ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

ページ
572/910

このページは 第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集 の電子ブックに掲載されている572ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-570-DP33-1 非侵襲的陽圧換気により改善した胸部外傷後の気道狭窄の一例十和田市立中央病院 麻酔科横野 良典、深田 祐作【症例】87歳女性、BMI 28.6、心不全、喘息様気管支炎の既往あり。歩行中の交通外傷による全身打撲で救急搬送となった。【来院時所見】意識レベルJCSΙ-2、呼吸数30回/ 分と頻呼吸、酸素マスク10L投与下でSpO2 88%と酸素化は不良。循環は維持されていた。胸部聴診上coarse crackleと収縮期雑音、下腿浮腫を認めた。肺挫傷と血胸を伴う多発肋骨骨折、右下腿骨骨折の診断で入院となった。【治療経過】入院当日、創痛による換気障害に対しペチジン持続静注で鎮痛を行い、呼吸数25 回/ 分、SpO2 95%に改善した。入院2 日目、再検胸部CTで左血気胸が増悪。また、右側臥位・食事摂取時に増強する呼気性喘鳴が出現し呼吸困難が再燃した。鎮痛法を胸部持続硬膜外ブロックに変更、既往歴から心不全あるいは喘息を疑い対症療法を施行したが、いずれも無効であった。5日目の胸部CT で、喘鳴の原因は縦隔血腫による気管膜様部の圧排に伴う狭窄(狭窄率57%)と判明。呼気時の気道狭窄の解除目的に非侵襲的陽圧換気(以後NIPPV)を用いてPEEP 5cmH2O を負荷したところ、喘鳴は消失した。以後、血腫の自然退縮まで間欠的NIPPV を継続した。12 日目、自発呼吸下でも喘鳴および呼吸困難が消失し、胸部CT で狭窄の改善を認め、NIPPV を離脱した。【考察】文献上、気管膜様部狭窄の診断は、「呼気時CT での計測で狭窄率50%以上」とされている。本症例でもこれに合致し、狭窄の原因は、呼気性喘鳴の特徴的所見とCT 所見から縦隔血腫と考えられた。治療では、呼気時気道径の維持が重要と考え、NIPPV を用いてPEEP の維持を図った。これにより、鎮静下気管挿管による侵襲的人工呼吸が回避でき、安楽な呼吸とADLを保つことが可能であったと考えられた。【結語】外傷性縦隔血腫による気管膜様部狭窄に対し、NIPPVは有効な呼吸管理法と考えられた。デジタルポスター 33 気道・呼吸・呼吸管理⑤ 2月13日(土) 13:30~14:30 デジタルポスターブース3DP33-2 高度肥満患者のcannot ventilate, cannot intubateの経験愛媛県立中央病院 救急科上松 敬吾、佐藤 裕一、三宅 悠香、芝 陽介、田中 光一、橘 直人、濱見 原 症例は48歳女性。身長150cm、体重85kg、BMI 37.8 kg/m2の高度肥満であった。脳内出血のため脳神経外科による緊急手術後、集中治療室で呼吸管理が行われていた。術後5日目、脳神経外科医によって気管チューブ(以下ETT)が抜管されたが、cannotventilate, cannot intubate(以下CVCI)となり、救急科に応援が要請された。 患者接触時、高度な呼吸努力と頻脈を認めた。SpO2は測定不能であった。用手換気を行ったが換気は困難であり、上気道閉塞による窒息が強く疑われた。次にMacintosh 喉頭鏡による喉頭展開を行ったが、舌、咽頭の浮腫が著明で声門を確認できなかった。経口気管挿管は困難と考え、直ちに外科的気道確保に切り替えた。短頚及び厚い軟部組織のため、輪状甲状靭帯切開を行うための解剖学的指標は不明瞭であったが、大まかな推測のもとで前頚部を大きく横切開した。その後、数回の鋭的剥離を繰り返し、漸く横切開線よりも頭側で輪状甲状靭帯を同定できた。切開後は、切開孔を通してごくわずかではあるが自発換気が可能となった。同部位に内径6.0mm のETT の挿入を試みたが、挿入出来なかったため、輪状軟骨より尾側での気道確保に変更した。正中に縦切開を追加し、皮下を鋭的に剥離することにより、気道の走行を大まかに同定することが出来た。気管軟骨レベルで気管穿刺を行い、続いてSeldinger法による外科的気道確保(メルカー緊急用輪状甲状膜切開用カテーテルセットR 内径6.0mm)を行った。以後、換気良好となり、同日気管切開術を施行し、患者は後遺障害なく退院した。 高度肥満患者のCVCIでは、短頚及び厚い軟部組織等の要因により解剖学的指標を同定することが困難であることが多く、外科的気道確保の際に気道へのアプローチに難渋する。高度肥満患者のCVCIで、短時間かつ確実に外科的気道確保を行う手技として、前頚部横切開のみに固執せず、躊躇わず大きく縦切開を行うことも戦略の一つと考える。DP33-3 当院での熱傷後顔面・頚部拘縮による気管挿管困難症例に対する挿管法の検討独立行政法人 地域医療機能推進機構 中京病院 麻酔科浅野 貴裕、加藤 真奈美、森 俊輔、伊藤 洋、田中 厚司、金 日成顔面、頚部の熱傷患者の受傷後早期はデブリードマン、植皮術、その後は瘢痕拘縮などのために頻回の手術が必要となる。その経過中、それらの瘢痕拘縮が進行し用手換気や気管挿管が困難となる場合もある。当院での2011 年4 月から2015 年3 月までの熱傷手術患者のうち麻酔導入時に用手換気、気管挿管が困難であったと記載のある7 患者の計52 回の気管挿管につき検討を行った。年齢は14歳から68歳、全員女性であった。40回は筋弛緩薬投与下の全身麻酔で、12回は自発呼吸を温存した軽度鎮静下に気管挿管を行っている。全身麻酔下での用手換気、気管挿管が問題なく可能であった患者でも、瘢痕拘縮の進行とともに用手換気困難となり次回手術から自発呼吸下での気管挿管を選択したものが4例あった。その4例のいずれも数回の拘縮解除形成の手術後には頚部伸展が可能となり、再び全身麻酔下での気管挿管を行っている。気管挿管時に使用したデバイスはマッキントッシュ型喉頭鏡が21回、ビデオ喉頭鏡(グライドスコープ)が11 回、ラリンジアルマスク(ファーストラック)が4 回、気管支ファイバースコープが16 回だった。用手換気の可否、開口の程度、頚部伸展の程度などにより適切なデバイスと麻酔法を選択する必要があった。顔面、頚部の熱傷患者では瘢痕拘縮の進行のため、同一患者であっても経過中に用手換気、気管挿管の難易度が高くなり麻酔導入には注意が必要と考える。拘縮形成の手術後は開口障害、頚部伸展障害が改善するためその後の気道管理をより安全に行うことができた。