapid Response System)を段階的に導入した。モデル病棟での運用を開始した上で、院内への周知方法として全職員対象の医療安全感染対策研修会でRRS 導入の必要性とシステム紹介を行った。その際のアンケート調査では、医師・看護師など900 名以上から回答があり、「RRSは当院に必要である」と約98% が答えた。一方で、自由意見では医師側の受け入れが問題という意見が多くみられた。 モデル病棟での運用8ヶ月で、数例ではあったが有効な利用があったが、同時期に院内では救急コールが12 症例あり、うち心停止の6 症例は全て予後不良であった。この結果を踏まえて、平成27 年7 月から全病棟でのRRS 運用をスタートする事とした。 モデル病棟で実施したアンケートでは、当院のRRSの問題点としてRRSの要請基準の教育不足、RRSの利用しやすさ、医師の理解不足があがった。これを少しでも改善するために、RRS の初動はまず救急看護認定看護師、集中ケア認定看護師が対応し、必要であれば高度救命救急センター医師が対応する二段構えの体制とした。症例についてはワーキンググループで月に1回検証し、医療安全委員会を通じて院内全体にフィードバックを行う事で院内での情報共有を図り、個別案件で重要なものがあればワーキンググループが該当病棟でデブリーフィングを実行する事とした。また、教育については各病棟を定期的に回る以外に、来年度からは看護師3-4 年目全員を対象としたフィジカルアセスメント教育を計画している。 RRS はモデル病棟での実績を通じて必要なシステムであると少しずつ認識されている。全病棟に拡大したことで、より効果的のあるシステムに成熟すべく活動を継続していく予定である。CP1-3 当院MET call 要請基準および要請システム変更前後での変化および今後の課題和歌山県立医科大学付属病院 高度救命救急センター柴田 尚明、米満 尚史、宮本 恭兵、田中 真生、中島 強、山下 真史、島 幸宏、木田 真紀、岩崎 安博、加藤 正哉1995年に豪州で初めてRapid Response System(RRS)の報告がされ、欧米では、RRSの導入によって院内心肺停止発生数の減少、心肺停止症例の死亡率減少、有害事象発生率の減少などが数多く報告された。本邦でも2008 年頃からRRS のコンセプト(急変の兆候から心停止およびほかの病態の悪化も未然に防ぐ)が普及しつつあり、当院でも2008年からMedical Emergency Team call(MET call)システムを導入した。要請基準はBellomoらの要請基準を基に作成したが、「スタッフによる臨床上の懸念」項目は除外された。理由としては、この項目を入れるとcallがあまりにも多くなるのではないかと考えたためである。また、MET call 要請のシステムとして、要請基準に該当した場合でも、状態が切迫していなければまずは担当医をcallし、状態が切迫している場合は担当医とともにMET callを要請するというものであった。このようなシステムになった背景としては、主科および担当医をないがしろにするわけにはいかないと病院全体で考えられたためである。しかし、結果としてこれらが足かせとなり、MET call 要請が少なく、かつ急変前から予兆があったにもかかわらず急変直前でのMET call要請症例が多くなった。そのため、2013年9月から要請基準に「スタッフによる臨床上の懸念」項目を追加し、要請基準に該当する異常を認知した場合は、状態の切迫の程度に関わらず、担当医とともにMET callを要請することとした。その結果、MET call要請件数が2 倍程度に増えた。そこで、METcall要請症例の要請レベル(4段階で評価)および要請前の急変徴候の有無を後ろ向きに見直し、要請基準および要請システム変更前後で、予期できたはずの急変発生率および、要請レベルの変化を比較する。また、その結果を基に、今後の課題について検討する。