ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-604-DP50-1 心臓手術をうけICU に入室した患者の家族が抱く思いの構造宮崎県立宮崎病院恒吉 さやこ、石塚 真希子、山口 裕衣【目的】心臓手術をうけICUに入室した患者の家族が抱く思いの構造を明らかにし、ICU における家族の思いを支える看護支援の示唆を得る。【方法】平成26年7月から12月までに予定された心臓手術をうけ、ICUに入室した患者の家族13 組を対象とした。患者がICU を退室後、半構成化面接を実施し、家族の思いの特徴を抽出、思いの構造を図式化した。考察をふまえICUにおける家族の思いを支える看護支援を導き出した。【結果】1. 心臓手術をうけICU に入室した患者をもつ家族が抱く思いの特徴27個が明らかになった。2. 思いの構造は、時の流れとともに影響要因によって変化し、安心感が広がっていくが、心臓手術そのものへの心配は消えることはない。3. 看護支援:面会時には、回復に伴う医療環境の変化と、患者の変化を関連づけて、家族が納得できるように伝える。家族が患者の回復過程を実感し、肯定的に捉えられるよう、患者を支える家族を後押しできるように関わる。デジタルポスター 50 倫理・終末期・看護ケア 2月14日(日) 11:00~12:00 デジタルポスターブース10DP50-2 気管挿管されてICU に入室した患者家族に対する看護援助鹿児島市医師会病院田中 いづみ、川畑 さとみ【目的】ICU に緊急入室する患者の家族は、心理的危機状態に陥る可能性が高く、早期に看護介入を行っていく必要がある。今回、実際に自分達が行っている看護と家族のニードに相違がないのかを明らかにするため、気管挿管した患者家族の初回面会時にどのような看護援助を行っているのかを調査した。【方法】調査期間は2012 年6 月から2013 年9 月で、中規模病院のICU に勤務する看護師30名を対象に実際に行っている看護援助について調査した。調査内容は、先行研究をもとに調査用紙を作成した。分析方法は、対象を看護師経験年数別、ICU経験年数別、リーダー経験の有無で分類し、質問項目はカテゴリー化し、平均値を出した。統計処理はSPSS を用いた。【倫理的配慮】研究への協力は自由意志であり、協力の有無に関わらず日常業務への影響はないことを説明し同意を得た。また、院内の臨床倫理委員会で承認を得た。【結果・考察】実施した看護援助で平均値が高かったのは、情報、接近、保証に関する援助の順であり、一番低かったのは社会的サポートの援助であった。先行研究で、挿管患者の家族の初回面会時は接近、情報、保証のニードが高いという結果が報告されており、ICU看護師が実際に行っている援助は、家族が求めているニードとほぼ合致していると言えた。社会的サポートでは、1~4年目群と10年目以上群で有意差を認めた。F=4.179 P<0.05。また、看護師経験年数別では1~4年目群がどの看護援助でも平均値が低く、すべての看護援助において経験年数が浅いほど平均値が低かった。これは経験を重ねると、家族に提供できる看護援助や情報が増えることが影響していると考えられた。【今後の課題】どの年代の看護師も、患者家族が求めるニードに合わせた看護援助が行えるよう、教育体制を整える必要がある。DP50-3 回復期から急性期を振り返る~回復期移行出来た患者家族が急性期に望む事~一般社団法人 巨樹の会 原宿リハビリテーション病院中川 さつき、松井 陽子、門川 桂子【目的】急性期において患者は治療中であり、病態も不安定な場合が多く患者家族自身が受け身傾向にある。回復期においては在宅・社会復帰への準備期間へ移行した時期であるため患者家族の精神的負担は急性期と比較し軽減できている状況にある。その時期に患者家族が急性期を振り返る中で入院・治療中にどのようなことに不安を感じ、何を望んだか振り返る事で急性期の患者家族の心境を理解し今後の精神的看護ケアに活かす。【方法】急な発症に伴い急性期で治療を受け、回復に至った患者家族を対象にインタビュー形式で心境を聞く。インタビュー内容は「急性期入院中で何が不安、負担であったか」「急性期に患者家族は何を望んだか」「医師、看護師からの説明や声賭けについて」「精神的不安などの変化」、「治療の理解力」「集中治療室が怖いか」「今後の生活に対しての不安」など項目を設定する。【成績】急性期においての治療方針や医師・看護師の説明は、「十分だった」「一切説明はなかった」「気にならなかった」など患者の重症度によっての変化もあり統一した発言はなく、急性期から回復期に移行できている時点で、現状へ視野を見据えているため今の問題点が主となっている。家族と患者の心境の変化が同時進行ではなく現状把握が困難な患者のほうが徐々に不安が増大している。【結論】対象を患者・家族ではなく家族の心境のみを確認することで統一した評価が出来た。患者家族同時にインタビューを行った場合もあったため、患者と家族は別々でインタビューを行い立場の違いによっての現状の受け止め方を分けて評価していくべきであった。質問項目の内容が主観的な言い回しとなっているため、エビデンス等の把握を確実に行い項目の再度検討が必要。コミュニケーションを患者家族と確実に行うことが急性期から回復期すべての領域で重要となる。