ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-589-DP42-4 VAE サーベイランスを用いたケア介入の現状と課題鹿児島大学医学部・歯学部附属病院 集中治療部押川 大輔、竹内 愛美、岸良 達也、日高 祥子、田中 妙子、田中 裕美【はじめに】当院ICUにおいて人工呼吸器関連肺炎(以下VAP)発生件数が増加傾向にあり、バンドルをもとにベッドアップ・口腔ケア技術向上、カフ圧管理などの看護ケアを実施している。しかし、VAP発生患者のほとんどが循環動態が不安定であり、ベッドアップや早期離床が困難でバンドルの遂行が難渋している。人工呼吸器関連イベント(以下VAE)サーベイランスは、VAPサーベイランスにおいて課題とされていた主観的な評価を削除し、客観性をもたせることで施設内外の医療の質を指し示すベンチマーキングとしての機能が期待されている。そこで呼吸状態の悪化をFiO2やPEEPの悪化で示唆されるVAE サーベイランスの指標をアウトカムとし、予防的介入ができVAP 発生が低減できるのではないかと考えた。【目的】呼吸状態の悪化をFiO2やPEEPの悪化で示唆されるVAE サーベイランスを行い、VAP発生要因を明らかにする。【方法】H26年4 月~H27 年7月までに当院集中治療室にてVAP発生した患者11 名を対象に、VAPサーベイランスとVAEサーベイランスの診断に関係する症状・看護ケアに関する項目との関連性を比較検討する。【結果】VAP11 例中、VAE は5 例(VAC5 例、IVAC3 例、PVAP2 例)であった。VAE サーベイランスではVAP の45.4%となった。【考察】入室患者のほとんどが重症であり、入室時から高PEEP・高FiO2であるため2日以上の安定した状態の後に酸素化の悪化に対する人工呼吸器設定の変更とするとVAEを満たすことができない。しかし、白血球の異常や発熱を組み合わせた場合、呼吸器感染症を把握することが容易となりVAP予防対策につながると示唆された。DP42-5 当院ICUにおけるVAEs発症リスク因子の検討1)秋田大学 医学部 附属病院 集中治療部、2)秋田大学大学院 医学系研究科 救急・集中治療医学講座、3)独立行政法人 労働者健康福祉機構 秋田労災病院原田 真希1)、佐藤 智子1)、稲垣 歩1)、鈴木 絵理奈1)、石川 ひとみ1)、佐藤 多実子1)、五十嵐 季子2)、中永 士師明2)、奥山 学2)、多治見 公髙3)【背景】当院ICU では、2013 年12 月からVAEs(Ventilator-Associated Events)surveillance を開始した。2015 年5 月までの18 か月間で、対象169症例のうちVAEs 陽性と判定されたのは16症例で発症率は9.46%であった。更にこれら169症例を、VAEs 陽性例と陰性例で比較したところ、APACHE 2 score、平均予測死亡率、実際の死亡率において有意差が認められた。また、VAEs陰性例の標準化死亡比(SMR)は0.50であったのに対し、VAEs陽性例では1.56であった。更に多重ロジスティック分析の結果、挿管日数の長期化とベッド頭側30度以上の挙上、更に死亡率においてVAEs発症に関連がみられた(第37回日本呼吸療法医学会で報告した)。【目的】更に症例数を重ねてVAEs発症リスク因子を検討する。さらに、VAEs発症が回避し得たかを考察し報告したい。