ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-596-DP46-1 ガドリニウム造影剤が冠動脈狭窄の診断に有用であったヨード造影剤アレルギーの2 症例昭和大学藤が丘病院 循環器内科佐藤 督忠、佐藤 千聡、笹井 正宏、前田 敦夫、若林 公平、鈴木 洋ヨード系造影剤により冠動脈造影をはじめCTなど虚血性心疾患の診断はめざましい進歩を遂げているが、造影剤によりショックなどの重篤なアレルギーの既往のある患者の診断は困難である。今回、我々はヨード造影剤に重篤なアレルギーの既往のある患者に対してガドリニウムMRI用造影剤を用いることにより、診断が可能となった2例を経験したので報告する。症例1は65歳、女性。日常生活で胸痛がみられ、当科外来を受診した。トレッドミルで陽性であったため、ガドリニウム造影剤を用いた冠動脈造影を行った。その結果、左前下行枝#7 において50-75%狭窄を認めたため血管内超音波(IVUS)を行ったところ、内腔狭窄率57% であり有意狭窄とは判断されず、微小血管性狭心症と診断し経過をみているが心事故なく経過している。症例2 は72 歳、女性。胸痛精査のために当科外来を受診した。外来で行った運動負荷心筋血流シンチで前壁中隔領域がpositive であったため、ガドリニウムを用いた冠動脈造影を行った。その結果、左前下行枝#6に50-75%狭窄を認めたため、pressure wire(PW)で計測したところFFR 0.87であったためdeferとした。その後、心事故なく経過している。外来で行う非侵襲的な検査は今回挙げた2 症例の様に診断率に劣る面があり、最終的には冠動脈造影が必要とされる。現在、医療保険においても冠動脈造影時にPWやIVUSを使用することがサポートされており、より冠動脈造影時に使用しやすい環境となっているが、冠動脈の走行が全くわからない状態で行うのは至難の技であり、なにより危険である。一旦、冠動脈の走行がわかりさえすれば、PW、IVUSを用いて狭窄度の診断を行うのは容易く、そのような点でガドリニウムは有用と考えられた。デジタルポスター 46 心臓・循環・体液管理⑦ 2月14日(日) 11:00~12:00 デジタルポスターブース6DP46-2 胸部X 線写真における末梢挿入中心静脈カテーテル先端位置の視認性の評価福岡大学医学部麻酔科学岩下 耕平、重松 研二、十時 崇彰、山浦 健【はじめに】末梢挿入中心静脈カテーテル(PICC)は中心静脈輸液路の一つである。PICCは、他の中心静脈カテーテルに比べて細いカテーテルを使用するために、胸部X 線で先端位置の確認が困難である症例をときに経験する。当院では、PICC 先端位置確認のために、低濃度部分が確認しやすくなるよう画像処理を行っている(縦隔条件)。今回、通常の胸部X線写真(肺野条件)と縦隔条件でのカテーテル先端の視認性を比較した。また、縦隔条件にもかかわらずPICC 先端位置が不明瞭であった症例を検討した。【方法】2014年10月~2015年7月に脳神経外科手術でPICCを挿入した 28例で後ろ向きに検討した。PICC確認の胸部X線写真の肺野条件、縦隔条件ともに電子カルテに保存されている症例で、PICC 挿入の経験が豊富な麻酔科医2 人がそれぞれ画像を確認した。2 人の麻酔科医が共に先端位置が明瞭あるいは不明瞭と判断した症例をそれぞれ、視認可あるいは視認不可とした。統計解析には、カイ二乗検定、t 検定、Fisher の正確検定を用いた。【結果】肺野条件と縦隔条件で、視認不可であったのはそれぞれ、10例(36%)、3例(11%)(P < 0.05)であった。縦隔条件で視認可であった24症例と視認不可であった3症例では、BMI に違いはなく、カテーテルと脊椎に重なりがあったのはそれぞれ33%、100%(P = 0.06)であった。【結論】肺野条件に比べて、縦隔条件はPICC の先端位置の確認に適していると考えられた。今回の検討では、縦隔条件で先端位置確認が困難であった症例の要因は明らかとならなかった。DP46-3 小児心臓手術術後管理におけるAESCULON miniの有用性群馬県立小児医療センター有馬 大輔、宮本 隆司、笹原 聡豊、本川 真美加、内藤 祐次【緒言】小児心臓手術後で、血行動態の指標になるモニターは少ない。AESCULON min(OSYPKAMEDICAL)は、電気バイオインピーダンスの変化から心係数を推定する非侵襲的なモニターである。我々は、ASECULON miniを導入して術後血行動態の評価を行っている。【対象と方法】2013年1月から2015年1 月までに、AESCULON miniを装着し開心術後に緊急再開胸を要した3例(開胸群)を対象にした。緊急再開胸に至までの心係数CI、一回拍出量変化SVV の推移と挿管期間、PICU入室期間を、緊急開胸を要さず経過した症例(非開胸群)と比較して評価した。【結果】非開胸群のPICU入室期間10 ±2.4日、挿管期間4.8± 1.5日であったのに対して、開胸群ではそれぞれ24± 13 日、13 ± 8 日であった。開胸を要した原因は、心タンポナーデ2 例、心室細動1 例であった。開胸群は緊急開胸の6 時間前からのCI、SVV の推移、対照群はPICU 入室後から6時間のCI、SVVの推移とで比較したグラフを示す。【結語】AESCULON mini のCI はあくまで推定値であるが、その推移は術後血行動態のよい指標になると考えられる。