ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-561-DP28-4 急性心不全・慢性心不全急性増悪によるICU 入室患者の退院時歩行速度関連因子の検討1)国家公務員共済組合連合会 枚方公済病院 リハビリテーション科、2)名古屋大学大学院 医学系研究科 リハビリテーション療法学専攻、3)国家公務員共済組合連合会 枚方公済病院 看護部、4)国家公務員共済組合連合会 枚方公済病院 循環器内科岩津 弘太郎1)、山田 純生2)、堀内 あゆみ3)、岡崎 善則4)、大上 真理子4)【目的】集中治療を必要とする重症疾患患者は退院後も生活機能の低下を有しており、その予防には早期からハイリスク患者を同定することが重要とされる。しかしながら、ICU 入室患者の病態は多岐にわたり、生活機能低下の関連因子は明らかでない。本研究は急性心不全・慢性心不全急性増悪にてICU 入室した患者において退院時歩行速度の関連因子を検討する事を目的とした。【方法】2015年4 月から7 月にかけて急性心不全・慢性心不全急性増悪にて当院ICU に入室となった患者41例(男性24例、年齢74.3±11.1 歳)を対象とした。年齢、入院時収縮期血圧、心拍数、左室駆出分画、生化学検査データ(BNP値、血清クレアチニン値、ヘモグロビンA1c値、血清アルブミン値、血清CRP値)と退院時10m歩行速度の関連をPeasonの相関係数にて検討した。また、有意な関連を認めた各指標の中央値に基づき、関連因子の保有数を対象者ごとで算出し、退院時10m 歩行速度との関連を一元配置分散分析にて検討した。有意水準はp < 0.05 とした。【結果】全対象者の退院時歩行速度は1.03 ± 0.29m/秒だった。年齢(r= - 0.505、p < 0.01)、BNP 値(r =- 0.333、p=0.03)、血清アルブミン値(r= - 0.395、p=0.01)が退院時歩行速度と有意に関連した。また、高齢(年齢≧ 75 歳)、BNP 高値(BNP ≧ 762.5pg/dl)、血清アルブミン低値(血清アルブミン≦3.7g/dl)の因子を多く保有する症例ほど、歩行速度が有意に遅かった(0:1.28±0.22m/秒、1つ:1.18± 0.19m/秒、2 つ:0.92 ± 0.29 m/秒、3 つ:0.83 ± 0.28 m/秒、p < 0.01)。【結語】急性心不全・慢性心不全急性増悪によるICU 入室患者では年齢、入院時BNP、入院時血清アルブミン値が退院時歩行速度の関連因子であり、因子の保有数が多い程歩行速度が低いことが示された。本研究結果は、急性心不全・慢性心不全急性増悪によるICU入室患者における生活機能低下のリスク層別化に寄与するものと思われた。DP28-5 ICU 在室患者における一日の座位時間の調査~3軸加速度計を用いた評価の試み~横浜市立市民病院 リハビリテーション部井出 篤嗣、前野 里恵、斉藤 均、森川 由季、今村 純子、江井 佐知恵、杉本 俊太郎、三橋 拓、塚本 佐保、高橋 素彦【背景】ICUでの早期離床が推奨され、理学療法士(以下PT)によるそれらの報告も散見される。しかし、PTでの治療時間以外に離床につながる座位時間が、1 日の中でどの程度確保できているのかを知ることも、ICU-AWの評価において重要である。そこで3軸加速度計『MG ‐ M1110 ‐ HW(株)LSI メディエンス社製』を用いて、身体角度を24 時間記録することで、ICU在室患者がとる一日の座位時間が客観的に把握できると考えた。【目的】3 軸加速度計を用いて、ICU在室患者の一日の座位時間を把握する【対象】ICU に在室し、本研究の同意が得られ、安静度が『座位』以上の患者を対象とした。除外は胸部に術創がある患者、理解が得られない患者とした。 症例1は80歳代、男性。骨腫瘍Th1で呼吸状態悪化により気管切開部からの人工呼吸器装着。 症例2は60歳代、女性。クモ膜下出血、保存療法、麻痺なし。【方法】3軸加速度計は胸骨にテープで固定し、24時間計測して得られた加速度信号を1 秒ごとに平均し、そのX・Y軸成分から重力方向に対する傾き角を計測し、その分析結果をグラフ化した。座位の定義は3軸加速度計の角度が45°以上とした 。症例1 では看護師も姿勢の記録を取り、計測結果と比較した。【結果】症例1の座位時間はPTによる治療時間を含めて156分であった 。臥位の時間帯は、およそ2時間おきに側臥位をとっていた。また、看護師が設定した角度と実際の測定角度が異なる時間帯があった。症例2 の座位時間は348 分であった。日中は座位時間が長く、夜間はほぼ臥位であった。【考察】3軸加速度計を用いることで、患者の一日の姿勢が簡便、客観的に計測でき、座位時間などの現状把握に有用であると考える。看護師が設定した角度と実際の患者の角度が異なる場合があり、患者の姿勢を見て修正する必要があると考えられる。 今後は、症例を増やし、座位時間の休日と平日、ICUと一般病棟における違いや個別性なども見る必要がある。DP28-6 急性期内科疾患入院患者における自立歩行判定のための簡易的評価項目の検討1)兵庫医科大学病院 リハビリテーション部、2)兵庫医科大学 リハビリテーション医学教室山内 真哉1)、眞渕 敏1)、児玉 典彦1)、道免 和久2)【目的】理学療法士は患者の歩行能力を正確に見極め,早期離床を図る必要がある。先行研究では自立歩行の関連因子として,下肢筋力,バランス,歩行速度,認知機能などが報告され,様々な評価法が考案されている。これらの評価法は妥当性,信頼性が高いテストとして広く使用されている。しかし,測定時間や場所を必要とするため,急性期の患者には実施困難である場合が多い。したがって,急性期の患者においても使用できる簡易的な評価法が望ましいと考える。本研究の目的は,急性期内科疾患入院患者において,自立歩行判定のための簡易的評価項目を検討することである。【方法】対象は,理学療法を実施した内科病棟入院患者200 例(男性91 名,女性109 名,平均年齢66.7 ± 16.9 歳)である。研究デザインは横断的研究とした。測定項目は,歩行自立度,下肢筋力,バランス,血液検査データとした。歩行自立度の評価には機能的自立度評価法(Functional Independence Measure:FIM),下肢筋力の評価には下肢伸展挙上(Straight Leg Raising; SLR)反復回数,バランスの評価には片脚立位保持時間,認知機能の評価にはMMSE(Mini-Mental State Examination)の見当識,注意・計算,再生の各項目のスコアを用いた。血液検査データからは総蛋白値,アルブミン値,赤血球数,ヘモグロビン値をカルテより調査した。対象を歩行非自立群と自立群に分類し,ロジスティック回帰分析を行った。さらに,ROC曲線からカットオフ値を算出した。【結果】ロジスティック回帰分析から抽出された項目とカットオフ値は,SLR 反復回数27 回,片脚立位保持時間3.6秒,MMSE の見当識スコア9/10点であった。【結論】本研究の結果から,SLR反復回数,片脚立位保持時間,MMSEの見当識スコアは自立歩行に関連する評価項目であり,これらの評価項目が急性期内科疾患入院患者の自立歩行判定に利用できる可能性が示唆された。