ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-556-DP26-1 埋込型ペースメーカの放射線治療時における臨床工学技士の役割1)(独)健康者福祉機構 香川労災病院 MEセンター、2)(独)健康者福祉機構 香川労災病院 麻酔科、3)(独)健康者福祉機構 香川労災病院 集中治療部中 公三1)、北浦 道夫2)、戸田 成志2)、海野 知洋3)、古味 秀美3)【目的】今回、埋込型ペースメーカ(以下PM)を装着した食道癌患者の放射線治療を経験した。PM 装着患者に対する放射線治療を行う際に、より安全で効率的な照射を行うため、PMの影響と臨床工学技士の役割を明らかにする。【対象】Medtronic社製 Adapta PM埋込患者。【結果】放射線治療に先立ち、放射線治療医師、メーカを踏まえて、照射角度、照射野決定などの放射線治療計画を立案した。今回、予測蓄積線量はPinacleを用いた放射線治療計画では40Gy照射まででは0.3Gy であり、60Gyで1Gy以下であった。治療後の腫瘍総線量は60Gy/30Frであり散乱線線量は0.21Gy、蓄積線量は0.82Gyであり、照射中のPM異常発生は認めなかった。【考察と結語】製造メーカや機種により放射線耐性の差が存在しているため、臨床工学技士は、それぞれの一過性機能障害について検討し、事前の治療計画立案からの介入が重要である。また、照射前後、定期的なPMチェック、モニタリングに加え、不測の事態に備えることが必要である。デジタルポスター 26 心臓・循環・体液管理⑤ 2月13日(土) 11:00~12:00 デジタルポスターブース6DP26-2 IABPとBalloonの応答性の比較検討1)小倉記念病院 検査技師部 工学課、2)小倉記念病院 麻酔科・集中治療部森田 真1)、道越 淳一1)、伊藤 朋晃1)、丹生 治司1)、宮脇 宏2)、瀬尾 勝弘2)【はじめに】近年、IABP装置(以下, 装置)の性能が向上しているが、最近の機種を用いたBalloon(以下,バルーン)の応答性能に関する報告は少ない。【目的】2 社のIABP 装置と2 種類のバルーンを用いて応答性能を比較検討した。【対象および方法】IABP装置はCARDIOSAVE(A;MAQUET)、CORART BP21-T(B; 泉工医科工業)、IAB はYAMATO 7.5Fr 40cc(a;MAQUET)、P2 8Fr 40cc(b;泉工医科工業)を使用した。模擬心電図に同期させて(HR60bpm)装置を駆動し、水中モック内(背圧40~80mmHgに調整)でバルーンのポンピングを行った。駆動条件はアシスト比1:1、inflationはR-R間隔の50%、deflationはR波deflation とした。1.HR60bpm 時の装置A+バルーンa および装置B+バルーンb の組み合わせでバルーンが拡張するまでの加速度(AC)とバルーンが収縮する減速度(DC)の比較。2.装置に他社バルーンを使用し、AC とDCを比較し平均値±SD で示した。統計学的検討はt検定(両側)で行い、p<0.05を有意差ありとした。【結果】1.HR60に対するACを示した。装置A+バルーンa;124.0 ± 1.1msec、装置B +バルーンb;89.9 ± 1.5msec であった(p < 0.05)。DC は装置A +バルーンa;122.5 ± 1.5msec、装置B+バルーンb;110.9 ±0.6msecであった(p< 0.05)。2.装置に他社のバルーンを使用した時のACは装置A+バルーンb;101.8 ± 1.4msec、装置B +バルーンa;95.1 ± 0.8msec であった(p < 0.05)。DC は装置A +バルーンb;95.1 ± 1.1msec、装置B +バルーンa;118.1 ±0.5msec であった(p< 0.05)。【考察】今回の検討によりいずれのバルーンでも装置B でAC が速く、トリガに対して応答性がよいと考えられた。しかし、DC は装置Aとバルーンbの組み合わせでもっとも速くなったことからカテーテルのサイズとポンプの性能の違いが関与していると考えられた。【結語】IABP装置やバルーンにより応答性能が異なることを考慮する必要がある。DP26-3 PCPS 及びIABPを装着した劇症型心筋炎患者の救急車長距離搬送の経験1)長崎労災病院 臨床工学部、2)長崎労災病院 麻酔科、3)長崎労災病院 救急集中治療科宮崎 健1)、吉田 浩二1)、寺尾 嘉彰2)、中村 利秋3)【はじめに】劇症型心筋炎で経皮的補助循環装置(PCPS)及び大動脈内バルーンパンピング(IABP)装置を装着した状態での救急車による長距離搬送(約100km)を経験したため報告する。【症例】当院職員の60 歳男性。数日前から風邪症状を認め業務中にショック状態のところを職員が発見。体外式ペースメーカー及びIABP挿入、翌日更に状態悪化しPCPS導入した。劇症型心筋炎の診断で人工心臓植え込み適応となり高次機能病院へ搬送となる。【搬送経過】各診療部門及び消防等が連携して搬送手段を検討した。生命維持装置の積載、電源容量確保、搬送時間等を考慮して高規格救急車での搬送とした。高規格救急車の電源供給上限が300WであったためPCPS(最大出力160W)のみ車内電源としIABP装置(最大出力450W)は内部バッテリーと院内無停電(UPS)装置を準備して搬送する計画とした。IABP 装置内部バッテリーは交換から約2 年が経過していたため性能劣化を考慮し性能50%の60 分間を駆動可能と想定した。また電源の不足分として院内で使用可能なUPS 装置5 台を確保した。UPS 装置からの電源供給を約60 分間として合計120 分間の電源供給を可能と想定した。PCPS は車内から電源確保しIABP はUPS 装置から電源供給を行った状態で当院出発。車内では循環器科医師1名と臨床工学技士2名で搬送中の患者及び生命維持装置の管理を行った。搬送中は生命維持装置の作動状態は安定していたが、出発後約30 分でIABP 装置のUPS 電源は5 台全て消費し内部バッテリーへ移行した。IABP内部バッテリー使用50 分後、搬送病院到着2.7km手前でIABP内部バッテリー残量警報発生した。搬送先に到着し救急車から患者を降ろす際にIABP電源が落ちたが、その場で準備していたIABPに交換し患者の状態に変化は認めなかった。【結語】救急車で生命維持装置を複数作動させて長距離搬送する場合は各関連機関との連携及び安定した電源確保を最優先した搬送計画が安全管理上重要である。