ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-567-DP31-4 代謝阻害剤を用いた細胞内エネルギー枯渇と再供給が血管内皮細胞機能に及ぼす影響1)浜松医科大学附属病院 集中治療部、2)浜松医科大学臨床薬理学講座小幡 由佳子1)、袴田 晃央2)、小田切 圭一2)、渡邉 裕司2)、土井 松幸1)【目的】ブタ下行大動脈血管内皮細胞を2 時間エネルギー枯渇状態にすると細胞のF-actinの構造が変化し、細胞の透過性亢進が見られる。この細胞をその後代謝阻害剤を除去し、3 時間再培養するとこれらは正常化することは既に示されている。しかし細胞のF-actin構造変化が可逆的であること以外の細胞機能の変化については詳細はわかっていない。今回、細胞内エネルギー枯渇とその後のエネルギー再供給を行った血管内皮細胞のカルシウム応答の変化について調べた。【方法】初代培養ブタ大動脈血管内皮細胞に酸化的リン酸化阻害剤KCN(5mM)と解糖系の阻害薬である2-DG(2-deoxy-D-glucose)(5mM)を用いて薬剤によるエネルギー枯渇状態を作り、2時間投与した後ウオッシュアウトし、3 時間再培養してからブラジキニン10nM 刺激に対する細胞内Ca2+濃度変化を調べた。内皮細胞内Ca2+ 濃度は、fura-2/AM を用いた蛍光色素測定法により評価した。【結果】【方法正常時のブラジキニン刺激後のfura-2/AMのratio(F340/F380)は7.14±1.4で、エネルギ-枯渇再供給群ではベースラインでは変わらなかったが、ブラジキニン刺激後の値は4.7±2.3で有意に低くなった。代謝阻害剤を用いたエネルギー枯渇と再供給はブタ下行大動脈血管内皮細胞におけるブラジキニン誘発性内皮細胞内カルシウム応答を抑制した。【考察】代謝阻害剤でのエネルギ-枯渇再供給モデルでは、血管内皮細胞でのカルシウム応答が変化することがわかった。カルシウム濃度の変化は様々な遺伝子発現や細胞内シグナリングに関与しており、見かけ上の細胞構造変化は可逆的であるが、細胞機能には何らかの障害があったと考えられる。DP31-5 当院救急外来におけるABO異型適合血輸血施行症例の検討新潟大学医歯学総合病院 高次救命災害治療センター新田 正和、本多 忠幸、本田 博之、青木 信将、林 悠介、上村 夏生、遠藤 裕【緒言】近年危機的出血におけるABO異型適合血輸血はガイドラインで容認され当院でも施行可能である。しかし危機的出血の診断に厳密な基準はなく実際のABO 異型適合血輸血の施行は担当医にゆだねられている。さらに輸血後の妥当性評価もなされていない。そこで今回我々は当院救急外来でABO異型適合血輸血を施行された症例につき診療録をもとに検討したので報告する。【対象】2014年4月から2015年3月までに当院救急外来でABO異型適合血輸血を施行された31例のうち、輸血に関する詳細な診療録が保管されていた27 例を対象とした。【患者背景】年齢:72(8-89)歳(中央値(最少- 最大値))。性別:男14 例、女13 例。症例内訳:外傷18例、消化管出血3例、その他の出血3例、敗血症性ショック3例。転帰:生存14例(院外心肺停止1例)、死亡13例(院外心肺停止10例)。【来院後輸血開始までの時間】19(0-171)分。時間別評価:日勤帯(8:30-17:15)10(0-64)分、非日勤帯28(9-171)分(P=0.014)。搬送手段別評価(日勤帯):Dr ヘリ4(0-56)分、救急車18(4-64)分(P=0.066)。【適正評価】適正輸血17例(63%)、不適正輸血の可能性有10例(37%)(理由:ABO 同型血輸血可能5 例、輸血依頼遅延4 例、輸血適応外1 例)。【不適正輸血の可能性が有る症例】時間別評価:日勤帯18例中4例、非日勤帯9例中6例(P=0.039)。搬送手段別評価(日勤帯):Drヘリ8例中2例、救急車10例中2例(P=1)。【結語】ABO異型適合血輸血症例の37%が不適正輸血の可能性があった。非日勤帯で有意に輸血開始時間が遅れ、不適正輸血の可能性の有る症例が増えた。搬送手段は不適正輸血に影響しなかった。DP31-6 組立型モバイル治療室制作の試み福島県立医科大学 医学部 救急医療学講座島田 二郎、田勢 長一郎【背景】われわれは、これまで、本学会において、東日本大震災の経験を基に、災害時の病院避難において、重症患者の避難の困難性について発表してきた。その中で種々の治療機器のついた重症患者では、搬送する車両の確保が困難性のひとつの要因と考察した。【目的】種々の治療機器がついた重症患者搬送において有効な組立型モバイル治療室を試作する。【方法】ハニカム構造を持ったダンボールを用いて、企業と連携し組立型のモバイル治療室の試作室を作成する。【結果】写真のような組立型モバイル治療室を試作した。【考察】ハニカム構造を持ったダンボールは相当の強度を持ち、組み立てにより居住空間の作成が可能で、カラオケルームなどが既に市販されている。これをベースに応用し、今回、大型の治療機器も併設できる治療室の試作を行った。電力確保や耐水性などの問題がのこるものの、トラックなどの荷台内に組み込むことで、重症患者の搬送においてひとつの戦略になり得ると考えられた。またこの試作室は、感染隔離室や救護所などに応用できるものと思われる。