ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-560-DP28-1 くも膜下出血後における肺炎に関連する因子の検討1)製鉄記念八幡病院 リハビリテーション部、2)製鉄記念八幡病院 脳卒中・神経センター山内 康太1)、熊谷 謙一1)、萩原 理紗1)、小柳 靖裕1)、中溝 玲2)【緒言】くも膜下出血は,脳血管攣縮などの危険性から動脈瘤再破裂予防措置後においても急性期では安静度が制限されることが多い。しかし,安静期間が遷延することにより臥床関連合併症の増加が危惧される。今回,くも膜下出血後における肺炎に関連する因子を調査することを目的とした。【対象・方法】2010年1月から2015年6月までにくも膜下出血にて入院した51例のうち,動脈瘤再破裂予防措置(動脈瘤クリッピング術,コイル塞栓術)を施行した41例を対象とした。診療録より入院中に肺炎と診断された症例をP群,肺炎を認めなかった症例をN 群とした。検討因子は年齢,性別,BMI,入院前mRS,既往歴,入院時・7 日目NIHSS, Hunt&Hess 分類,WFNS 分類,リハ開始日,離床開始日(立位以上),症候性脳血管攣縮,水頭症有無とした。統計解析は入院中における肺炎の有無における2群間の比較においてp<0.10未満であった因子を独立変数とし,肺炎の有無を従属変数とした多重ロジスティック回帰分析を行った。【結果】P群6例,N群35例であり,肺炎の発症率は15 %と高率であった。P群6例における肺炎発症時期は14日以内の発症が4例であり,離床状況は1 例のみ歩行が可能であったが5 例は離床できていなかった。 単変量解析の結果,入院前mRSはP 群0(IQR0-2),N群0(IQR0-0),入院時NIHSSはP 群5 点(IQR1-23),N群1 点(IQR0-5)であり,いずれもP 群が高い傾向にあった(p=0.078, p=0.085)。また離床開始日はP 群14 日(IQR6-28),N 群8 日(IQR5-12)とP群で遅延していた(p<0.01)。発症7 日目NIHSS,Hunt&Hess分類,WFNS分類,リハビリ開始日に差を認めなかった。多重ロジスティック回帰分析の結果,独立した予測因子は離床開始日(OR1.22,p=0.013)のみであった。【考察】脳血管攣縮に留意しながら早期離床,離床時間の拡大と安静期間中における呼吸器合併症を予防するためのポジショニングの重要性が示唆された。デジタルポスター 28 早期離床・リハビリテーション① 2月13日(土) 11:00~12:00 デジタルポスターブース8DP28-2 術前のGNRI が消化器外科術後の離床に与える影響について医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院小山内 大地、秋元 健太郎、青山 誠【目的】 消化器外科術後、ICU管理となった患者において術前のGNRIと術後の離床状況の関係を検討。【方法】 対象は2013年3月から2015年5 月に入院、消化器外科術後ICU 管理となった19 例。診断名は消化管穿孔・壊死10名、絞扼性イレウス3名、腸管虚血3名、腹腔内出血1名、胆管癌1名、盲腸腫瘍1名。検討項目は性別、年齢、抜管日数、ICU入室期間、在院日数、転帰先、術後離床開始日数(ベッドアップ、端坐位、立位、歩行)、合併症の有無、CRP、緊急・待機手術、手術時間、出血量、食事開始日。統計解析は術前のGNRI値と各項目の相関をPearson の相関係数、χ2検定を使用。有意水準は5%。【結果】 術前GNRI 42.9±4.6。【考察】 術前GNRI とICU 入室期間で有意な中等度の負の相関がみられた。これは術前の栄養状態が良いほど、ICU を早期に退出する傾向を示し、術後のICU管理期間を予測する有用な因子と考えられた。術後端坐位開始日数は有意水準に達しなかったが、中等度の負の相関を示した。術前のGNRIが良好なほど術後端坐位の開始を早期に行える可能性も示唆された。DP28-3 CABG 施行後初回立位負荷後長時間循環応答にカテコラミンが及ぼす影響1)兵庫医科大学病院 リハビリテーション部、2)兵庫医科大学 リハビリテーション部、3)兵庫医科大学 医学教育センター、4)兵庫医科大学 心臓血管外科、5)兵庫医科大学 集中治療医学、6)兵庫医科大学 リハビリテーション医学教室笹沼 直樹1)、井谷 祐介1)、田中 隆史1)、眞渕 敏1)、児玉 典彦2)、高橋 敬子3)、宮本 裕治4)、西 信一5)、道免 和久6)【はじめに】今回我々はCABG後の初回立位負荷後3時間までの心拍数、血圧、二重積および呼吸数について検討した。また、ドパミン(DOA)、ドブタミン(DOB)、ノルアドレナリン(NAD)の投与量による循環応答の差異について比較した。【対象と方法】介入は3 分から10 分間の術後初回立位とした。評価は心拍数、血圧、二重積および呼吸数とした。また、投与されたDOA、DOB、NADの薬剤量を求め中央値で2群に群分けを行った。初期値と立位直後、30、60、90、120、150、180分後の値とを比較した。比較にはWilcoxonの符号付き順位和検定を使用した。【結果】対象は12例、DOAは全例、DOBは6例、NADは7例で投与されていた。全例の解析では初期値と比較し立位直後にて血圧、二重積、呼吸数が有意に減少した。DOA およびDOB の高用量群にて収縮期血圧が立位後60分においても高値を示し、DOB 高用量群で立位後90分にても高値が持続した。【結語】CABG後症例は立位直後には血圧低下が生じるがその後有意に高値な循環応答が立位後90 分以降まで遷延することが示唆された。